ヤマハ・チャンプ
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ヤマハ・チャンプ (Yamaha Champ) は、ヤマハ発動機が1984年4月に販売を開始した原動機付自転車(スクーター)の車種名。現在では生産を終了している。
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[編集] 概要
同社の人気車種ジョグの兄弟モデル(スポーティー版)として登場。搭載されるエンジンは5.2psを発揮する空冷2サイクル単気筒。足回りには前輪に太めの8インチ (3.00-8) 、一方でリアには細めの10インチ (2.75-10) という変則パターンのタイヤを採用。これによりジョグと比較してシャープなハンドリングを実現。その素性の良さから、スクーターレースのベースマシンに採用されることも多かった。スピードメーターは一般的なアナログ仕様の他、1万円高でデジタルメーターも用意されていた。発売当初のカラーバリエーションは、赤/黒(ベース/アクセント)及び白/青。
1986年7月には、最高出力が5.8psまで引き上げられた他、30Wのハロゲンヘッドライトやリアにガスショックを採用した「スペシャル」もラインアップに加わった。
[編集] 主な派生車種
[編集] チャンプ80
車体構成は50cc版と共通のまま(乗車定員も50cc版と同じく1人)、エンジンの排気量のみを80ccに変更した原付二種モデル。当然ながら50cc版よりもパワフルな走りを実現し、一般公道での30km/h制限や2段階右折などから開放されるモデルとして、自動二輪車に乗っている人々のセカンドマシンとされることも多かった。
[編集] チャンプRS
1987年に登場。チャンプ(50cc)をベースにフロントディスクブレーキ、3.00-10サイズの前後タイヤを採用し、エアロアンダーカウルを装備したスポーティーグレード。チャンバータイプマフラーを装備したエンジンは6.3psにまでパワーアップされ、当時の50ccスクーターの中でも最強と言われる走りを実現したモデル。カラーリングもストロボカラーをはじめとした同社のレーシングマシンを意識したものが多くラインアップされ(有名なものではマールボロカラーや、当時の同社ワークスのエースライダーであった平忠彦のマシンYZR500と共通の資生堂「TECH21」カラーなど)、また社外チューニングパーツも数多く用意されたことから、当時の走り屋を自称する高校生などから絶大な支持を受けた。
[編集] チャンプCX
1988年に登場。RSの6.3psを維持したまま、シート下にヘルメットスペースを設けた、チャンプシリーズ唯一のメットインスクーター。
[編集] 車名の由来
チャンプ (Champ) とは、英語で「選手権保持者」・「優勝者」などを意味するチャンピオン (Champion) の短縮形。