ビバリーヒルズ高校白書
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ビバリーヒルズ高校白書(ビバリーヒルズこうこうはくしょ)、ビバリーヒルズ青春白書は、アメリカ合衆国のFOX Networkで制作された青春テレビドラマ。1990年から2000年まで続いた。
原題は 『Beverly Hills 90210』(90210 はアメリカのビバリーヒルズの郵便番号)。邦題の「ビバリーヒルズ高校白書」は第1~3シーズンにあたる。第4~第10シーズンを「ビバリーヒルズ青春白書」としている。
[編集] 概説
ストーリーは、寒冷なミネソタ州ミネアポリスから温暖で華やかな上流家庭の子弟が多く住むカリフォルニア州ビバリーヒルズにブランドンとブレンダという双子の高校生兄妹が両親と一緒に引っ越してきたところから始まる。
ビバリーヒルズの高校(「ウェストビバリーハイスクール」という架空の高等学校)に転校した彼ら二人とそれを取り巻く友人たちとの恋愛と青春物語。とりわけ、二人の主人公とそのまわりの友人たちとの思春期から青年期にかけての恋愛、悩み、複雑な家庭事情、ドラッグ・銃・人種差別などの現代の米国を象徴する社会問題と葛藤を描いた点がリアリティあるアメリカの若者像として評価を受け、人気を呼んだ。スウェーデンでは、このドラマの人気絶頂期とも言うべき1992年から1994年にかけて、ブランドンとディランという二大登場人物の名が、新生児の名前として突然ポピュラーになったことさえある。
日本ではこのドラマが放送され大人気であった頃、ティーン向け女性ファッション雑誌で登場人物の着る西海岸風のアメリカンカジュアルな服装を多く取り上げ特集した。現在のセレブカジュアル風の着こなしは、一時は『ビバカジ』と称され流行した。ドラマの好調とともに出演の登場人物が注目された事例であろう。
青春白書ではウエストビバリー高校を卒業した主人公たちがカリフォルニア大学(実在する University of California ではない)へ入学してからのストーリーを描いている。
このドラマのスピンオフとして『メルローズ・プレイス』が誕生している。
また、2000年にこのドラマが終了した直後、ダレン・スター製作の『グロス・ポイント』というドラマが登場した。この『グロス・ポイント』は『ビバリーヒルズ~』を皮肉った楽屋落ち物語として話題になった。
[編集] 主な登場人物
- ブランドン Brandon Walsh (ジェイソン・プリーストリー 声:中原茂 )
- ブレンダと双子の兄妹。アイルランド系プロテスタントの公認会計士の息子。新聞部に在籍し、正義感の旺盛な優等生的存在。多くの登場人物と恋に落ちるも結局最後は振られる。性格は融通が利かないが、下半身はそうではないようで二股をかけたりプレイボーイな一面も。真面目な反動かアルコールとギャンブルへの耐性のなさはピカイチ。
- ブレンダ Brenda Walsh (シャナン・ドハーティー 声:小金沢篤子)
- ブランドンと双子の兄妹。愛するディランに処女を捧げたが、ディランがケリーと恋に落ちたため、三角関係に陥った。演じたシャナン・ドハーティーはゴシップ女優としても有名で、恋人とストリップバーに行くなどスキャンダルが原因でビバリーヒルズ青春白書の途中(第4シーズン終了)で降板となった。後に名前が出ることはあっても画面に出ることはない。
- ケリー Kelly Taylor (ジェニー・ガース 声:松本梨香)
- 最初は金持ちの不良少女的存在。元モデルの娘。ディランやブレンダと三角関係になる。後半はブランドンと恋仲に発展し、結婚の手前まで行く。ドラッグ中毒・拒食症・レイプ被害などを克服。ブランドン降板後、主役交代した。
- ディラン Dylan McKay (ルーク・ペリー 声:小杉十郎太)
- 父親がマフィアと関係するなどダーティなイメージで、一匹狼的存在。アイルランド系。サーフィンを好み、ブランドンと友人に。父の遺産を相続して大富豪になるも、詐欺師に騙されて無一文に転落し、酒やドラッグに溺れる。父親を殺した人物の娘、トニーと恋に落ち、結婚するが直後に彼女を失うなど波乱の人生を送る。
- スティーブ Steve Sanders (アイアン・ジーリング 声:堀内賢雄)
- 有名な女優を母親に持ち、明るい性格でひょうきんな存在。憎めないキャラクターだが、カンニング事件やハッカー騒動を起こして退学になりかけるなどトラブルメーカーでもある。
- アンドレア Andrea Zuckerman (ガブリエル・カーテリス 声:水谷優子)
- ブランドンとは新聞部の同僚。ブランドンに長らく憧れの気持ちを抱く。ユダヤ系で、貧しい地区から密かに越境入学しており、ビバリーヒルズでは異質な存在。成績優秀な努力家。
- ドナ Donna Martin (トリ・スペリング 声:安達忍)
- おとなしいタイプの少女。医者の娘だが学習障害児だった。厳格なカトリックの家庭の出で、結婚まで処女を守り通すことを固く心に誓っている。演じるトリ・スペリングはこのドラマの制作会社の社長の娘である。そのためか、ドラマ当初は脇役として設定されたドナ役は、青春白書第10シリーズでは主役級の扱いになっていた。余談だが、ドナ役の安達忍は最初の頃のビバヒルは良かったですよねという含みを持った発言をインタビューでしている。
- デビッド David Silver (ブライアン・オースティン・グリーン 声:佐々木望)
- ブランドンらとは1学年下の弟分的存在。親友スコットの死を乗り越え、飛び級してブランドンらと一緒に卒業する。放送部在籍でDJ志望。歯医者である父がケリーの母と再婚したため、ケリーと義理の姉弟になる。アンドレア同様にユダヤ系。吹き替え版では台詞が敬語になり、ケリーを「姉上」と呼ぶ。佐々木望の声変わりと相まり少年的な声は影を潜め、後半は非常にクールで性格の尖った2枚目に変貌する。ディランに対して「友達に死ねと言っても良い時は?」等の暴言も驚かされる。シリーズ最終回は彼とドナの結婚で幕を閉じた。
- ナットさん Nat Bussichio (ジョー・E・タタ 声:星野充昭)
- 登場人物たちの溜まり場であるダイナー「ピーチピット」のオーナー。イタリア系。もともと医者志望だが、軍隊の料理人や役者という経歴を持つ。ブランドンたちに対する良き理解者であり、人生の先輩的存在。このドラマ共通の現象として、店の設定がコロコロ変わる。
- バレリー Valerie Malone (ティファニー=アンバー・ティーセン 声:日野由利加)
- ブランドン・ブレンダの幼なじみで、大学2年の時にビバリーヒルズのウォルシュ家に身を寄せることになる。