ループアンテナ
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ループアンテナは、エレメント(導線、導体部分)を環状(ループ)にしたアンテナである。
動作原理によって次の3種類に分類できる。
このうち、1,2は他のアンテナと同様に電界を検出するものであるのに対し、3は磁界を検出するもので、動作原理に違いがある。この項目では1, 2について説明する。
[編集] エレメント長を1波長とするもの
ループアンテナの最も基本的な構造は、長さが1波長の円形(正確には円弧形)の導線の両端に給電するものである。ダイポールアンテナなどと同様に、導線(エレメント)に定常波を生じさせることにより、電場を形成する。特徴は次の通りである。
- 利得が高い
- 電波の偏波面のうち、垂直偏波・水平偏波のどちらの成分も捕捉できる
- 雑音に強い(S/N比が良い)
短波から極超短波まで、遠距離(DX)通信・衛星通信などの目的に用いられることが多い。理論上は円形が最も効率が高いが、設置を容易にするため三角形(デルタ・ループ)、四角形(クワッド)のものが多く実用になっている。
八木・宇田アンテナと同様に、全長が1波長より少し短い閉じた導線からなる導波器、全長が1波長より少し長い閉じた導線からなる反射器を取り付けることにより、指向性が鋭くなり、利得が向上する。このようなアンテナはループ八木アンテナと呼ばれる。また、輻射器、導波器、反射器が四角形のエレメントから構成されているものは、立方体のような形状を持つためキュービカル・クワッド(cubical quad:CQ)と呼ばれる。×型の支柱に四角形に導線が張られており、特徴的な外見を有する。
[編集] 導線を何回か巻いたもの
電子部品として用いられる通常のコイルよりも大きな直径で導線を何回か巻いたものも、ループアンテナと呼ばれる。コイル内部の磁場の変化により、誘導起電力を取り出す原理である。この場合、導線の長さは動作に直接関係しない。多くはコンデンサを接続して共振回路として用いる。送信用としての用途はそれほど多くなく、むしろ電磁誘導の応用として135kHz、13.56MHzの電波を利用したRFIDなどに用いられている。
この代表的な製品として、中波帯のAMラジオの遠距離受信用のアンテナが市販されている。直径1m程度の三角形、四角形などのコイルと可変コンデンサ(バリコン)により同調を取り、ラジオに内蔵されているバーアンテナと電気的に結合させるものである。