サンダーフォース
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『サンダーフォース』(THUNDER FORCE)はテクノソフトの開発したシューティングゲーム。もしくはシリーズの総称。
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[編集] 概要
2005年現在、シリーズとして登場した作品はI~Vに大別される5つ。移植時に若干のアレンジが行なわれたケースが多い。
元はパソコン用オリジナルのシューティングゲームのシリーズだったが、メガドライブの性能を限界まで活用する高品質なシューティングゲーム製作技術が評価される。
メガドライブを代表するシューティングゲームシリーズという位置づけにある。
[編集] シリーズ変遷
[編集] サンダーフォース
(ここではシリーズ全般を扱うため、一作目を便宜的にIと呼ぶ)
- 1983年~ X1、PC-8801mkII、PC-6001mkII、MZ-1500、IBM-JX(それぞれ発売年月日は異なる)
- 1984年 - 『サンダーフォースコンストラクション』 PC-9801、FM-7 マップ編集機能を追加
8方向任意スクロール2ボタン(ショットは対空・対地の2種)。
ステージ内に点在する指定目標を破壊することでステージ後半(要塞)が開始。要塞中心部を破壊すると次のステージへ進む。
メインBGMはロッシーニのウィリアム・テル序曲。音声合成で「サンダーフォース」と喋る演出もあった。
[編集] サンダーフォースII
8方向移動と2ボタン(ショット、武器切り替え)。
X68000版では面前半が8方向任意スクロール・後半が強制横スクロール。メガドライブ版ではそれぞれを別の面とカウントし、奇数面が8方向任意スクロール・偶数面が強制横スクロール。
アイテム回収によるパワーアップ要素がある。
獲得した装備はボタンでいつでも切り替えることが可能。
[編集] サンダーフォースIII
8方向移動、3ボタン(ショット、武器切り替え、移動スピード調節)。IV以降に引き継がれる。
III以降は8方向スクロールが無くなり、全編横スクロールとなった。また、IIでは固定だった自機の移動スピードを任意で切り替えられる。
概ねIIの横スクロールステージと同じ。上下左右への変則的なスクロールが頻繁に登場する。
アーケードに逆移植されたACはIIIがベースになっているが、画面構成やBGMの編曲が変更されたり、4面はAC独自のもの、5面はII MDの8面(ただし、ボスキャラクターはIIIの5面ボスのまま)になっているなど、IIIをそのまま移植したものではない。
サンダースピリッツはACからの移植版だが、6面と最終面はオリジナルとなっている。
[編集] サンダーフォースIV
概ねIIIを踏襲。
後半ステージで装備される武器は強力な溜め撃ちサンダーソード(R-TYPEの波動砲を参照)が導入。ラスタースクロールを高度に制御した演出が行なわれている。音源を駆使したハードロック/ヘヴィメタルBGMは非常に重厚で、ゲーム内容と共にメガドライブ作品の中でもトップレベル。
[編集] サンダーフォースV
- 1997年7月11日 - セガサターン
- 1998年5月21日 - 『サンダーフォースV PERFECT SYSTEM』 プレイステーションへの移植版。ムービーが強化。ラスタースクロールなどの演出の一部は機能上の制約から削られている。
概ねIVを踏襲。中には過去のシリーズを彷彿とさせる演出もある。
時代の流れに従い、全編ポリゴンによる描画と多くの派手な演出が行なわれ、当時のアーケードゲームに勝るとも劣らずの評価。またセガサターン専門誌セガサターンマガジンの、発売中のサターンソフトの中でユーザーが選ぶランキングで、シューティングゲームというジャンルにも関わらず全ジャンルを差し置いてシューティングゲーム史上初の7週連続一位に輝く栄誉を手に入れた。
全ての武器にオーバーウェポンが導入。ボタンを押すことで一時的に強力な攻撃を行なえるというもの。ロボットアニメさながらのビジュアルを伴う大型機との合体シーンの後、敵艦隊を文字通り蹴散らす場面がある。
Vがもう一つ大きく評価される点として、九十九百太郎による爽快なテクノサウンドが上げられる。前作からの曲を多く活用しているのが特徴で、以下の曲を再活用した。
