ビリー・ビーン
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ビリー・ビーン(William Lamar "Billy" Beane,1962年3月29日 - )は、MLBの元外野手、現在オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー。卓越した球団運営でメジャーリーグの名GMの一人に数えられる。『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』(マイケル・ルイス著)で日本でも知られるようになった。
[編集] 略歴
フロリダ州オーランドで生まれ、カリフォルニア州サンディエゴ近郊で育った。1980年、ニューヨーク・メッツにドラフト1順目指名で入団(同期入団にはダリル・ストロベリーがいた)。1984年から1989年にかけてメッツ、ミネソタ・ツインズ、デトロイト・タイガースを控え外野手として渡り歩き、最後にはアスレチックスに移籍し、1989年に現役を引退した(ベンチ要員ではあったが1987年にツインズで、1989年にアスレチックスでワールドシリーズ優勝を経験している)。現役時代の通算成績は、148試合に出場して、打率.219、本塁打3本。
引退当時のアスレチックスには監督トニー・ラルーサ、一塁手マーク・マグワイア、外野手ホセ・カンセコなど錚々たるメンバーが揃い、黄金時代を迎えていた。当時のゼネラルマネージャーはサンディ・アルダーソンで、彼が「出塁率、長打率が重要だ」と説いたことが後のビーンに大きな影響を与えた。
1990年から球団スタッフに転身しスカウトとして活動、1993年にはアルダーソンのアシスタントを務め着実に地位を築いていった。1997年にはアルダーソンの後任としてゼネラルマネージャーに就任。セイバーメトリクスを駆使し、無駄な要素を極力省き低予算でチームを強くすることを実現した。
2003年には、前述の「マネーボール」が出版され、ビーンのチームマネジメントが日米で話題となり、日本でもセイバーメトリクスが一般的に知られるきっかけとなった。