ザ・リッツ・カールトン
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ザ・リッツ・カールトン (Ritz-Carlton) は世界規模でホテル・チェーンを展開するホテルブランドのひとつ。マリオット・インターナショナルのホテルブランドのひとつではあるが、ブランドの成り立ち上特異的であるため従来のマリオット・インターナショナルに属しているホテルブランドとは一線を画した運営を行っている。また自らホテルを所有するのではなく、ホテルの運営のみ携わることもある。
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[編集] 歴史
1898年、セザール・リッツが、パリに創業した「ホテル・リッツ」と1899年ロンドンに開店した「カールトン・ホテル」が上流階級を中心に高い評価を受けたのをきっかけに、北米に一流のサービスを提供するホテルを展開する為に1905年設立。ニューヨーク、フィラデルフィア、ピッツバーグ、モントリオール、1927年にはボストンに展開するも第二次世界大戦を境に規模を縮小していく。
1983年、W.B.ジョンソンが運営する「モナーク・ホテル」がボストンの「ザ・リッツ・カールトン・ホテル」を買収。この際同時に「ザ・リッツ・カールトン」という名称の北米での使用権を取得(同時に社名を「ザ・リッツ・カールトン・カンパニー」へ変更)。その後北米を中心にホテル展開を進めるが、1998年にマリオット・インターナショナルの傘下に加わり、世界各地でホテル展開をしている。日本では1997年に大阪にオープン、2007年度中には東京、2009年には横浜にもオープンする計画がある。
[編集] 特徴
- 従来からある由緒ある建物を利用したり、何も無い場所にホテルを建築する方法をよく取る。また地域住民の感情に配慮した設計を行う事も多い。
- 従業員は常にサービスの基本精神が書かれている「クレド」というカードを携帯している。
- 従業員自らの判断で一日2,000米ドルまでの決裁権が認められている。
- 従業員を採用する際、ザ・リッツ・カールトン独自の人材採用システムを用いる。経歴や経験などを重視せず素質を重視した面接を行うため、採用までに長期に渡って時間をかける場合がある。
ザ・リッツ・カールトンの社風などをきちんと理解して入社できるというメリットがある反面、アルバイト・契約社員を採用する際も同じ面接を行うのでコストがかかりすぎる事と、即戦力になりうる人材を確保しにくいというデメリットもある。
[編集] 日本の「ザ・リッツ・カールトン」
- 大阪
- 大阪市北区梅田にある「ハービスOSAKA」のテナントの一つとして入居。阪神電気鉄道の子会社である「株式会社阪神ホテルシステムズ」が経営を行い、「ザ・リッツ・カールトン・カンパニー」が運営を行う。ハービスOSAKAの24階から37階までの高層階(主に客室)と1階から6階までの西側低層階(結婚式場、宴会場、レストランなど)に分かれている。地上西側に入口があるものの、地下2階に大阪駅・梅田駅・西梅田駅や地下街へ直通する連絡口があるため、鉄道利用者はそちらからの方が便利。
- エレベーターやエスカレーターなどがわかりにくい場所にある。これは機械的なものを見せないようにするためで、そのため正面玄関には自動ドアを設置しておらず常にドアマンが開閉している。
- 阪神電気鉄道の子会社であるが故に阪神タイガースが優勝した際には祝賀会開場として同ホテルのプールが使用される。
- 東京
- 横浜
- 横浜開港150周年(2009年)を目処に開業予定。場所はみなとみらい21新港地区(赤レンガパーク近く)。