セイバーメトリクス
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セイバーメトリクス(SABRmetrics, Sabermetrics)とは、野球においてデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法である。
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[編集] 概要
セイバーメトリクスとは、野球関係のライターだったビル・ジェームズによって1970年代に提唱されたもので、アメリカ野球学会の略称SABR(Society for American Baseball Research)と測定基準(metrics)を組み合わせた造語である。
野球には、様々な価値基準・指標が存在するが、セイバーメトリクスではこれらの重要性を数値から客観的に分析した。それによって野球における采配に統計学的根拠を与えようとした。しかし、それはバント・盗塁の効力の否定など(一般的に言われているほどの大きな効力は無いという意味であり、存在そのものの全否定ではない)、しばしば野球の従来の伝統的価値観を覆すものであったため、またジェームズ自身が一介のライターに過ぎなかったため、当初は批判的に扱われ、日本でもさほど取り上げられることはなかった。
1990年代に入るとメジャーリーグでチーム戦略の一環として重視されるようになり、特にオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンの球団経営戦略を紹介した書籍「マネーボール」により、日本でも一般的に知られるようになった。しかし、日本の野球界ではまだ伝統的価値観が支配的であり、戦略として積極的にセイバーメトリクスを取り入れるチームは非常に少ない。
現在では、セイバーメトリクス専門のシンクタンクが現れ、特にベースボール・プロスペクタス(Baseball Prospectus、通称BP)が有名である。このBPはセイバーメトリクスを駆使して個々の選手の未来の成績を予想するコンピュータ・システム「PECOTA」を開発。2003年から毎年シーズン前に「活躍予報」なるものを発表している。
ジム・アルバート、ジェイ・ベネットが著した「メジャーリーグの数理科学(原題Curve Ball)」はセイバーメトリクスについてわかりやすく解説している。
[編集] 関連書籍
- J.アルバート、J.ベネット 『メジャーリーグの数理科学(上)』 後藤寿彦監修、加藤貴昭訳、シュプリンガーフェアラーク東京(現・シュプリンガー・ジャパン株式会社)〈シュプリンガー数学リーディングス〉、2004年、ISBN 4-431-71016-7
- J.アルバート、J.ベネット 『メジャーリーグの数理科学(下)』 後藤寿彦監修、加藤貴昭訳、シュプリンガーフェアラーク東京(現・シュプリンガー・ジャパン株式会社)〈シュプリンガー数学リーディングス〉、2004年、ISBN 4-431-71017-5
- Albert, J. Bennett, J. (2001). Curve Ball: Baseball, Statistics, and the Role of Chance in the Game. Springer-Verlag New York, LLC. ISBN 0387988165
- Albert, J. Bennett, J. (2003). Curve Ball: Baseball, Statistics, and the Role of Chance in the Game. Repr. 2003 Edition. Springer-Verlag New York, LLC. ISBN 038700193X
- マイケル・ルーイス 『マネー・ボール―奇跡のチームをつくった男―』 中山宥訳、二宮清純解説、ランダムハウス講談社、2004年、ISBN 4-270-00012-0
- Baseball Prospectus Team of Experts, Keri, J. Click, J. (2006). Baseball Between the Numbers: Why Everything You Know About the Game Is Wrong. The Perseus Books Group. ISBN 0465005969