かまいたちの夜
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かまいたちの夜 | |
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ジャンル | サウンドノベル |
対応機種 | スーパーファミコン プレイステーション ゲームボーイアドバンス PC各種 携帯アプリ |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | チュンソフト |
人数 | 1 |
メディア | [SFC]Mbitカセット [PS]CD-ROM1枚 [GBA]Mbitカセット [携帯]iアプリ |
発売日 | [SFC]1994年11月25日 [PS]1999年12月3日 [GBA]2002年6月28日 [FLASH]2002年7月1日 [携帯]2004年1月30日 |
売上本数 | 約100万本 |
『かまいたちの夜』(かまいたちのよる)は、チュンソフトから発売されたゲームソフト。
1994年11月25日にスーパーファミコン用のサウンドノベルとして発売された。
同社のサウンドノベルシリーズの第2弾である。
背景の上に文章が表示され、時折現れる選択肢を選んでいくことで様々な物語が楽しめるサウンドノベル作品。スキー場と雪山のペンションを舞台に、そこで起こる不可思議な殺人事件の謎を解く事が目的。
目次 |
[編集] 作品解説
スキー旅行に出かけた主人公・透とその友人・真理が、滞在先のペンション「シュプール」で起こる陰惨な殺人事件に巻き込まれるゲームである。前半はミステリー物として展開し、プレイヤーが事件を解決できないでいると次々と殺人が起こり、ホラー的なエンディングへと進行していく。
ある程度エンディングを見ると、アナザーストーリーとしてオカルトタッチな「悪霊編」、サスペンスタッチの「スパイ編」が楽しめ、それらのエンディングをトゥルーエンディング、バッドエンディング含め全て読み終わるとセーブデータ(栞という体になっている)がピンク色に変わり、更にセルフパロディ的な「Oの喜劇編」、「宝探し編」、さらにある条件を満たすとその先に『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』のパロディである「不思議のペンション編」が加わる。それぞれ全く毛色の異なるシナリオで、登場人物は一緒でも設定が大幅に異なる。前作の『弟切草』と似た手法であるが、今作ではシナリオは完全に「分岐」するため、整合が取れない展開をすることは無くなった。
中嶋康二郎、加藤恒太によるBGMは人気を集め、報道番組やワイドショーなどでも(主に殺人事件など、当時は時節柄オウム真理教関連の報道などで)しばしば使用され、現在でも時々犯人入力時の音楽が使われることがある。
[編集] 登場人物
- 透(とおる)
- 本編の主人公(名前変更可)。続編『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』及びCDドラマで「矢島」という姓が付けられたが、この時点では名前のみ。大学生。同じ大学の真理に果敢にアタックするも、手ごたえに乏しく一人相撲かと思っていたところ、彼女のほうからスキーに誘われ信州にやってきた。3つのシナリオで唯一大幅に設定が変わらない。
- 真理(まり)
- 本編のヒロイン(名前変更可)。透と同じ大学に通っており、叔父が信州で経営するペンションに誘う。透のことを憎からず思っているも胸の内はまだ不明。
- 小林二郎(こばやし じろう)
- ペンション「シュプール」のオーナー。真理の叔父。脱サラしてペンションを開業する。料理が大の得意。
- 小林今日子(こばやし きょうこ)
- 小林二郎の妻。柔和な性格なためか、人を疑ったり喧嘩や争いをすることを嫌う。料理の腕は絶望的。
- 香山誠一(かやま せいいち)
- 大阪で会社を興している。中年小太りで豪放な関西弁と、まさに関西人のステレオタイプ。意外に気の弱い一面も見せる。
- 香山春子(かやま はるこ)
- 香山誠一の妻。物静かで線が細く、薄幸そうな美人。
- 久保田俊夫(くぼた としお)
- ペンションで住み込みのアルバイトをしている自称大学六年生。単位そっちのけでスキーに熱中しているスポーツ青年。
- 篠崎みどり(しのざき みどり)
- 同じくペンションで住み込みのバイトをしている。ポニーテールで見た目では年齢不詳だが20代のよう。久保田俊夫とは浅からぬ関係にあるらしい。
- 渡瀬可奈子(わたせ かなこ)
- OL3人組の1人。ロングヘアーで若干軽そうなイメージがある。勝気な性格。
- 河村亜希(かわむら あき)
- OL3人組の1人。ソバージュのかかったショートヘアに眼鏡をかけている。
- 北野啓子(きたの けいこ)
- OL3人組の1人。ぽっちゃりしており、食べ物が美味しいからとシュプールを選んだ食いしん坊。
- 美樹本洋介(みきもと ようすけ)
- 長身で髭をはやしたフリーカメラマン。人当たりが良い。
- 田中一郎(たなか いちろう)
- スキー場に来てロングコートに帽子にサングラスをつけている不審人物。
- ジェニー
- 「シュプール」で飼われている猫。透たちが訪れた当初は行方不明になっていた。
[編集] かまいたちの夜が残したもの
サウンドノベル第一弾の前作『弟切草』では、そのジャンルの可能性を大きく見出していたものの、前後に矛盾を生じさせながらバラバラに進んでいくスタイルからか、一般のユーザーから広く支持されるには至らなかった。
