いかにんじん
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スルメとニンジンを細切りにし、醤油、日本酒、みりんなどで味付けする。各家庭で主に晩秋から冬にかけて作られ、おつまみ、おかずとして親しまれている。
[編集] 作り方
いかにんじんは家庭ごとに作り方も味も異なる。材料は、近年は松前漬けの影響を受け昆布や数の子を入れる場合もあるが、伝統的にはニンジンとスルメだけである。 松前漬けと異なり、昆布のぬめりがなく、ニンジンの食感が楽しめるサラダ感覚の漬物である。
- 材料
- ニンジン500g、スルメ3枚、トウガラシ3本、昆布1枚
- 作り方(※あくまでも1例)
- スルメの胴体をハサミで背骨に直角に約4センチ間隔で切り、これを幅2ミリ程度の細切りにする。
- 切ったスルメは、日本酒に数時間浸す。
- ニンジンは長さはスルメと同じ約4センチ、幅はやや太目の3ミリ程度の細切りにし、ボールに入れる。
- トウガラシは細かく輪切りにする。
- 醤油1/2カップ、日本酒1/4カップ、みりん1/4カップで調味液を作る。これにトウガラシを加えて昆布を入れて熱する。
- 昆布も食べたい場合は、細切りにして入れそのまま残す。煮立たせることで昆布のぬめりをなくす。食べない場合は煮立ったら昆布を取り出す。
- 調味液が煮立ったら、ニンジンの入ったボールに注ぎ、あら熱が取れるまで冷ます。
- 冷めたら、スルメの酒を切り、ニンジンに加えて混ぜ、ラップをして冷蔵庫で1日~2日置く。
- 調味液がニンジンになじんだら食べごろ。
[編集] 松前漬けの原型説
一説には、1807年に蝦夷地(現在の北海道)松前藩の領主が現在の福島県伊達市梁川町から伊達郡飯野町の地域に国替えになった際に、家臣がいかにんじんを知り、1821年に再度蝦夷地に国替えになったときに持ち帰って特産の昆布などを加え松前漬けを作ったといわれる。
[編集] 町おこし
あまりにもシンプルな家庭料理であるため、もてなしの料理としては見られなかったいかにんじんだが、福島市出身のタレント佐藤B作がテレビで紹介したことをきっかけに、地元ではいかにんじんに注目し、地域の名物としてPRを始めた。B作の出身地である福島市内の飯坂温泉でも、各旅館が冬の食膳の一品として客に提供している。
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