ニクソン大統領の中国訪問
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![北京でニクソンと会談する毛沢東](../../../upload/shared/thumb/c/cb/Nixon_Mao_1972-02-29.png/280px-Nixon_Mao_1972-02-29.png)
北京でニクソンと会談する毛沢東
ニクソン大統領の中国訪問 (~だいとうりょうのちゅうごくほうもん)とは、1972年2月29日にアメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソンが中華人民共和国を電撃訪問した事件である。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 中ソ対立
第二次世界大戦後の1949年に成立した共産主義政府である中華人民共和国(以下「中国」と表記)は、ソビエト連邦を筆頭にした共産陣営に属し、アメリカとは冷戦を背景に対峙する関係にあった。しかし、独裁者であるヨシフ・スターリンの死後登場したニキータ・フルシチョフ首相との間に巻き起こった中ソ対立で、これまで友好関係を維持してきた中ソ間にも不協和音が生じ、中国はソビエト連邦とは一定の距離を置く独自の路線を歩みつつあった。
[編集] 電撃訪問
そこへ、アジアにおいてベトナム戦争という代理戦争を行うなど、ソビエト連邦との間で深刻な対立を続けるアメリカが接近し、まもなくヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官が水面下で中国政府との交渉を進め、1972年2月にニクソン大統領が北京を訪問し毛沢東主席と会談した。1949年に共産政府が成立して以降のアメリカ大統領の中国訪問はこれが最初であった。
これに先立つ1971年7月に中国訪問を表明した際には、電撃的な発表であったため世界をあっと驚かせた。
[編集] 国交樹立
アメリカはそれまで蒋介石率いる中華民国を中国の正当な政府として、中国共産党政府(北京政府)を承認していなかったが、この訪問で米中共同声明を発表し、北京政府を事実上承認した。その後、ジミー・カーター政権時代の1979年1月にアメリカと中国の間で国交が樹立された。