Privacy Policy Cookie Policy Terms and Conditions T-34 - Wikipedia

T-34

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Disambiguationこの項目ではT-34中戦車について説明しています。練習機のT-34についてはT-34 メンターをご覧ください。

屋外展示されるポーランド軍のT-34-85

T-34-85(1944年型)
性能諸元
全長 8.15 m
車体長 6.10 m
全幅 3.00 m
全高 2.60 m
重量 32 t
懸架方式 クリスティー方式
速度 55 km/h(整地)
30 km/h(不整地)
行動距離 360 km
主砲 85mm ZiS-S-53(56発)
副武装 7.62mmDT機銃×2(1890発)
装甲 砲塔前面90 mm(曲面)
側面75mm 傾斜20°
後面52mm 傾斜10°
車体前面45mm 傾斜60°
側面45mm 傾斜50°
後面45mm 傾斜47°
上面20mm
エンジン 4ストロークV型12気筒
水冷ディーゼル
500 馬力
乗員 5 名
ノート テンプレート解説 ウィキ軍事)

T-34(ロシア語:Т-34テー・トリーッツァチ・チトィーリェ)は、第二次世界大戦から冷戦時代にかけてソビエト連邦を中心に使用された戦車である。独ソ戦で、窮地に陥ったソ連を勝利へと導いた一因となったことからモスクワの守護神またはロージナ(祖国)と呼ばれた。

目次

[編集] 開発

アメリカの戦車発明家、ジョン・W・クリスティーが開発したクリスティー快速戦車はアメリカでは評価されず、陸軍がM1931を5輌発注、これを37mm砲装備のT3中戦車、12.7mm機銃搭載のT1戦闘車として試験した程度に終わった。 ソ連は砲塔の無いデモンストレーション用であるクリスティーM1940戦車とその生産ライセンスを購入し、試験の末車体強度等を改良したBT戦車シリーズとして生産配備した。スペイン内戦ノモンハン事件の戦訓でBTシリーズは機動力は申し分ないが防御力に問題のあることが浮彫となり、その快速性を受け継ぐ新たな中戦車を求めるようになった。そこで開発されたのが T-34である。設計したのはM.I.コーシキン技師率いる設計チームであった(コーシキン技師はT-34の活躍を目にすることなく、肺炎を悪化させ亡くなり、モロゾフ技師が後を継いだ。)。1939年に45mm砲M1934を装備したA-20(別名BT-20)、45mm砲 M1938または76.2mm砲 L-10を装備したA-32の2種類の試作車が完成した。試験の結果は両車とも良好で、スターリンの裁定でA-32が正式採用されることになった。しかし、冬戦争でもBTの装甲脆弱性が問題となり、A-32の最大30mmの装甲を45mmに、また備砲を76.2mm砲 L-11に強化することとなった。この改良試作車A-34の完成を待たずに、12月にはT-34として正式採用された。その後、本車は長距離走行試験等の厳しい試験を乗り越えた。実戦運用試験のためにフィンランド戦線に一輌が送られたが、冬戦争の終結によりモスクワに送り返されている。

このためT-34が実戦に投入されたのは、1941年から始まった独ソ戦からで、初期の戦闘では乗員の未熟さや、無線設備の不備により連携しての戦闘ができなかったり、トランスミッションを故障させ放棄されたり、スペック的には格下であるドイツ軍の戦車や突撃砲に撃破されたりもした。これに対するバルバロッサ作戦開始時におけるドイツ機甲部隊の主力戦車は、戦闘の中核となるように開発された主力戦車である III号戦車(E~J型)と、その支援用に開発された IV号戦車(D~F型)であった。

T-34-76(1941年型)
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T-34-76(1941年型)
T-34-76(1943年型)
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T-34-76(1943年型)
T-34-85(1945年5月のベルリン)
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T-34-85(1945年5月のベルリン)
V-2-34 4ストロークV型12気筒水冷ディーゼルエンジン
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V-2-34 4ストロークV型12気筒
水冷ディーゼルエンジン
トランスミッション
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トランスミッション

[編集] 特徴

T-34の特徴としては

  • 当時としては強力な砲の装備
  • 防御上有利な傾斜した装甲
  • 被弾したときに炎上しにくい(とされる)、燃費の上でも有利な高性能ディーゼルエンジンの使用
  • 高速走行に適したクリスティー式サスペンションを用いた大型転輪
  • ロシアの大地における戦闘に適していた、幅広で接地圧の低い履帯
  • 徹底的に簡略化(初期の型に比べ、後の型ほど簡略化が顕著)された生産性の高さ

