馬なり1ハロン劇場
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『馬なり1ハロン劇場』(うまなりいちはろんしあたー、うまなりひとはろんしあたー)は、よしだみほの漫画作品。1989年に連載開始(当初は『それいけ岡部クン!!』という題名だったが、間もなく現在のタイトルに改名した)。当初は競馬雑誌の「ファンファーレ」(旧・週刊競馬報知)で掲載されていたが、廃刊に伴い「漫画アクション」に移籍。2003年9月に「アクション」が休刊になるとネット(双葉社Webマガジン)での連載に変わった。
目次 |
[編集] 概要
通常1話4ページで構成される。競馬で起きた出来事をモデルにして作られており、基本的にはお笑い系のストーリーが多いが、シリアスな話や読者の涙を誘うような話もある。 基本的に主役は馬で、稀に騎手が主役になるときもある(なお、作中では騎手・調教師など競馬に関わる人間の名前も主にカタカナ表記)。作中に登場する馬は擬人化されており、人間の言葉を話し、意思の疎通もできる。また、レースの場面ではしばしば乗っている騎手が省略されて描かれる(馬が2本足で走っていることも)。種牡馬はスーツを着ている。既に亡くなった馬が登場することも多々あり、その際には頭上に天使の輪(後光)をつけて登場する(雲に乗って現れることも)。
この漫画で馬の牡牝の区別は睫毛の有無でされている(睫毛のあるほうが牝)。逆に言えばそれ以外は大きな違いがなく、シーキングザパールが作中で突っ込んでいる。このほかプレクラスニーを「スクリーントーン貼り忘れ」とネタにしたり、フジキセキが3歳クラシック戦線を目前にして早々にリタイヤした時に「わざわざ彼の毛色(青鹿毛)のためだけにトーンを買ったのに」と作者自身が作中で嘆いたりするなど、スクリーントーンを使ったネタも時々見られる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場馬の性格
登場する馬の性格は、様々な情報(スポーツ新聞の記事など)や馬名を元に作者が決めている。 なお、以前に登場した事のある馬が別の性格に変わっている事があるが、作者曰く「マンガに登場する馬は役者であり、その回その回で異なる役を演じてもらっている」との事である。
[編集] 主な登場馬・騎手の性格
登場回数が多く、ある程度性格が決まっている馬などの主な例を以下に示す。なお、上記の理由により、ストーリーによってはその限りではない。
- サンデーサイレンス
- 「俺様」キャラで、一人称に「様」をつける。怒筋がトレードマーク。負けた産駒には「噛み付き」でお仕置きをする。
- オグリキャップ
- 自分がアイドルである事を自覚している。とにかく目立つ事が好きで、登場時はほぼ確実に場面が暗くなり(例え屋外でも)、GIのファンファーレ(関東版)と共に現れる。義理人情に篤く、自分と同じ地方からの転厩馬やクラシックに出られない外国産馬には親身に接する。
- シンザン
- シンボリルドルフ
- ライスシャワー
- トレードマークは「自分の戦績を書いたタスキ」と「レコードブレイク金棒」(最近は金棒のみの事が多い)。「レコードブレイク(記録達成)をブレイク(妨害)する」と称し、天界から登場することが多い。
- メジロライアン
- 極度の親バカ。エアガッツの応援の際にテンションを上げようとして飲みすぎ泥酔してしまったり、メジロマックイーンにメジロドーベルの写真やGI勝利のビデオ(通常のレースを録画したものと編集してゴールシーンだけ何度も録画したものの2種類)をあげて絶句させたこともある。
- メジロマックイーン
- 地味で自己主張の少ないのんびり屋。夢は親子4代天皇賞制覇(出来れば葦毛の子供で)。彼曰く、「長距離それは『忍耐』」
- イクノディクタス
- 賞金稼ぎに執着する。他馬に賞金獲得のアドバイスをすることも多々あり。
- ゴールドシチー
- フジキセキ
- スティンガー
- 同厩の馬たちや騎手までも手玉に取る「悪女」。
- スキーパラダイス
- ローエングリン
- 白鳥のぬいぐるみがトレードマーク。ヒシミラクルの発言で精神的にやられたり、欧州遠征の際にふとした事から同性愛の疑惑をもたれたりと損な役回りが多い。皐月賞・ダービーと続けて抽選落ちした経験があるため、彼の前で「抽選」の2文字は禁句である。
- ディープインパクト
- タケユタカ(武豊)
- オカベユキオ(岡部幸雄)
- 作者がファンとのことではあるが、馬に振り回されるなど損な役回りが多い。引退後は出番が減っている。
- フクナガユーイチ(福永祐一)
- デビュー初年度になかなか重賞を勝てなかった(2着続き)のは、実はターフデビルの仕業だったらしい。なお、カフェテラス「逍遥馬道」に初めて入店した騎手でもある(この時はプリモディーネに馬の着ぐるみを着せられた)。
ちなみにシンザンには「先生」、シンボリルドルフには「様」、ノーザンテーストには「御大」の尊称がつけられることが多い(オグリキャップやサンデーサイレンスは自分で自分に「様」をつけるが、他の馬がそう呼ぶことはない)。
[編集] 主なシリーズ
[編集] ブロコレ倶楽部