- 「Legendary Wings」(1面):「III」の1面BGM・「Back to the fire」のテーマ部を曲の終半に挿入
- 「Attack Point 2」(PERFECT SYSTEMで追加):「II」の1面BGM・「Knights of legend」を編曲
- 「Dual of top」(5面ボス):内容にふさわしく「IV」のオープニングBGM「Lightning strikes again」のテーマ部を繰り返し
- 「Record of fight」(番符の名前入力(1位)):「III」の7面BGM・「Hunger made them desperate」のテーマ部を繰り返し
- 「Tan.tan.ta.ta.ta.tan」(番符の名前入力(1位以外)):「II」では開始時、「IV」ではオプション画面のBGMで、ほぼそのままで少し編曲した程度
- 「Dead end」(ゲームオーバー):「III」と「IV」でもゲームオーバー曲で、ほとんどそのまま
旧曲を再活用した曲も新しい曲もサンダーフォース史上1、2を争う名曲群と言われ、アレンジされたサウンドトラックなども登場している。
[編集] サンダーフォースVI
- 2007年発売予定 - Windows
雑音工房にて製作されていたサンダーフォースVIが頓挫した後、Factory Noise&AGから同人流通音楽CDとして発売されたブロークン・サンダー・プロジェクト・サンダーフォースVI。名前にサンダーフォースVIの名前があることから分かる通り、今後発売予定のブロークン・サンダー・プロジェクト・サンダーフォースVIのサウンドトラックCDという形式になっている。
ライナーノーツには、長崎繁が「来年にはゲーム本編もお手元に」と言及しているので、発売は2007年となると予想される。
今回はFIRE LEO-03 STYX、FIRE LEO-04 RYNEX、RVR-01 Gauntlet EX-CUSTOM、RVR-02 Vambrace CUSTOMの4機が登場。前者2機はパイロットと共にナビゲーターが搭乗、後者2機はパイロットのみ搭乗する。因みに、RVR-02には前作主人公のセネスが搭乗している。前作と死亡回数が同じため、Vの後救助されたと考えられる。
[編集] 復刻版
『サンダーフォースゴールドパック』1、2
[編集] 音楽
- I - ロッシーニのウィリアム・テル序曲(著作権保護期間切れのクラシック音楽)
- II - TMO
- III - TMO、Funky Surounin
- IV - Funky Surounin、OMEN
- V - Tsukumo Hyakutaro。ハードロック、ヘヴィメタルを主体とする。
- メガドライブで発売されたIIIとIVは、ハードウェアの内蔵音源で高品質なエレキギターの再現を行いDTM界隈の話題となった(VはMIDI音源Roland SC-88Proによる外部録音のストリーム再生)。
- しかし「IVのディストーションギター音色の作り方を古代氏に聞かれた」などと語っていた九十九は、IIIとIVには実はほぼ関与していないという山西・吉田両音楽担当の告発があり、虚言を弄したという理由で九十九の所属する「雑音工房Noise」は活動を一時停止。その後、名称を「NoBrandSounds」と改め現在に至っている。
[編集] その他
テクノソフトが表舞台から消滅した後、Vの音楽担当である九十九百太郎らが雑音工房Noise、NoBrandSoundsでのサークル活動の一環として『サンダーフォースVI』を同人ゲームの分野で開発していたが中断(詳細は不明)。2005年には規模縮小しVのアレンジアルバム『Lost Technology』を発表。同人専門店で取り扱われている。
また、スタッフの一部はセガサターン用シューティングソフト『バルクスラッシュ』を制作している。
とある個人サイトでは、Vをベースとしたクローンゲームとして『AquaCube』が作られた。
2006年9月末にとらのあなで配布されているフリーペーパーに、「BROKEN THUNDER」という小説が載せられている。
[編集] 外部リンク
- TMO M's Factory 作曲者・TMO(大谷智巳)のウェブサイト
- 有限会社Factory Noise&AG