パラサイト・イヴ (ゲーム)
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『パラサイト・イヴ』は、1998年にスクウェアが発売したプレイステーション用ロールプレイングゲーム。1999年には続編であるアドベンチャーゲーム『パラサイト・イヴ2』が発売された。
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[編集] パラサイト・イヴ
パラサイト・イヴ PARASITE EVE |
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ジャンル | コンピュータRPG |
対応機種 | プレイステーション |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア |
人数 | 1人用 |
メディア | CD-ROM2枚 |
発売日 | 1998年3月29日 |
価格 | 6,800円(税抜) |
売上本数 | 日本:約99万本 海外:約77万本 |
同名の小説「パラサイト・イヴ」をゲーム化したものだが、ゲームの設定は小説の数年後で、舞台も小説では日本だったものがゲームではマンハッタンと異なっている。
内容としては、人間の中にいるもう1つの生き物、ミトコンドリアの反乱。 シリアスな内容でグロさもあり、またかなりダークなストーリーである。 戦闘はアクションRPGで、装備を改造し、2周目、3周目に引き継げるなどやりこみ要素もあるが、最大のやりこみ要素は77階建てのクライスラービルである。 ここには、2周目以降入ることができる。
このビルは自動生成、また、10階ごとにボスが存在するなどローグライクゲームとしてしっかり作られている。そして、77階にいるボスを倒すことにより真のエンディングを見ることができる。
ファイナルファンタジーVIIとファイナルファンタジーVIIIの間に発売され、当時のコンピュータゲームとしては最上級の美麗なムービーが話題を呼ぶ。また、海外のチームも参加しているため、少しXファイル色が感じられる。当時絶大だったスクウェアのブランド力もあり100万本近く売れた作品である。
[編集] 主なスタッフ
[編集] パラサイト・イヴ2
パラサイト・イヴ PARASITE EVE2 |
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ジャンル | コンピュータRPG |
対応機種 | プレイステーション |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア |
人数 | 1人用 |
メディア | CD-ROM2枚 |
発売日 | 通常版:1999年12月16日 ミレニアム版:2000年11月30日 PS one Books:2002年3月20日 |
価格 | 通常版:6,800円(税抜) ミレニアム版:3,800円(税抜) PS one Books:2,500円(税抜) |
売上本数 | 日本:約22万本 海外:約27万本 |
前作のファンのほとんどが待ち望んでいた続編であり、TVコマーシャルでのヒロインのシャワーシーンの美麗さも合わせ期待されたゲームだったが、あまりにもシステム上の変更が大きく、戸惑うプレイヤーも多かった。
特に大きく変更されたのはヒロインの操作方法で、前作のスティックを倒した方向にキャラが移動すると言う素直な操作方法ではなくなり、他社のゲームである『バイオハザード』に酷似した操作方法になってしまった。 バイオ・ハザードをやり込んだ者には何の違和感も無かったが、あくまで『パラサイト・イヴ』の続編としてプレイしていたものは、必ずしも歓迎していたわけではない。
[編集] システムの概要
既述のようにバイオハザード風の操作方法に変更され、戦闘もそれに合わせて変更された。プレイヤーはアヤ・ブレアを操作し、銃とパラサイトエナジー(魔法)を使いこなし、捜査を遂行していく。
システムの特徴と詳細
- ステージには弾薬箱が配置してあり、9mm弾が無限に補給できる仕様になっている。バイオハザードシリーズとは違い、残弾数を気にせず戦うことが出来る。
- アヤの存在に気づいていない敵に銃を構えるか、もしくは敵に最接近すると戦闘状態になる。勝つことが出来たら、経験値とBP(お金)が得られ、MPが少量回復する。相手にせず逃げることも出来るが、BPが減らされてしまう。尚、敵との戦闘中はアタッチメントのアイテム(アーマーに装備しているアイテム)しか使うことが出来ない。
- ゲーム開始時アヤはパイロキネシスしか使うことが出来ないが、経験値を使い、様々なパラサイトエナジーを復活・強化させることが出来る。
- ステージにはショップもしくは自販機がある。そこでBPを払い回復アイテム、装備、弾を購入することが出来る。装備に関しては銃とアーマーのみだが、銃は、拳銃や自動小銃など幅広く用意されており、それぞれに特徴がある。つまり拳銃であれば、威力は低いが、構えるのが早いと言う特長がある。アーマーはアイテムの装備数の多いもの、MPの付加が多いもの、特定のステータス異常を防ぐものなど、様々なアーマーが用意されている。
- エンディングはマルチエンディングで3つ用意されている。