であり、当初T-34の存在を認知していなかったドイツ軍は遭遇により大きなショックを受けた。生産性の高さは独ソ戦初期の大敗北により戦車不足に悩まされたソ連軍にとって非常に有用であった T-34は生産性を高めるために途中のタイプから履帯のピン止めを省き、突き出したピンを車体後部のバルジで押し戻す構造を採用していた。このため走行時に履帯から激しい金属音がする。なおクリスティー戦車やBT戦車に装備されていた、履帯を外して車輪走行をする機能は廃止された。

「ピロシキ」と呼ばれた40/41年型砲塔の一部には圧延鋼板の溶接型もあったが、後の大半のタイプは鋳造砲塔を搭載していた。当時ソビエトは大型部品の鋳造技術ではドイツを大きく上回っており、以後のT-34改良型やスターリン戦車などの砲塔に積極的に鋳造製を採用した。しかし鋳造装甲は圧延鍛造装甲より強度が劣り、また大戦中の粗製濫造のため鋳巣(空洞)が装甲中に発生し、更に強度を落としていた例もある。このため、当時の乗員は鋳造砲塔は37mm高射機関砲弾程度の被弾ですら安全ではなかったと証言している。

試作戦車T-34Mの物から発展した「ナット」と呼ばれる42/43年型の六角形の砲塔は主に鋳造製で、上面が圧延板である。ウラルマシ(国営第9ウラル重機械工具製造所、UZTM。タミヤの1/35キットの商品名ではチェリヤビンスク砲塔型。)製の上面まで一体成型の砲塔に関しては、昔からの鋳造一体成型説と、プレス機での熱間鍛造説があり、後者は'94年にスティーヴン・ザロガの著書により発表された。しかし当初5000tフォージングプレス機を用いたとされたが、側面で52mmもある装甲の成型は不可能と指摘され、ザロガ氏も翌年、10000tプレス機であると訂正した。しかし、当時ソ連に存在しない20000tプレスでないと不可能とする異論もあり、未だ真相はハッキリしていない。映画『鬼戦車T34』に登場する本形式の砲塔を見ると、当時のソ連の鋳造製にしては表面が滑らかすぎるのも確かである。また、装甲板の厚さが本当に52mmあったのか、実際のところ良くわからない(52mmは公称値で、鍛造するためそれより薄かった可能性もある)。

T-34を調査した後に、ドイツ軍は既存戦車の改良ともに新型戦車(ティーガーパンター)の開発を促進することになる。特にパンター戦車の設計にはこのT-34の構造が非常に強い影響を与えた。ダイムラーベンツ社によるVK3001(D)はT-34に似たシルエットであったが、実際に採用されたのはT-34の影響はうかがえるものの大分異なった形状のMAN社製のVK3002(M)であった。

