ホメロス
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ホメロス(ギリシア語:Όμηρος ラテン文字表記:Homeros)は、紀元前8世紀後半頃(?)に盛時をおく の古代ギリシアの伝説的な詩人である。古代ギリシア語の発音では「ホメーロス」の方がより正確である。ホメーロスの言語は主にイオニア方言からなり、ヘクサメトロス(六脚律)と呼ばれる韻律で歌われた英雄叙事詩である『イリアス』(イーリアス)と『オデュッセイア』(オデュッセイアー)の間に大きな言語的・文芸的な区別は存在しない。
目次 |
[編集] 作品
上記二大英雄叙事詩の他に、『キュプリア』『アイティオピス』『小イーリアス』『イーリオスの陥落』『帰国物語』『テーレゴニアー』が伝統的にホメロス作と見なされてきた。『ホメロス讃歌』と呼ばれる神々への讃歌33編は、明らかにホメロスの作品ではない。
[編集] ホメロス問題
古代・中世のギリシア人たちは、一部例外を除いて、『イリアス』と『オデュッセイア 」がホメロスの作である事を疑わなかったが、近代になり、異論が唱えられるようになった。例えば、ホメロスがもし『イリアス』の作者なら『オデュッセイア』はそれより少し後代の別人、あるいは複数の詩人になるものではないかという推測である。今日では、両詩の原型はホメロス(と仮に呼ぶ)一人によって、それ以前の口承文学を引用しつつ、創造されたものという説が有力であるが、このような問題は未解決である。ホメロスとは誰なのか、1人なのか複数なのか、両叙事詩の作者なのか、文字の助けを借りて創造したのか、何時なのか、何処でなのか、こういったもの諸問題を称して「ホメロス問題」と呼ぶ。
ともあれ、ホメロスが古代ギリシアにとって、最初の最も高名な詩人であり、古代ギリシアは文化と教養の多くを彼に負っていると言っても誇張ではない。又、それ以上に、「西洋文学の父」として、古代ギリシアの古典期、ヘレニズム時代、ローマ時代、(西欧でギリシア語の知識が部分的に失われた中世は除く。この時代、ホメロスの文学はギリシア人が支配階層となった東ローマ帝国に受け継がれた)、ルネサンスから現代に至るまで、ホメロスを抜きにして文学を論じる事は出来ないのである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク