キャスビレッジ
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キャスビレッジ(cas village)は、外食産業の寵児であり、「マネーの虎」の一人小林敬のプロデュースにより、2001年に閉鎖したテーマパーク「長崎オランダ村」跡(長崎県西海市)を改装して、2005年3月19日オープンした食事施設。
和食、洋食、中華料理のレストラン、ファストフード店など12店舗をはじめ、結婚式場や、食器・調理器具などをそろえたショッピング施設を整備。施設周辺の豊富な食材をその場で調理・販売・消費する「地産地消」を前面に掲げ、初年度の集客50万人、売上高19億円をめざした。
しかし過剰な設備投資(旧オランダ村の改築費に15億円以上)に加えて集客が思うように伸びないなどビジネスプランに破綻をきたし、開業からわずか半年あまり後の2005年10月3日、運営会社のCASジャパン(本社西海市、小林敬代表取締役)が自己破産。即日閉鎖され、100数十名の従業員は全員解雇された。
キャスビレッジの破綻で、2006年春(のちに計画変更で2007年春)に同所でオープン予定だった調理師学校の開校も暗礁に乗り上げた。
[編集] 長崎オランダ村
長崎オランダ村は、西彼町(現・西海市の一部)の役場職員であった創業者の神近義邦が1983年に開園した。神近の「長崎県にゆかりの深いオランダの街並みを、路面に敷かれたレンガ一つまで忠実にそっくりそのまま大村湾の入江に再現する」という大胆なコンセプトは、バブル景気と湾岸戦争による国内旅行需要増加も手伝い、長崎観光の新しい目玉に成長した。村上龍の小説「長崎オランダ村」の題材にもなり知名度も高まった。また1985年に放映された特撮番組電撃戦隊チェンジマンでは、ロケ地として使われて2週連続放送されている。1992年には同じコンセプトのまま規模を拡大して佐世保市にハウステンボスとしてオープン。長崎オランダ村はハウステンボスのサテライトパークとして開業を続けたが、ハウステンボスの経営不振などによって2001年10月21日に閉園し、跡地の利用が課題となっていた。
その後、地元の期待を一身に背負って華々しくオープンした「キャスビレッジ」が2005年春の開業後、わずか半年あまりで閉鎖に追い込まれた。再び、跡地の用途が問題となってきている。
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