さまざまな部分においてドイツ戦車を圧倒していた当戦車にも多くの欠点が存在した。その多くは工作精度と人間工学的な問題である。

  1. 低いシルエットの砲塔は防御の点においては有利だが、居住性が悪く、砲弾が床下に収納されていたので砲塔バスケットは採用されていなかった。特に40/41年型では砲塔内が狭いため主砲を操作するハンドルは腕を交差させて回すという使いにくい配置である。(これは42/43年型砲塔で改善される。)
  2. ペリスコープの質が悪く、また監視用のキューポラも無い。主砲交換と燃料タンク取り出し用に巨大化した砲塔上面ハッチが前方の視界を塞いでしまうため、周囲確認のため乗り出した戦車長は格好の標的として狙撃された。またこのハッチは極めて重いため、負傷すると開けられず脱出が大変困難であった。42年型からハッチが戦車長兼砲手用と装填手用別々に分かれ、後にはキューポラを装備した43年型も生産され視界がある程度改善されたが、それでも重いので現地ではハッチのロック機構のスプリングを取り外すなどしている。
  3. 戦車長が砲手を兼ねるため、周囲の監視や戦車全体の指揮に専念しにくい(T-34-85では戦車長と砲手に分かれた)。なお、T-34を捕獲使用したフィンランド軍では戦車長が(普通は一番の下っ端の仕事である)装填手を兼ねるように役割を変えている。ソ連軍でも、操縦手あがりの戦車長が砲塔乗員の死傷率の高さを嫌って、戦車長兼操縦手という変則的な配置を選んだ例もある。
  4. 主砲の俯角がほとんどつけられず、近距離においては背の低い対戦車砲や突撃砲、歩兵のパンツァーファウストなどに対抗できなかった(ベルリン突入時はパンツァーファウスト対策としてベッドのスプリングや金網を車体の周囲に取り付けた車両も存在した)。また車体前方機銃の視界や射界は狭く、あまり効果的ではなかったという。
  5. 独ソ戦初期には無線機が30%の車輌にしか装備されず、しかも乗員が訓練不足でこれに習熟しておらず、他車との連絡は小旗を振る等しかなく、連携した行動は一列縦隊で突進するのがやっとだった。後に無線は常設となるが、兵員不足で無線手が搭乗していないことも多かった。また、ロシア語を解さない様々な民族も多かったため、車輌ごとに伝言ゲームのように命令を伝えることもある有様だった。
  6. 精密機器として見た場合、ドイツ戦車に比べまったく見劣りがするものであった。照準器やペリスコープに気泡や曇りがあったり、トランスミッションが故障しやすく寿命が短かかったり、防水加工が不十分で砲弾を濡らしたり電気系が漏電する危険があり、砲塔回転用のモーターが過負荷で火花を噴いたり、砲塔回転ギアの材質や工作精度が悪く破損したりした。(これらはアメリカに一輌提供され、現在もアバディーンに展示されている41年戦時簡易型の調査でも明らかになり、米軍により記録されている。しかし、後にアメリカから提供された工作機械や、供与されたイギリス戦車の物をコピーしたペリスコープの採用などで改善された部分もある。)
  7. 被弾時に敵弾が貫通してもしなくても装甲内壁が剥離して飛び散り、乗員を殺傷する危険があった。これは、レンドリースされた米英製戦車のニッケルを多く含む装甲と比較して顕著であった。当時の乗員の話によると、特に砲塔の乗員の死傷率が高かったという。
  8. シンプルな乾式クラッチ・ブレーキ式操行装置は生産と整備が楽である反面、特に前期の四段変速型は操作が大変重く操縦手を疲労させる。片腕の力だけでは動かせず、同時に片膝で押しながら動かさなくてはいけないほどで、長時間の行軍の際は、隣の無線手がギアチェンジの時に手を貸してやったほどであり、疲労で体重が2、3kgも減るとまで言われている。また、直進速度は確かに速いが、構造的に左右に細かく機動するのは苦手で、大回りになりがち。高速走行しながら滑らかに曲がるなど不可能である。またクラッチ接続のタイミングも難しく、性急な操作により破損する危険も大きかった。しかしこれはT-34-85用などの、ドイツ戦車同様にシンクロメッシュ機構を取り入れた五段変速型の登場により、かなり改善されている。
  9. 排気管にマフラーの類は無く、ディーゼルエンジンはラバーマウントを介さず直接車体に固定され振動と騒音がひどい。また、下向きの排気管により激しく土埃が発生する。
  10. ディーゼルエンジンの採用は炎上し難いというふれこみであり、事実乗員もそう考えていたが、実際の統計ではガソリンエンジンの戦車に比べ、燃料の爆発はおこさないまでも特に燃えにくいということはなかった。ディーゼル燃料はマッチの火を落とした程度では燃え上がらないが、装甲を撃ち抜いて爆発するドイツ軍の徹甲榴弾では着火してしまうのである。また、一度炎上すると砲弾の誘爆をおこしやすく、乗員は直ちに退避する必要があった。朝鮮戦争では、T-34-85の乗員の死因の75%が車輌火災による。
  11. ラジエターが虚弱で被弾や衝撃で簡単に冷却水漏れをおこし、またエアフィルターの性能が低く塵を除去しきれず、エンジンの寿命を縮めている。

しかしながら、この戦車の生産性はドイツ軍戦車とは比べ物にならず、損害を上回る数が次々に戦場に投入された。T-34は大戦中だけで35000輌あまり、T-34-85は29,480輌が生産され、合計するとアメリカのM4シャーマンを上回る当時世界最多の生産数を誇る。T-34-85は戦後、チェコやポーランドでも生産され、共産圏諸国や中東諸国等に輸出された。これら東欧製は表面仕上げや工作精度が大戦中のソ連製より良く、また砲塔の形状などに微妙な違い(鋳型の変更)が見られる。

