アルバイト
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アルバイト(独語からの外来語: Arbeit)は、就労形態の一種で、正社員と比べて短期間で低賃金である事を特徴とする。期間契約社員の一種。日常会話などではバイトとも略される。
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[編集] 概要
辞書等では学業や本業のかたわらにする仕事であると記載されていることが多いが、一般に期間契約社員、特に未婚で年齢の若い社員を指す言葉であり、主婦のかたわらにする場合はパートタイマー、それ以外は単に契約社員と呼ぶことが多い。 日本において「アルバイト」と「正社員」の区別は慣習的なものである。単に企業がそのように呼び分けているだけである。法的にはどちらも労働者であり、単に労働時間や契約期間が異なるに過ぎない。アルバイトでも年次有給休暇を始めとする労働者としての権利は正社員同様に行使出来るし、会社が正社員に提供する福利厚生などの対象にもなっておかしくない。実態として対象となっていない事が多いのは単に「会社の方針として対象としていない」だけである。このような待遇格差に関しては、「アルバイトだから」のようなアルバイトと正社員に法的な区別があるように誤認させる発言でなんとなく納得させられている場合が多い。
区別が慣習的なものに過ぎない以上、アルバイト並みの待遇の正社員や正社員並みの待遇のアルバイトもいておかしくないが、以下では典型的なアルバイトおよび正社員の待遇について述べる。
給与の支払いは、正社員の場合月給や年俸制が多いのに対し、アルバイトでは時間給や日当で支払われる事が多い。主に学生が多く、勤務時間もフルタイムに近いケースもある。主婦のアルバイト(一日の内数時間の勤務)を「パートタイマー」と呼んで区別する事もあるが、法的な区別はなく、単に企業がそのように呼び習わしているだけである。
日本では年間の収入合計が1,030,000円を超えた場合、所得税を納める義務が発生する。
他の国では、日本でいう所の”アルバイト”や”パート”が存在しない国も多い。いわば、全員が正社員でもアルバイトでもない労働者で、働く時間の短い者と長い者がいるという感覚である。
[編集] アルバイトの職種・業種
アルバイトの職種・業種は、第三次産業が多い。これは第三次産業の活動が、機械設備等よりも労働力に依存することが多いためである。例えば、下記のようなものがある。
- コンビニエンスストアや各種量販店、販売店の販売スタッフ・店員
- コールセンター(カスタマサポートセンター)のオペレータ
- 居酒屋やレストランなどの飲食店スタッフ(調理系は除く)
- 映画館やゲームセンター、遊園地などのアミューズメント従業員
- 交通量調査などの各種調査員
- キャンペーン・イベントコンパニオン
- スポーツジムのインストラクター
- 工場内作業、建築作業、引越し作業などのいわゆるガテン系
- 等
[編集] アルバイトの過剰需要
以前は、アルバイトといえば学生といったイメージが強く、学業期間が終われば正社員になるケースが多かった。しかし、就職氷河期の到来や、若年退職者の増加、不況による待遇の格下げにより、学業期間が終わったのにも関わらずアルバイトをする人間が出現した。これがフリーターである。雇用側は給料以外の諸手当・経費がかからないフリーターを使う事を学んだあげく、アルバイトをするフリーターに依存する形のビジネスモデルを作りあげてしまった。世にアルバイトが多いのはこういった理由もある。
[編集] 語源
アルバイトという言葉は、ドイツ語で「労働」を意味する名詞のArbeitに由来する。明治時代に学生の間で使われていた隠語が、一般に広まったものである。英語ではパート・タイム・ジョブ (part-time job) やサイド・ジョブ (side job) 等という。ドイツ語で Arbeit といえば労働全般を指し、アルバイトの事は英語からの外来語でジョブ(Job)という。
[編集] アルバイトの探し方の変遷
Webの普及とともに、求人サイトとよばれる、アルバイトの求人募集を網羅したサイトがポピュラーになっている。加え、求人雑誌もフリーペーパー化が顕著で、求人情報の入手経路は多岐かつ無料化が進んでいる。かつては、求人誌は有料、店頭での直接応募などがポピュラーであったが、インターネットの普及と同じく、求人情報へのコスト意識・若年層のアルバイトの探し方にこのような変化があった。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
特記の無い物は日本の組織・機関である。