- 一度ゲームをクリアすると、難易度の低いリプレイモード、難易度の高いバウンティモードが追加される。EXPを69001以上獲得してクリアすると、より難易度の高いサポートレスモードが追加され、サポートレスモードすらもクリアするとデッドリーモードが追加される。
- 必ずしもストーリとは関係のない多くの表示メッセージが、ゲーム世界に奥行きを与えている。
[編集] システムの大幅変更
なぜ二作目で『まったく別のゲーム』と言われるほどの大幅なシステム変更がされてしまったのか? オリジナル度の高いシステムへの変更であるならばともかく、わざわざ他社の有名ゲームに酷似しているシステムに変更するという不可解な行為は、第一作目のファンならずとも首をかしげる所であった。とは言え、そのアクション性の高さから、一部にはファンが多い。
[編集] 世界観
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 用語
- マンハッタン島封鎖事件
- M.I.S.T.("Mitchondrion Investigation and Suppression Team"、ミトコンドリア調査・鎮圧班)
- F.B.I.内の対N.M.C.機関。マンハッタン島封鎖事件以後、全米に散ったN.M.C.を駆除するため各主要都市に設置されている。
- N.M.C.("Neo Mitchondrion Creature")
- ネオ・ミトコンドリアと呼ばれる意識を持つようになったミトコンドリアに支配された生物。
- A.N.M.C.("Artificial Neo Mitchondrion Creature")
- アンミックとも。新しい人類の形態を模索すべく人工的に作り出されたN.M.C.。元は人間である。
[編集] 地域
本作の舞台となる街や建物は以下の通り。
- MISTセンター(M.I.S.T. Center)
- ロサンゼルスにあるM.I.S.T. 支部。計12名の捜査官が所属している。
- アクロポリス・タワー(Akropolice Tower)
- ロサンゼルス、ダウンタウンにあるショッピングセンター。屋上にはおいしいと評判のカフェ「パルテノン」がある。
- ドライ・フィールド(Dryfield)
- ネヴァダ地下実験場(NAVADA test site)
- ドライ・フィールドの裏手にあるシェルター。地下にはシャンバラがある。冷戦時民兵組織により作られたが、数年前ある企業に買い取られた。
- シャンバラ(Shambala)
- 『アーク(箱舟)』とも呼ばれる地下大規模温室。
[編集] 登場キャラクター
[編集] メインキャラクター
- アヤ・ブレア(Aya Brea) 年齢:27歳
- 主人公。三年前の前作で勤めていたN.Y.P.D.(ニューヨーク市警)を仲間への配慮から辞め、現在はM.I.S.T.でN.M.C.ハンターをやっている。活性化しているミトコンドリアの影響でその美貌は全く衰えを見せていないが、本人はそのことに僅かに空しさを憶えている。名前はプロデューサである坂口氏の娘の名前から付けている。
- カイル・マディガン(Kyle Madigan) 年齢:29歳
- ロサンゼルスの私立探偵(自称)。今作のキーパーソンの一人。
- ピアース・D・キャラダイン(Pierce D.Carradine)年齢:31歳
- M.I.S.T.所属の情報処理担当捜査官。元ハッカー。アヤに好意を寄せており、その想いから時折無鉄砲な行動を起こすが、そのことが事件解決の大きな手助けとなることも。
[編集] サブキャラクター
- ルパート・ブロデリック(Rupert Broderick) 年齢:37歳
- M.I.S.T.所属の捜査官。元FBIの捜査官。転職の理由は娘をN.M.C.に殺されたからだという噂があり、実際N.M.C.を目にすると普段の温厚な人格から一転し、残忍な人物になる。
- ジョディ・ブーケ(Jodie Bouquet) 年齢:24歳
- M.I.S.T.所属の火器管制担当官。アヤを慕っている。
- エリック・ボールドウィン(Eric Baldwin) 年齢:50歳
- M.I.S.T.を指揮する上級捜査官。非常に厳格な人物で『HAL』という異名を持つ。
- No.9
- アクロポリスタワー事件以後、何度もアヤの前に立ちはだかる謎の人物。異常なまでの身体能力を持っており、ガンブレードを所持している。
- ギャリー・ダグラス(Gary Douglas)年齢:56歳
- ドライ・フィールドで廃車解体業を営む隻脚の老人。愛犬フリントと共にN.M.C.から町を守っている。大変な銃器の蒐集家であり、アヤの武装面で大きな助けとなる。
- イヴ(EVE)
- アヤの夢に登場する金髪碧眼の謎の少女。
- ナギダ(Nagidam)
- アクロポリスタワーに爆弾を仕掛けた人物。
[編集] 他の作品との関連
[編集] 前作パラサイト・イヴ登場人物の扱い
- ダニエルは、料理が不味いという内容の回想メッセージでのみ登場。この扱いの悪さも、前作ファンの心証を悪くした。
- 前田は、彼の書いた論文についてのメッセージ一つとエピローグに登場。エピローグでは顔も登場し、ダニエルと比べると破格の扱いの良さである(さらには彼が開発した弾薬がゲーム中にも登場している)。
[編集] ファイナルファンタジーシリーズへのオマージュ
- クラウド・アンチウィルス
- 雑誌「エアリス」9月号
- 武器「ガンブレード」
[編集] 2001年宇宙の旅シリーズへのオマージュ
- 「HAL」というボールドウィンの異名。
- フロイド、チャンドラ、ボーマンなどの研究員の名。