ホールデン (自動車)
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ホールデン(Holden)は、オーストラリアの自動車メーカー。
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[編集] 沿革
オーストラリア唯一の自国独自ブランドの自動車メーカーで、J.A.ホールデンが1856年にアデレードで馬具製造の会社として設立したのが起源である。
1925年にクローズドタイプの自動車をはじめて製造、その後1931年にGeneral Motors Australia系列のメーカーとなった。以後はGMグループの一員として、シボレーのノックダウン生産から、1940年代後半以降はシボレーの影響を受けつつもオーストラリアの国情に合った中型車をオリジナル開発して生産した。アメリカ車の平均より若干小柄だがヨーロッパ車よりも大きい独特のボディサイズ設定は、アメリカ同様に広大な未開地を抱えるオーストラリアならではの設定である。
1970年代以降は、自社開発の大型セダンとその派生車種のほか、欧州・日本のGM系メーカー(オペル、いすゞ、スズキなど)の一部車種をライセンス生産している。1980年代後半から1990年代前半はトヨタとも提携し、カローラとカムリのOEM供給を受け自社のブランドで販売していた。
近年ではオーストラリア国外への展開にも積極的で、クーペのモナーロを「ポンティアックGTO」「ヴォクスホール・モナーロ」という名称でアメリカのGMとイギリスのヴォクスホールにOEM供給している。さらにステイツマンを2005年から中国にてビュイック・ROYAUM名称で現地生産、韓国のGM大宇にも2005年からステイツマンのOEM供給を開始した。
現在のロゴマークは1994年から使われているもので、エジプトライオンをモチーフとしたものになっている。
2005年にはサーブ・オーストラリア社を統合した。
日本におけるホールデンの知名度は低いが、マツダへ大型セダンのプレミアーを供給し、13B型ロータリーエンジンを搭載した最高級車ロードペーサーとして1975年から1979年まで販売、また1973年からいすゞへステイツマン・デ・ビルをOEM供給していたことがある。2005年からスズキがGM大宇からOEM供給を受けているシボレー・オプトラのエンジンはホールデン製である。
[編集] 車種一覧
- アストラ
- クルーズ(シボレー・クルーズを日本から輸入)
- バリーナ(シボレー・アヴェオの豪州仕様車)
- ヴィヴァ(シボレー・オプトラの豪州仕様車)
- ベクトラ(オペル・ベクトラのライセンス生産車)
- ザフィーラ(オペル・ザフィーラのライセンス生産車)
- キャブティバ(シボレー・キャプティバの豪州仕様車)
- ジャッカルー(いすゞ・ビッグホーンの豪州仕様車)
- コモドア(オペル・オメガをベースとした自社開発のセダン)
- カレー(コモドアの上級版)
- ベルリーナ(カレーと同じくコモドアの上級版)
- ステイツマン(コモドア系がベースの高級セダン)
- カプリス(コモドア系がベースの高級セダン)
- ユート(コモドア系がベースのピックアップトラック)
- モナーロ(コモドア系がベースの2ドアクーペ)
- ロデオ (いすゞ・D-MAXの豪州仕様車)
- クルーマン (ユートのダブルキャブ仕様)
[編集] 過去の生産車種一覧
- ジェミニ(初代いすゞジェミニのライセンス生産車)
- ティグラ (オペル・ティグラのライセンス生産車)
- カミーラ(オペル・アスコナがベース)
- ノバ(トヨタ・カローラのOEM)
- アポロ(トヨタ・カムリのOEM)
- カリブラ(オペル・カリブラのライセンス生産車)
- プレミアー(70年代のアメリカGMのセダンのプラットフォームを使用した自社開発車。マツダ・ロードペーサーはプレミアーに13B型ロータリーエンジンを搭載して日本国内で1975年から1979年まで販売した)
- キングスウッド(プレミアーの廉価版)
- ステイツマン・デビル(プレミアーの高級版。いすゞ自動車が1970年代前半から中頃にかけて日本国内で販売した)
- サンドマン(プレミアーのバン型商用車)
[編集] 関連項目
[編集] その他
オーストラリアではホールデンの他にも、フォード、トヨタ、三菱が現地に工場を持ち、生産している。
ホールデンの主力モデルであるコモドアは、オーストラリアにおいて、フォードのファルコン、トヨタのカムリと並んで人気が高い。
[編集] 外部リンク
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