パラケルスス
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パラケルスス(Paracelsus, 1493年か1494年 - 1541年9月24日)は、ヨーロッパ初期ルネサンス期の有名な錬金術師、医師、自然哲学者。本名は、テオフラストゥス・フィリップス・アウレオールス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム (Theophrastus Philippus Aureolus Bombastus von Hohenheim)。
スイスの巡礼地で有名なアインジーデルン(チューリッヒの南南東約35Km)に生まれる。
1525年、スイスのバーゼル大学の医学教授に就任。しかし、キリスト教を批判したために追放されて、放浪の医者となる。
ザルツブルクで没し、聖セバスチアン墓地に埋葬された。
「パラケルスス」とは、古代ローマで高名な医者であったケルススをしのぐ、という意味である。パラケルススは医者であり、完全な生命を生み出すために錬金術師になったと伝えられる。また、人造人間ホムンクルスをつくった、賢者の石を所持していたなどの伝説がある。
一説によると、タロットの大アルカナの1「魔術師」は彼がモデルともいわれている。ただしタロット自体は彼の誕生以前から存在していたので、後世になって、彼の神秘性から関連づけて考えられるようになったと思われる。
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[編集] 業績
[編集] 著作
3著作
- 『Volumen paramirum(ヴォルメン・パラミルム)』『奇蹟の医書』訳、大槻 真一郎 工作舎、ISBN 487502116X
- 病気の原因の五つ、自然因、天体因、毒因、精神因、神因が、人の心身から、宇宙までつながっていると説く。
- 『Paragranum(パラグラヌム)』『奇跡の医の糧』訳、大槻 真一郎,、沢元 亙 工作舎 、ISBN 4875023820
- 医術について述べた書。医術には哲学(自然の4元素が重要)、天文学(医療は天の運行に則る必要)、錬金術(アルカナ(エリクサー)が必要)の3基礎に神の意思に従う医師倫理が必要と説く。
- 『Opus paramirum(オプス・パラミルム)』
- 『聖餐論』
- 『アルキドクセン』
- 『妖精の書(ニンフ、シルフ、ピグミー、サラマンダー、ならびに霊的媾合についての書)』
[編集] 参考文献
- アレクサンドル・コイレ著、鶴岡賀雄訳『パラケルススとその周辺』白馬書房、1987年、ISBN 4891762071
- 種村季弘著『パラケルススの世界』青土社、1996年(新版)、ISBN 4791754573
[編集] フィクションへの影響
[編集] 漫画
- 『鋼の錬金術師』主人公のエルリック兄弟の父である「ヴァン・ホーエンハイム」のモデルである。
また、アニメ版では、「光のホーエンハイム」として登場する。
- 『ピルグリム・イエーガー』銀貨の一人として登場する。
[編集] ゲーム
- 『オペレーターズサイド』ヒロインがパラケルススの末裔という設定。
- 『メルクリウスプリティ』プレイヤーがパラケルススの弟子という設定。
[編集] 特撮
- 『轟轟戦隊ボウケンジャー』第41話にてアシュがホムンクルスを作り出すための材料の一つとして、「パラケルススの水銀」というものをダークシャドウに奪わせて使用してる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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