マルコス・バグダティス
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マルコス・バグダティス(Marcos Baghdatis, 1985年6月17日 - )は、キプロス・リマソール出身の男子プロテニス選手。当地から登場した最初の本格的なプロテニス選手として活動し、2006年の全豪オープン男子シングルス準優勝者になった。顔の無精髭がトレードマーク。ベースライン・プレーヤーで、フォアハンド・ストロークの強打とサービスを大きな武器にする。シングルス自己最高ランキングも8位に上昇した(2006年8月)。身長182cm、体重80kg、右利き。
キプロスは地中海に浮かぶ、人口約71万人の小さな島国である。バグダティスの父親は衣料品店の経営者で、家族は2人の兄と養子の妹がいる。マルコスはその中で5歳からテニスを始め、14歳の時にスポーツ小国を援助するプロジェクトの奨学金の資格を得て、キプロスからフランスの首都・パリへ留学した。ジュニア選手時代、2001年に日本の大阪で開かれた「世界スーパー・ジュニア・テニス選手権」に16歳で優勝したことがある。2003年に全豪オープンの男子ジュニア部門で優勝し、同年にプロ転向。2004年のアテネ五輪にキプロス代表として出場し、2回戦でドイツのニコラス・キーファーに敗れる。4大大会デビューは同年の全米オープンで、2回戦で第1シードのロジャー・フェデラーに挑戦した。2005年の全豪オープンでキプロス人のテニス選手として初の4回戦進出を果たしたが、この時もフェデラーに敗れている。2005年は全仏オープンとウィンブルドンにも初出場を果たしたが、この両大会では初戦を突破できなかった。
2006年の全豪オープンで、マルコス・バグダティスは世界に旋風を起こす。世界ランキング54位のノーシードから勝ち上がり、4回戦で第2シードのアンディ・ロディックを 6-4, 1-6, 6-3, 6-4 で破り、準々決勝では第7シードのイワン・リュビチッチ(クロアチア)に勝ち、準決勝では第4シードのダビド・ナルバンディアン(アルゼンチン)を 3-6, 5-7, 6-3, 6-4, 6-4 の逆転で破り、キプロス人のテニス選手として初の4大大会決勝進出者となった。先にナルバンディアンに2セットを取られた状態(2セット・ダウン)からの逆転勝利でつかんだ決勝戦だった。ロジャー・フェデラーとの決勝では第1セットを 7-5 で奪ったが、続く3セットを 5-7, 0-6, 2-6 で落として準優勝に終わった。この後全仏オープンでは2回戦敗退に終わったが、ウィンブルドンでベスト4に進出する。バグダティスは準々決勝でレイトン・ヒューイットを 6-1, 5-7, 7-6, 6-2 で破ったが、続く準決勝で第2シードのラファエル・ナダルに 1-6, 5-7, 3-6 のストレートで敗れ、全豪に続く決勝進出はならなかった。ウィンブルドン選手権の終了後、バグダティスは世界ランキングを10位に上げ、初めての世界トップ10入りを決めた。全米オープンで第8シードに選ばれたバグダティスは、2回戦でこの大会限りでの現役引退を表明していたアンドレ・アガシに 4-6, 4-6, 6-3, 7-5, 5-7 のフルセットで敗れた。しかし全米オープン直後に中国・北京で行われた「チャイナ・オープン」決勝戦で、バグダティスはマリオ・アンチッチを 6-4, 6-0 で破り、ATPツアー大会初優勝を飾った。
全豪オープン4回戦でロディックを破った後、バグダティスは「きょうからキプロスのテニスが始まる」と語ったという。
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