ヴァルダス・アダムクス
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ヴァルダス・アダムクス(Valdas Adamkus, 1926年11月3日 - )は、リトアニアの政治家。リトアニア大統領(在任1998年から2003年、再任2004年から)。
1926年リトアニアのカウナスに生まれる。学生時代にリトアニア独立派の活動家として、地下で青年を対象とした新聞を出版するなどした。独ソ戦では、ソ連軍に対する抵抗運動に参加する。その後、形勢が不利になり、ドイツに移り、次いで戦後の1949年一家でアメリカに移住した。
アメリカでは、シカゴで働きながらイリノイ工科大学に学ぶ。また、アメリカのリトアニア人団体の中で次第に重きを成すようになる。その後、環境問題の専門家としてアメリカ環境保護局に勤務し、同局の五大湖地域副長官、長官を歴任する。また、共和党に入党し、活動した。
こうした経歴やアメリカ政府との繋がりなどが評価され、1998年リトアニア大統領に選出される。在任中は、リトアニアのNATO及びEU加盟に奔走した。
2002年大統領選挙で再選を狙ったが、翌2003年1月の決選投票で自由民主党のロランダス・パクサスに敗北。しかし、同年10月、ロシアの国際犯罪組織とパクサス大統領との癒着を指摘するスキャンダルが発生。2004年3月に、憲法法廷が国家機密保持などについて大統領の行為を違憲と判断。同年4月に、リトアニア議会が大統領弾劾を可決成立させ、パクサス大統領は辞任。大統領選挙では、2004年6月の決選投票の結果、パクサス前大統領を破り、同年7月に大統領に復帰した。
現在、ユネスコ親善大使にも就任している。