ヤモリ
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ヤモリ | ||||||||||||||||
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垂直面にいるホオグロヤモリ Hemidactylus frenatus |
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分類 | ||||||||||||||||
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ヤモリ(守宮、家守)は、有鱗目トカゲ亜目ヤモリ下目ヤモリ科に属する爬虫類の総称(この場合トカゲモドキは別科としている)。日本本土でヤモリというと、ほとんどがニホンヤモリGekko japonicusのことをさす。「家守」と漢字を当てることから「家の守り神」とも言われる。
目次 |
[編集] 分布
南極大陸を除く全大陸に分布する。 小型種が多く漂流物に乗って海洋島に流れ着いたり、貨物に紛れ込んで移動先で定着しているものと思われる。 ニホンヤモリも原生林等には生息せず人家を中心に生息すること等から、元は中国等からの船舶の荷物に紛れ込んで人の生活域に合わせて分布を広げた外来種と考えられている。
[編集] 日本に分布する種
- オンナダケヤモリ
- ミナミヤモリ
- ニホンヤモリ
- タワヤモリ
- ヤクヤモリ
- タシロヤモリ
- ホオグロヤモリ
- キノボリヤモリ(基亜種のみ)
- オガサワラヤモリ
- ミナキトリシマヤモリ
- (未記載種としてタカラヤモリ、ニシヤモリ)
[編集] 形態
最大種はツギオミカドヤモリで最大全長43cm。垂直なガラスにも登れるため、よく指には吸盤があるといわれるが、実際には指の鱗に生えている目に見えない細かい鉤型の毛を僅かな凹凸に引っ掛けている。オウカンミカドヤモリのようにこれと同じものを尾端に持つ種も存在する。ただし、すべての種が垂直な面に張り付くわけではなく、ヤモリ特有の鱗(指下板)を持たない種も少なくない。
近年、垂直な面に接している細かい毛の表面と垂直面との間に働くファンデルワールス力によって、垂直面に張り付いているとする研究報告もあり、新しい接着剤の開発に応用が期待されている。
目は瞼が変化した透明な鱗で覆われている。そのため舌で目を舐め、表面を清浄に保つ。瞳孔も夜行性の種は縦長でヤモリ(ヒレアシトカゲも)特有の形をしている。(昼行性のヒルヤモリ属等は瞳孔が丸い。)
[編集] 生態
ほとんどの種類が夜行性。
聴覚がよく発達している。このため鳴声を出す種類も多く特に東南アジアにいるトッケイは有名である。なお、日本国内のヤモリだと、ニホンヤモリは鳴かないが、小笠原諸島や南西諸島に生息するオガサワラヤモリ、および、ホオグロヤモリは「ケッケッケッケッ」「カッカッカッカッ」のような声で鳴く。
敵に襲われると尾を自切する種類が多く、多くの種では自切した尾はやがて再生する。(骨は再生しない。)
多くの種の繁殖形態は卵生で1回に2個づつの卵を数回に分けて産むが、イシヤモリ亜科には卵胎生の種もいる。
[編集] 分類
ヤモリ科の分類は研究者により説が異なりトカゲモドキ科は独立した科とする説が有力だが、本科の亜科とする説もある。 トカゲ目の記事ではトカゲモドキ科を独立した科としているので本記事もそれに従うものとする。
[編集] イシヤモリ亜科 Diplodactylinae
- Bavayia
- Carphodactylus
- Crenadactylus
- イシヤモリ属 Diplodactylus
- Eurydactylodes
- Hoplodactylus
- Lucasium
- Naultinus
- タマオヤモリ属 Nephrurus
- ビロードヤモリ属 Oedura
- Phyllurus
- Pseudothecadactylus
- ミカドヤモリ属 Rhacodactylus
- Rhynchoedura
- Saltuarius
- Underwoodisaurus
[編集] ヤモリ亜科 Gekkoninae
- Afroedura
- Afrogecko
- クモヤモリ属 Agamura
- Ailuronyx
- Alsophylax
- Aristelliger
- Asaccus
- Blaesodactylus
- Bogertia
- Bogertia lutzaae
- Briba
- Briba brasiliana Amaral's Brazilian gecko
- Bunopus
- Calodactylodes
- Carinatogecko
- グローブヤモリ属 Chondrodactylus
- Christinus
- Cnemaspis
- Coleodactylus(チビヤモリ亜科とする説もあり)
- Colopus
- Colopus wahlbergii
- Cosymbotus
- Crossobamon
- Cryptactites
- ホソユビヤモリ属 Cyrtodactylus
- Cyrtopodion
- Dixonius
- Dravidogecko
- Dravidogecko anamallensis
- Ebenavia
- Euleptes
- バクチヤモリ属 Geckolepis
- ヘルメットヤモリ属 Geckonia
- ヘルメットヤモリ Geckonia chazaliae
- フトオヤモリ属 Gehyra
- ヤモリ属(コバンヤモリ属) Gekko
- Goggia
- Gonatodes
- Gonydactylus
- Gymnodactylus
- Haemodracon
- ナキヤモリ属 Hemidactylus
- Hemiphyllodactylus
- Heteronotia
- Homonota
- ネコツメヤモリ属 Homopholis
- Lepidoblepharis(チビヤモリ亜科とする説もあり)
- Lepidodactylus
- Luperosaurus
- Lygodactylus
- Matoatoa
- Microscalabotes
- Microscalabotes bivittis
- Nactus
- Narudasia
- Narudasia festiva
- Pachydactylus
- Palmatogecko
- Paragehyra
- ササクレヤモリ属 Paroedura
- Perochirus
- ヒルヤモリ属 Phelsuma
- ユビワレヤモリ属 Phyllodactylus
- Phyllopezus
- Pristurus
- Pseudogekko
- Pseudogonatodes(チビヤモリ亜科とする説もあり)
- Ptenopus
- トビヤモリ属 Ptychozoon
- ウチワヤモリ属 Ptyodactylus
- Quedenfeldtia
- Rhoptropus
- Saurodactylus
- チビヤモリ属 Sphaerodactylus(チビヤモリ亜科とする説もあり)
- ボウユビヤモリ属 Stenodactylus
- カベヤモリ属 Tarentola
- マツカサヤモリ属 Teratolepis
- スキンクヤモリ属 Teratoscincus (スキンクヤモリ亜科とする説もあり)
- Thecadactylus
- Thecadactylus rapicauda
- Tropiocolotes
- Urocotyledon
- ヘラオヤモリ属 Uroplatus
[編集] 関連項目
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