バックミンスター・フラー
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バックミンスター・フラー(Richard Buckminster Fuller, 1895年7月12日 - 1983年7月1日)は、アメリカ、マサチューセッツ州出身の建築家、数学者、発明家、思想家。現代のレオナルド・ダ・ビンチとも言われる。
独自の数学、物理学体系「エネルギー/シナジー幾何学」を構築。ジオデシック・ドーム(フラードーム)を発明。世界地図においても画期的なダイマクション地図を発明。 また、限られた資源を消費する一方の政治経済システムを批判し、地球経済や人類の活動を持続可能なものとするための「宇宙船地球号」の概念を提唱。
「炭素60」(C60)と呼ばれる炭素のクラスター状分子はジオデシック・ドームと同じ構造を持つことから、彼にちなんで「フラーレン」または「バッキー・ボール」と命名された。
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[編集] 年譜
- 1895年 7月12日アメリカ合衆国マッサチューセッツ州ミルトンに生まれた。
- ハーバード大学に入学、中退。
- 1917年 アメリカ海軍に勤務。メリーランド州、アナポリスの海軍兵学校入学。船の航海中航跡の泡から直観を得る。建築家ジェームス・モンロー・ヒューレットの娘アン・ヒューレットと結婚。
海軍の移動体、固定局間の無線通信実験に立ち会う。第一次世界大戦後除隊。長女アレクサンドラ誕生。会社勤めするも倒産。
- 1922年、ジェームス・モンロー・ヒューレット発明の「ストーケッド・ブロック」(軽量ブロック)製造発売を主とする会社を設立。同年、長女アレクサンドラ病死、失意により酒におぼれる。
- 1926年、事業に失敗、社長辞任。
- 1927年、次女アレグラ誕生。シカゴに移住。自殺を考えるもミシガン湖畔で回心。以後1917年の直観をもとに研究生活へ。「エネルギー/シナジー幾何学」をまとめる。
- 1930年、生命保険を解約しその資金で雑誌『シェルター』創刊。
- 1933年1月出資者の資金数千ドルによりコネチカット州ブリッジボードの元ロコモービル社工場を借り、27人でダイマクション・カーを開発開始。
- 1934年、シカゴ国際博覧会「進歩の世紀」で試作3号車展示。
- 1940年、バトラー社でダイマクション展開ユニット開発。
- 1944年、カンザス州ウィチタでダイマクション・ハウス「ウィチタハウス」制作実験。
- 1947年、ジオデシック・ドーム発明
- 1959年、南イリノイ大学の教授に就任。
- 1983年7月1日、ロサンゼルスで死亡。88才。同年、妻アン死亡。
[編集] 著作
- 『宇宙船地球号操縦マニュアル 』(改題:宇宙船地球号)筑摩書房 ISBN 4480085866
- 『テトラスクロール 少女ゴールディと3匹の熊たち』めるくまーる社 ISBN 4839700230
- 『バックミンスター・フラーの宇宙学校』めるくまーる社 ISBN 4839700389
- 『バックミンスター・フラーのダイマキシオンの世界』鹿島出版会 ISBN 4306040836
[編集] 関連書籍
- 『宇宙エコロジー―バックミンスター・フラーの直観と美』R・バックミンスター・フラー原著、梶川 泰司 著 美術出版社 2004年 ISBN 4568600324
- 『クリティカル・パス―人類の生存戦略と未来への選択』バックミンスター・フラー、 梶川 泰司 訳 白揚社 ISBN 4826900848
- 『バックミンスター・フラーの世界―21世紀エコロジー・デザインへの先駆』Jay Baldwin 原著、ジェイ ボールドウィン 著、梶川 泰司 訳 美術出版社 ISBN 4568600316
- 『フラーがぼくたちに話したこと』 R・J・ブレネマン編
- 『バックミンスター・フラーデザイン・ヒーローズ』マーティン・ポーリー 鹿島出版会 ISBN 4306093271
[編集] 関連項目
- ドーム建築
- 宇宙船地球号
[編集] 外部リンク
- Synergetics幾何学的な構成を持つ著書「Synergetics」のWeb版
- 適正技術研究会
- デザイン! What's design?バックミンスター・フラー特集
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