ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
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ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau、1817年7月12日 - 1862年5月6日)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州コンコード市生まれの作家・思想家・詩人・博物学者。
ハーバード大学卒業後、家業の鉛筆製造業、教師、測量の仕事などにも従事したが、生涯を通じて定職につかず、やがて学生時代に熟読した『自然』の著者で超絶主義者のラルフ・ウォルドー・エマソンらと親交を結んだ。
自費出版した第一作『コンコード川とメリマック川の一週間』(1849年)は、若くしてこの世を去った兄とのボート旅行をまとめた随想で、当時の社会には全く受け入れられなかった。
代表作『ウォールデン-森の生活』(1854年)は、二年二ヶ月におよぶ森での一人暮らしの記録をまとめたものであり、その思想は後の時代の詩人や作家に大きな影響を与えた。
ソローの死後『メインの森』(1864年)や『コッド岬』(1865年)などの旅行記や、自然誌エッセー、日記、書簡集等、数多くの作品が出版されている。ソローの作品は、人間と自然との関係をテーマにしたものが多く、自然文学、いわゆる「ネイチャーライティング」の系譜に位置づけられる。
多くの著作に現在の生態学に通じる考え方が表明されており、アメリカにおける環境保護運動の先駆者としての評価も確立している。
日本においてもアウトドア愛好家などに信奉者が多い。
ソローは奴隷制度とメキシコ戦争に抗議するため、人頭税の支払いを拒否して投獄されたことがあり、その様子は「市民の反抗」としてマハトマ・ガンジーのインド独立運動やキング牧師の市民権運動などに思想的影響を与えた。
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[編集] 主要作品
- 『ウォールデン-森の生活』 (Walden: or, the Life in the Wood,1854年)
- 『メインの森』 (The Maine Woods,1864年)
- 『コッド岬』 (Cape Cod,1865年)
- 「市民政府への反抗(市民の反抗)」("Resistance to Civil Government",1849年、親族と友人によって編集・改題され死後出版された"Civil Disobedience",1866年)
[編集] 参考文献
- 代表作『ウォールデン-森の生活』は、日本で明治44年(1911)に水島耕一郎によって翻訳された後、21世紀の現在に至るまで多くの翻訳が出版され、代表的な翻訳は13点(抜粋訳等を含めると30点)ある。その中で、近年出版された代表的翻訳には以下のものがある。
- 飯田実訳『森の生活(ウォールデン)』岩波書店,1995年
- 酒井雅之訳『ウォールデン』筑摩書房,2000年
- 今泉吉晴訳『ウォールデン 森の生活』小学館,2004年
[編集] 外部リンク
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