[編集] 生産とバリエーション

T-34はその生産工場の違いと改良により細部の異なる無数のバリエーションがある。主砲の口径によりT-34-76(ソ連では単にT-34と呼称)とT-34-85に大別され、さらに(西側の研究家により)主な生産年、製造工場名で細分される。

これ以外にも高初速のZIS-4 57mm対戦車砲を41年型の砲塔に搭載したT-34-57駆逐戦車が'41年10月から量産され、第21戦車旅団に配備されその冬のモスクワ攻防戦に投入されたが、戦果を挙げつつも11月中に全滅している。T-34-57は'43年にも再生産され、8月に実戦投入されたが、T-34-85の量産に伴い生産終了した。

40/41年型において避弾経始には優れるものの狭すぎた砲塔は42年型より大型化され、1943末期にはT-43の砲塔を基に更に改良した85mm砲を搭載する新型が登場。初期には即応砲弾の配置の問題で狭かったが、45年型よりレイアウトが改められ、十分な空間を確保することが出来るようになった。 この砲塔を持つことによってこの戦車は完成の域に達したと考えられる。85mm砲搭載型のT-34(T-34-85)は'44年の夏季攻勢「バグラチオン作戦」より大量投入され、物量で劣るドイツ軍を圧倒した。

なお、かつて西側ではT-34/85等と表記していたが、ソ連崩壊以降入ってくる資料ではT-34-85となっている。また、古い資料やプラモデルの商品名では42年型とされたものは41年戦時簡易生産型、43年型とされた丸型ハッチ二つのドイツ側通称"ミッキーマウス"砲塔は('42年中にフィンランドや夏季攻勢であるブラウ作戦時に姿を現していることから)42年型と分類が変更されている。

ドイツ軍でも独自に分類され、40年型をT-34A、41年型をT-34B、41年戦時簡易型をT-34C、42年型をT-34D、43年型をT-34E、そして42年型で砲塔上面まで一体成型されたタイプをT-34Fと呼称した。もっとも、前述の通りソ連では76.2mm砲搭載型の全てが単に"T-34"であるが。また、ソ連が新型戦車を開発していることを知ったドイツ軍は、新たに現れたT-34-85を誤って(別の戦車である)T-43と呼称した。ティーガー戦車のエースであるオットー・カリウスが戦後のインタビューでもそう呼んでいるところから、前線では間違った呼称が改められず使われていた可能性もある。

[編集] 主要生産工場

独ソ戦によるドイツ軍のソ連領内侵攻で、工場は大規模な疎開を行って生産を続けることなった。これら数カ所あった工場によって砲塔、車体の構成などが異なることがわかっている。

第183工場
ハリコフにあったハリコフ機関車工場(現マルィーシェフ記念工場)でT-34の設計・試作が行われ、初期のT-34/1940年式の生産も行われた。この国営第183ハリコフ機関車工場(別名 コミンテルン、KhPZ)が独ソ戦開始後、ウラル山脈東方のニジニ・タギルに疎開して国営第183ウラル戦車工場(別名 ヨシフ・スターリン、UTZ)に改名して操業。
スターリングラード・トラクター工場(別名 F.ジェルジンスキー、STZ)
スターリングラード(現ヴォルゴグラード)にあった。他の工場が疎開する中、スターリングラード攻防戦の最中にも生産が続けられ、塗装もされていないT-34が工員の手により直接前線に向かったが、結局施設は灰燼に帰し、生産を再開するのは戦後になってからである。
第112工場(国営第112クラスノヤ・ソロモフ工場)
ゴーリキー(現ニジニー・ノヴゴロト)にあった。なお、この工場で生産されたT-34の初期638輌は、折り悪くV-2ディーゼルエンジンの製造工場が疎開中で入手が困難だったため、やむを得ずM-17Tガソリンエンジン(BT-7快速戦車に用いられていたもので、ドイツの航空機用BMWエンジンの戦車用改造版)を搭載している。外見上は後部の丸い点検ハッチが標準型より車体中央に寄っていることで識別できる。
第100工場(国営第100キーロフスキー工場)
レニングラード(現サンクトペテルブルク)にあった。独ソ戦開始後、ウラル山脈東方のチェリャビンスクに疎開。もともと現地にあったトラクター工場と合体し、巨大戦車生産コンビナートタンコグラードを形成する。
第9工場(国営第9ウラル重機械工具製造所、UZTM)
スヴェルドロフスク(現エカテリンブルク)にあった。当初はシャーシ、砲塔のみの製造を行う工場だったが、後に独自生産。
第174工場(国営第174工場ヴォロシーロフ製造所)
レニングラードの工場がオムスクに疎開して成立。