そして、本作『かまいたちの夜』で文章単体でも読める濃密なミステリーに加え、ゲームだけが出来る複雑なシナリオ分岐とフラグ管理によってサウンドノベルを一つの形として昇華させた。商業的にも大成功を収めたことにより、『学校であった怖い話』や『夜光虫』等の数多の模倣を生み、PCゲームにも影響を及ぼした。
現在、ノベルゲームは様々なジャンルに細分化されて生まれているが、全ての元を辿れば『かまいたちの夜』につながることになる。まさしくこの無意識の繋がりはサウンドノベルシリーズ第三弾の『街』に通ずるものがあり、興味深い現象かもしれない。
[編集] あなただけの『かまいたちの夜』
スーパーファミコン版発売直後にチュンソフトより発売された『公式ファンブックかまいたちの夜』の中で、我孫子武丸の小説を元にした新たなシナリオを一般から公募するという企画があった。応募期間が短かった(かなりの数の応募希望者が完成させる事ができずに涙を飲んだ)にも関わらず、かなりレベルの高い作品が多数送られてきたので、急遽それら応募作品の中より10作品(小説形式だけでなく、ゲーム形式、選択肢のみも含む)を選考して、一冊の本にした。それが『あなただけのかまいたちの夜』である。
発売された本は、「ゲームをプレイして、さらに公式ファンブックを読んだ者」を対象とした、間口のやや狭い本であるにもかかわらず、大好評だった。
後に『かまいたちの夜2』でも同様の募集がされた事からも、『あなただけのかまいたちの夜』の好評ぶりが窺える。
ちなみに、選考された10作品の作者には、それぞれ入選順位・ページ数に応じた印税が支払われた。
『あなただけのかまいたちの夜』は、ゲーム発売から時間が経過して話題性が薄れた時点で絶版になったが、後にプレイステーション版や『かまいたちの夜2』が発売された時に、それぞれ再販された。
[編集] 移植作品
後に様々な形でリメイクされ、プレイステーションで『サウンドノベルエボリューション2 かまいたちの夜 特別篇』が1998年12月3日に、ベスト版が1999年12月2日に、移植されている。
その他、J-PHONEで『かまいたちの夜 mini』が2002年4月1日から、ゲームボーイアドバンスで『かまいたちの夜 ADVANCE』が2002年6月28日に、パソコンのFlashで『かまいたちの夜 internet』が2002年7月1日から、i-modeで『かまいたちの夜』が2004年1月30日からそれぞれ発売されている。
また、プレイステーション2の『かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』にも、メインストーリー部分のみペンション"シュプール"編として収録されている。なおその際、時勢の違いやハード仕様の違いを受け、一部のシーンで台詞回しが変更されている。また、プレイステーション版ではミニシナリオが追加されている。
[編集] 移植に伴う変更点
[編集] プレイステーション版
- フローチャート機能の追加
- 一度見たシーン(選択肢含む)が記録され、自由にシーンを行き来することが出来るようになった。また、選んでいない選択肢も色分けされ、一目瞭然。
- 振動機能の追加
- ミニシナリオ「真理の探偵物語」とドラマCD「ちょっとエッチなかまいたちの夜」を収録。(条件を満たさないと見られない)
- 不思議のペンション編を見るために解かねばならない暗号の答えが変更。
- 金のしおり出現条件が変更。(全てのメッセージを見る(SFC版)→全てのエンディングを見る)
- 真理に似ている人物・啓子の見たい番組などメッセージの細部が変更。
- グラフィックをよりリアルによりクリアにした。
- 登場人物紹介の項目が増えた。
[編集] ゲームボーイアドバンス版(プレイステーション版との比較とする)
- かまいたちの夜2に準じて、透の名前が「矢島透」に変更。また、恋人の名前も「小林真理」になっている。
- 我孫子氏からの挑戦状(2の宣伝)が追加された。(条件を満たすとタイトル画面に追加される)
- 当然のことながら、振動機能の削除。
- 容量の関係上、「真理の探偵物語」と「ちょっとエッチなかまいたちの夜」は未収録。
- メッセージの細部が変更。
[編集] その他
- 『太陽にほえろ!』等で有名な竜雷太がSFC版のCMを務めた。この縁で竜は後にチュンソフトより発売された『街 ~運命の交差点~』に出演している。
- ゲームマニアとしても知られるタレントの伊集院光が、同社の『風来のシレン』と併せてよく絶賛している。
- 1996年2月29日~3月10日まで『月の氷柱~もうひとつのかまいたちの夜』として舞台演劇化され、2002年7月3日にテレビドラマ版も放送された。
- CDドラマも発売されていて、こちらはバイオハザード(生物兵器)を題材としたオリジナルストーリーになっている。出演声優は以下の通り。
- 「シュプール」のモデルとなったのは、長野県北安曇郡白馬村のペンション「クヌルプ」。ゲーム内で使用されている背景写真は原則「クヌルプ」で撮影されたものだが、ワイン貯蔵庫については、別途製作されたミニチュアを小型カメラで撮影したものである。
[編集] 関連項目
- 弟切草
- 街 ~運命の交差点~
- かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄
- かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相
- かまいたちの夜 ニワンゴ版
- かまいたちの夜 (テレビドラマ)
- 煉獄 -かまいたちの夜2 another-(非公認同人ソフト)
- 窮奇(鎌鼬)
[編集] 外部リンク
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