ツギハギ漂流作家
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『ツギハギ漂流作家』(つぎはぎひょうりゅうさっか)は、週刊少年ジャンプ2006年10号から32号まで連載されていた西公平作の少年漫画作品。単行本は全3巻。
目次 |
[編集] あらすじ
物語の舞台は、漂流録が全出版物の95パーセントを占める世界。その漂流録の神様と言われる、「フジワラ・ノ・フヒト」の弟子を自称する漂流作家「吉備真備」が秘境を旅する冒険ロマン。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
この物語の登場人物の名前は、主に歴史上の人物の名前からとられている。
- フジワラ・ノ・フヒト
- 漂流録の神様といわれる作家で、世界地図を何度も変えるほどの発見をしてきたが、現在は行方不明となっている。名前の由来は奈良時代の権力者藤原不比等。
[編集] ソガノ出版
- 吉備真備(きびの まきび)
- 主人公。漂流録の神様と言われる「フジワラ・ノ・フヒト」が最後に記した幻の漂流録を持っており、彼の弟子を自称する。漂流作家を志し、漂流録を書くため世界を旅している。ツギハギだらけの服を着ており、持ち物は傘とインク・紙・羽ペンだけであり、非常時にはその傘を武器として戦う。自身の初作品を書いてチヨルダ国ジンボータウンにやってきた。落し物が多く口の悪い少年だが、漂流録にかけては雄弁で自身の考えを持っている。しかしあまりにも空気が読めない。攻撃時の掛け声は「アンブレラァッッ!!」名前の由来は奈良時代の学者の吉備真備。
- ミツネ
- 橘諸兄(たちばな もろえ)
- 「吉備真備」の担当編集者。元は大手の出版社で多くのベストセラーを生み出していたが「フジワラ・ノ・フヒト」との旅を境に作家に厳しくなり、そのために会社を追われた。その後は数々の出版社を経て「ソガノ出版社」に採用される。その厳しさにより、ことごとく新人作家を潰していたが真備の力を認め、担当となった。名前の由来は奈良時代の政治家の橘諸兄。
[編集] 室町杯参加者
[編集] その他
[編集] 設定
- 漂流作家
- まだ解明されてない場所や物、生物などさまざまな研究素材を自らの冒険によって掴み、漂流録という本に書き表す職業。
- 編集者
- 作家と手を組み、作家の見つけた発見素材の虚実を立証する職業。
- 命具
- 作家の武器、簡単にいえば個人の能力に著しく適合する道具のこと
- (人の力の延長線上にある考え。)
- ヒット
- 命具の攻撃技の一つ。ある程度の上級クラス攻撃。(諸兄・犬上などが使用)
- スマッシュ
- 命具の攻撃技の一つ。とても高度な攻撃で打てるものはほとんどいない。(フヒト・真備などが使用)
命具で登場人物の能力差を描こうとしたと思われるが、地味さのためかヒット・スマッシュという攻撃技が出てきた。しかしこれにより、どんな命具でもその命具らしさを無視して、強い攻撃=ヒット(直接打撃攻撃)・とても強い攻撃=スマッシュ(射撃攻撃)になってしまい、命具による差がなくなってしまった。
[編集] 評価
この作品は、一部のジャンプ読者からオリジナリティーの低さやONE PIECEを始めとする他の漫画との類似点を囁かれ非難されている。実際、パクリ元といわれる漫画の設定やキャラクター像が、それほど奇異であったり独創的なものではなく、ある種の典型的なヒーロー・ヒロイン的要素を持ったキャラクター達なので、意図せずに「安易に売れ筋・典型的なキャラ設定をしてしまった」という結果が、パクリや盗作と言われる所以になったとも考えられる。これはストーリーにも言える事である。
- 絵柄及びストーリーの概要が尾田栄一郎の初期の作品に似ている。
- ストーリー構成がONE PIECEに似ている。
- 主要人物の吉備真備・橘諸兄・犬上御田鍬がそれぞれONE PIECEのルフィ・サンジ・ウソップの性格、容姿に似ている。 また、ミツネは容姿こそ似ていないが、性格が同じくONE PIECEのナミに似ている。ちなみに犬上御田鍬は同じくONE PIECEのバギーに似ているとも言われ、バギー+ウソップでバギップという新たな名前がネット上で誕生した。
- 登場人物の犬上の担当伊勢がBLEACHの登場人物伊勢七緒、ONE PIECEのたしぎとキャラが被る。
- 大江和泉が、ONE PIECEのロビン、同じくジャンプで連載中のムヒョとロージーの魔法律相談事務所の今井玲子に容姿、性格が似ている。
- 背景の描き方が岸本斉史 に似ている。
- 登場人物の隠岐がNARUTOの登場人物大蛇丸に似ている。
- 登場人物の大伴継人がNARUTOの登場人物我愛羅に、その担当(現在名前不明)が週刊少年サンデー作品烈火の炎の登場人物門都にそれぞれ似ている。
- 物部守屋が謎の村雨くんの村雨クナイに似ている。
- 阿弖流為が、容姿がドラゴンボールのフリーザと大泥棒ポルタのポルタに似ている。その為ネット上では、ポルタ+フリーザでポルーザという呼称が作られた。しかし実際にはフリーザというよりはセルかメルエムに似ている。
- セリフの内容こそ違うがHUNTER×HUNTERの物とほぼ同じ印象を受ける場面がある。
- セリフ回しにパタリロ!と似通った印象を受けるものがある。
この事から「オリジナリティーが無い」「見たことあるようなアリガチな漫画」「ONE PIECEのパクリ漫画」「盗作」「偽典」「黒歴史」「ジャンプの暗黒時代の象徴」と批判・罵倒されている(もっとも、もともとパロディー作品なので、似た部分が多くなるのは必定、と言う同情的な意見も存在する)。他にもキャラクターの行動や描写に矛盾が生じたり、思いつきで取って付け足したようなシーンがあるという指摘、歴史上の偉人の名前をそのまま使う事が偉人達に対する冒涜だ、ひねりがなく、見ていても腹が立つという声もあり、また、腐女子を露骨に狙ったかの様なシーンや台詞などにも批判の声が高まっている。以上の理由により、アンチ(特に2ちゃんねるを初めとするネット上)が多い。
しかし西はこの作品が初連載ではあるものの、アシスタント歴は短くないため、原因は本人のストーリー、設定作りの拙さよりも、編集部の意向ではないかという噂もある。この作品自体が、他作品の“ツギハギ”を意識して、意図的に作られているという意見も出た程である。
このように、差異化の失敗によってこの作品独自の魅力を提示できなかった事が読者人気の低下をさらに促進させる事になり、結局2006年32号で連載は打ち切りとなった。そして、11月に発売された単行本第3巻に書き下ろした外伝をもって完結となった。
数少ないオリジナルギャグの一つに、オチのコマに対して使用される「ピーブー」という擬音がある。
しかし、最終回に真備が自分の村の村長に言った名言はなかなか評判が良い。
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