[編集] 派生車

大戦中にもT-34M、T-43(この二種の戦車は全くの別物だが、古い資料では混同されている。)といった装甲強化型の試作が行われたが、それ以上に火力の増強が必要とされ却下され、代わってT-34-85や後継戦車として開発されたT-44が生産された。

ソ連では派生車として、下記の自走砲が生産されている(形式番号は搭載火砲の口径を示している)。いずれも対戦車戦闘を目した駆逐戦車の性格が強いが、ソ連ではまとめてSU(СУ)=自走砲と分類されている。

SU-122
SU-85以前に開発された、122mm榴弾砲M-30を搭載した自走榴弾砲。
SU-85
85mm対戦車砲D-5Sを搭載する駆逐戦車
SU-100
強力な100mm対戦車砲D-10Sを搭載するため、SU-85の戦闘室を改良した物。SU-100の車体を流用し85mm砲を搭載した車両はSU-85Mと呼ばれる。
OT-34火焔放射戦車
T-34の43年型の車体機銃の代わりにATO-41火焔放射器を搭載したもの。一回あたり10リットルの燃料を用いて10分間に三回と、あまり多く放射できるものではなかった。

ドイツ軍は鹵獲したT-34をそのまま使用しただけでなく、対空戦車などにも改造して使用した例もあった。また、中国、エジプト、シリアなどでも独自に自走砲や対空自走砲を改造した。

T-34-100
拡大
T-34-100
T-34-100
エジプト軍が、余剰となったT-34-85の砲塔を大きく切断して、ソ連製のBS-3/M1944 100mm対戦車砲を砲塔にたいして後ろ向きに搭載した対戦車車輌。

[編集] 戦後

ソ連軍ではT-54が1950年に正式採用されるまで主力戦車であり続けた。 第二次世界大戦後も、朝鮮戦争ベトナム戦争中東戦争ハンガリー動乱チェコ事件、ソマリア紛争、中越戦争などで使用され、冷戦終結後のユーゴスラビア内戦等の地域紛争でも使われていた。1974年キプロス紛争では、ユーゴスラビアから供給された少数のT-34が、キプロス島に侵攻したトルコ軍と対峙した。また、レバノン内戦ではPLOやイスラム教左派民兵組織、さらには一部のキリスト教民兵組織がイスラエルから供給されたM50スーパーシャーマン等と共に使用していた。'90年代半ばにおいても、アフリカ諸国や中東、東欧の多くの国々、中国、ベトナム、モンゴル、アフガニスタン等20国以上で現役装備であることが確認されている。(意外なことに北朝鮮では予備役であるようで、これに含まれない。)

また、「友好国」では独自にライセンス生産もおこなわれている。生産国は以下の通り。

  • ポーランド・・・T-34-85の44年型が'51~'55年にかけて生産され、多くがワルシャワ条約の同盟国に売却された。
  • チェコスロバキア・・・'58年までポーランドより多数を生産、中東に輸出された。
  • ユーゴスラビアではT-34-85を同国で大きく改修した「重戦車A型」が量産される予定であったが、ソ連との関係悪化で中止された。従ってユーゴではT-34は生産されていない。

[編集] 関連項目


第二次世界大戦のソ連の装甲戦闘車両
軽戦車 快速戦車
T-26 | T-50 | T-60 | T-70 | T-80 BT-5 | BT-7 | BT-8
豆戦車 装甲牽引車
T-27 T-26T | T-20コムソモーレツ
水陸両用戦車 中戦車
T-37 | T-38 | T-40 T-28 | T-34 | T-44
重戦車
T-32 | T-100 | T-35 | SMK | KV-1 | KV-2 | KV-85 | IS-1 | IS-2 | IS-3
自走砲
ZiS-30 | SU-5 | SU-76 | SU-76i | SU-122 | SU-85 | SU-100 | SU-152 | ISU-122 | ISU-152
装甲車
BA-11 | BA-20 | BA-21 | BA-27 | BA-64 | BA-30
自走式対空砲
ZSU-37
戦車一覧

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