メトロこうべ
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メトロこうべ は、神戸高速鉄道の高速神戸駅と新開地駅を結ぶ地下構造の商店街。両駅の真上にそれぞれ神戸タウンと新開地タウンとがあり、センター(星の広場)と名づけられた地下通路が両タウンを結んでいる。なかでも、センターエリアにある卓球場は、メトロこうべの名物といえるほど親しまれている場所である。
管理は、神戸高速興業株式会社(神戸高速鉄道の子会社)による。
神戸タウンと新開地タウンの各店では、メトロこうべ名店会協力のもと、PiTaPaで決済できるお店、あるいはPiTaPa提示で特段のサービスを行うお店が多い。神戸高速鉄道区間の乗降にPiTaPaが使えるようになったのは2006年7月だが、メトロこうべでは既に2005年6月にはPiTaPaを採用していた。これは、鉄道主体で始めた阪急のHANA PLUSカードなどとは異なり、地域振興目的で神戸市主体で始めたKOBE PiTaPaに、神戸高速鉄道などの鉄道会社が参画したからである。
神戸タウンではデュオこうべ経由ハーバーランドに、新開地タウンでは聚楽館ビル脇の出口(エレベータのある出口)で直結した新開地商店街を経由すれば湊川公園に出ることができる。それゆえ、湊川公園からハーバーランドまで雨天時でも濡れることなくバリアフリーの移動が可能である。
[編集] 誕生の経緯
神戸高速鉄道が計画された当初は、国鉄(現在のJR)神戸駅前へ、阪急・阪神・山陽は地下で神戸電鉄は高架で乗り入れ、神戸高速鉄道乗り入れ4社の総合ターミナル駅「高速神戸駅」を設置するという計画であった。そしてこのときは、新開地駅の設置は予定されていなかった。この計画は後に見直され、神戸電鉄は現在のルートで地下を走る計画になり、そして神戸電鉄と阪神・阪急・山陽が接続する位置に新開地駅を設置することになった。このため、神戸高速鉄道のターミナル駅は、当初予定されていた高速神戸駅と、乗り入れ4社ともが乗り入れる新開地駅との2駅に分割されて誕生した。
高速神戸駅と新開地駅との距離はわずか500メートルで、その両駅ともがターミナル駅となることから、ターミナル駅にふさわしい商業施設を両駅ともに作るとともに、両ターミナル駅間を結ぶ地下通路(センター)も建設されることになった。
神戸高速鉄道の開業直後は、新開地駅ならびに高速神戸駅(折り返し設備も含む)の構造がゆえに、山陽は新開地駅まで、阪急と阪神は高速神戸駅までの乗り入れが基本となっていた。そのため、高速神戸駅と新開地駅をつなぐ電車の本数がやや少なく、山陽や神戸電鉄で新開地駅までたどり着けた人々が、国鉄神戸駅前に出る手段として、メトロこうべの地下通路を歩くケースも少なくなかった。その後、阪急・阪神・山陽はダイヤ改正を重ね、現在では、「来た電車に乗れば高速神戸駅に出られる」ほどに高速神戸駅と新開地駅をつなぐ電車の本数は増えたうえ、新開地どまりの山陽普通車の乗客や高速神戸どまりの阪神各停の乗客を阪急特急が即時に高速神戸ならびに新開地に輸送するという、接続も優れたダイヤになっている。