ゴールキーパー (火器)

ゴールキーパー

ゴールキーパーは、オランダのシグナール (Signaal) 社製、艦艇用近接防御火器システム（CIWS）。名称は、サッカーのゴールキーパーに由来する。

[編集] 概要

SGE-30ゴールキーパーは、広域艦隊防空システムの網を突破した対艦ミサイル等を数キロオーダーの範囲での迎撃・撃墜を任務とする近接防空火器。個艦防衛の要。オランダ海軍の要求に基づいて1975年から開発され、1980年から配備されている。

米国製7銃身30mmガトリング砲とシグナール社が開発したFlycatcher FCS、Iバンドの探索レーダー、X/Kaバンドの照準レーダーから構成される。

類似のシステムに、アメリカ海軍・海上自衛隊等で使用されているファランクス・システム等がある。

なお、シグナール社は、1990年にフランスのThomsonCSF（トムソンCSF）社に買収されてThomson-Signaalとなり、2000年にトムソンCSF社が社名をタレス (Thales) 社に変えたため、Thomson-Signaal社は現在Thales Nederland社となっている。

機関砲

弾倉

その他

著名なCIWSであるファランクスと比較して、以下のような点があげられる。

2倍ほど高価。
設置に困難。装置が大きく、甲板に穴を開ける必要があるため。（ファランクスは、ボルト止め程度で設置可能）
採用国が少ない。本国オランダ海軍の他、イギリス海軍、韓国海軍、アラブ首長国連邦などへ、2000年まで55セットが出荷されている。
ゴールキーパーは弾薬としてAPDSの他、焼夷榴弾が使用できる。
ゴールキーパーのFCSはファランクスとは異なる管制ロジックを持つ。ファランクスは目標破壊まで射撃を続けるが、ゴールキーパーでは一回のバースト射撃（70発、およそ一秒）で目標を破壊したものと見なして、次の目標との交戦を開始する。多数の目標と同時に交戦可能だが、目標破壊の確実性は落ちる。