ラファエル・ナダル
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ラファエル・ナダル(Rafael Nadal Parera, 1986年6月3日 - )は、スペイン・マジョルカ島出身の男子プロテニス選手。2005年、2006年の全仏オープン男子シングルスで大会2連覇を達成した。左利き(本来は右利きであるが、幼少時に助言を受け左打ちに矯正)。身長185cm、体重85kg。強烈なトップスピンが特徴。多くのトップ選手を輩出するスペイン勢の中で、文句なしにナンバー1といえるのが彼である。最大の特徴はフットワークで、とにかくどんなに振り回されても走って走って走りまくり、カウンターからエースをとりに来る。逆に自分から攻めるテニスを展開することは少なく、そのスタイルは先輩のカルロス・モヤやファン・カルロス・フェレーロより、セルジ・ブルゲラやアルベルト・コスタに近い。現在間違いなく、レイトン・ヒューイットを越えた世界最高の「レトリーバー」(俗に言う、シコりテニス)である。
彼のおじはサッカー元スペイン代表DF(ディフェンダー)のミゲル・アンヘル・ナダルであり、ラファエルも12歳まではサッカーで有望選手だったという。そこからテニスを職業に選び、2001年に15歳でプロ入りした。2005年のシーズンに急成長を始める。全仏オープンでは準決勝で世界1位のロジャー・フェデラーを破り、決勝ではアルゼンチンの伏兵マリアノ・プエルタに競り勝って、「19歳2日」の若さで初優勝を達成。全仏オープンでの初出場・初優勝は1982年のマッツ・ビランデル以来となり、大会でも4番目の年少記録。10代の男子テニス選手が4大大会で優勝したことも、1990年の全米オープンに「19歳28日」で優勝したピート・サンプラス以来15年ぶりの快挙であった。その後の4大大会では不本意な早期敗退に終わり、ウィンブルドンは2回戦でギレス・ミュラー(ルクセンブルク)、全米オープンは3回戦でジェームズ・ブレーク(アメリカ)に敗れた。しかし2005年度はATPツアーで年間「11勝」を挙げ、そのうち「ATPマスターズシリーズ」(男子テニスツアーで、4大大会に次ぐ大規模なトーナメント群。年間9大会を指定)ではモンテカルロ、ローマ、カナダ、マドリードの4大会で優勝した。
2006年のシーズンでも、ナダルはATPツアー大会の決勝戦でロジャー・フェデラーに4連勝を記録した。同年5月、第7回「ローレウス・スポーツ賞」の「最優秀新人賞」を受賞。2006年にはクレーコートで、アルゼンチンのギレルモ・ビラスが持っていた「53連勝」の記録を更新する。全仏オープン決勝戦ではフェデラーに 1-6, 6-1, 6-4, 7-6 で勝ち、大会2連覇を達成。クレーコートでの連勝記録を「60連勝」に伸ばし、それまで4大大会シングルス決勝戦で負けたことがなかったフェデラーに、初めての黒星をつけた。同年のウィンブルドンでは、不得意とされるサーフェスながらも決勝まで勝ち上がり、芝でも十分通用することを示したが、全仏に続く2大会連続の決勝対決となった大会3連覇中のフェデラーに 0-6, 6-7, 7-6, 3-6 で敗れた。(芝のコートに滅法強いフェデラーは、大会4連覇を達成した後「芝では負けられなかった」と話した。)全米オープンでは振るわず、準々決勝でロシアのミハイル・ユーズニーに 3-6, 7-5, 6-7, 1-6 で敗れてしまった。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ラファエル・ナダル公式ホームページ
- クレーコートの王者・ナダル (ファンサイト)
カテゴリ: スペインのテニス選手 | 1986年生