「ブロンズコレクター倶楽部」の略。重賞(特にGI)で2着や3着を繰り返す馬によって構成される親睦団体を描いたシリーズ。ブロコレへの入会資格は「イマイチであること」。ライバル団体として、レーヴドスカー・メイショウドトウの所属する「ル・サロン・ダルジャン(「銀の会」、銀とはもちろん2着のこと)」がある(現在はブロコレと合併した)。ちなみに、作中ではワイド・三連複・三連単はブロコレ倶楽部の働きかけで、馬単はル・サロン・ダルジャンの働きかけでそれぞれ導入されたという設定になっている。
最近ではステイゴールド、テイエムオペラオー、ウイングアローのようにブロコレ倶楽部に入った後に大活躍する馬もおり、それがネタにされることもある。ただし、活躍した馬のほとんどがGIを挙げており、ひどい扱いだという批判も少なからずある。
[編集] 主なメンバー
- ナイスネイチャ(発起者・1994年高松宮杯などGII3勝)
- ロイスアンドロイス(発起者・団体発足時には既に死亡していたが霊界から現れる。重賞未勝利)
- ホッカイルソー(発起者・1996年日経賞などGII2勝)
- メジロブライト(ブロコレ発足の回で勧誘された馬。 1998年天皇賞・春優勝)
- ステイゴールド(3着と共に2着も多かった(GIで2着4回など)ためにシルコレ部長となる。ブロコレ中興の祖。引退した現在でもブロコレの回には真っ先に登場する。2001年香港ヴァーズ優勝など海外GI2勝)
- クロックワーク(重賞未勝利、現役中に斃死した)
- テイエムオペラオー(2000年初めに入会、その後勝ちまくってしまったために一時はクビを言い渡される。後に名誉会員となり「ゴルコレ倶楽部」を立ち上げる。GI7勝、顕彰馬)
- ウイングアロー(自薦でダート部長に就任。就任後にGI2勝(2000年ジャパンカップダートなど)を挙げるがオペラオーほどではないという事で特に沙汰はなかった。)
- ナリタトップロード(自薦で入会しようとするも一度は拒否された。その後改めて入会し、天皇賞春3年連続3着の偉業(?)を成し遂げた。1999年菊花賞優勝)
- トゥザヴィクトリー(2001年エリザベス女王杯優勝)
- ローズバド(2002年マーメイドステークスなど)
- コイントス
- ヴィータローザ(現役会員)
- シックスセンス(2006年京都記念勝利後に自薦で入会するも、直後に故障、引退してしまった。)
- マチカネキララ(現役会員)
- ディアデラノビア(現役会員。4位入線でも3着となる強運?の持ち主である大物会員)
[編集] 商社シリーズ
種牡馬を社長とした会社に見立てて話を作っている。当初は商社間のシェア争いがメインだったが、途中からは物流など別分野の話も登場した。サンデーサイレンス、ノーザンテーストといった主役となる馬が死去したことにより今後の展開が心配されていたが、結局「天国での会社ごっこ」という形でシリーズは継続されている。
[編集] 主な会社
- 北味(ノーザンテースト) - 読み方は「きたあじ」。(今は日静の一部となっている。)
- 東商(トウショウボーイ)
- 日静(サンデーサイレンス)
- トニー便(トニービン)
- Bタイム(ブライアンズタイム)
- リアル社(リアルシャダイ)
[編集] 恋のマイル戦
1マイル前後のレースを走る馬達の織り成す恋模様を描いたシリーズ。ベースとなっているのは、初期の人気シリーズであるダイタクヘリオスとダイイチルビーの「ヘリオス・ルビー恋物語」。
上記の「ヘリオス・ルビー恋物語」の影響は大きく、競馬ゲームウイニングポストシリーズでは、毎回この2頭の子供である「ファーストサフィー」という馬が登場する。また、ダイタクヘリオスの仔のダイタクヤマトとメジロダーリングの恋を扱った続編もある。
[編集] 英雄譚
サーガノヴェルが執筆する、とある王国を舞台とした物語。当時流行していた映画ロードオブザリングの影響を受けている。主人公はサニングデール、デュランダル。2003年の短距離~マイル戦線で活躍した馬が多数登場した。
[編集] 任侠シリーズ
オグリキャップ・イナリワン・武豊ら(ヤエノムテキやスーパークリークも稀に登場)がやくざ役に扮する初期の人気シリーズ。商社シリーズとも関係があり、サンデーサイレンスが「日静会」を率いて登場したりもした。作者(昔任侠映画のファンだったそうである)は続きが書きたいらしいのだが任侠キャラとして成立する馬がいないためシリーズを続けられないらしい。
[編集] ナンでもアリま記念&新年会
「ナンでもアリま記念」は有馬記念のパロディとして描かれる年末年始恒例のシリーズ。その年の話題の馬や人がゲストとして登場するほか、主要キャラが総出演するオールスター的要素も持っている。また「新年会」も同様で、普段あまり描けない様なダジャレネタを中心としたシリーズとなっている。
[編集] 主なオリジナルキャラ
- 誘導馬仮面
- 元々は競馬場におけるマナーの悪い客を懲らしめるために登場。作者が競馬の現状に対し不満を述べたいときに登場させることが多い。本人(本馬)によると普段は某競馬場で誘導馬をしているそうである。好物は青汁。
- ターフデビル
- 北味の秘書
- 商社シリーズの重要キャラ。その名の通り(株)北味・社長のノーザンテーストの秘書を務める。後に日静社の社長室長に転ずるが、キャラ名は「北味の秘書」のまま。
- カフェテラス「逍遥馬道」のウェイトレス
- ホースメンタルクリニックの医師
- 馬の悩み(最近勝てない等)の相談に応じ、精神科医としてアドバイスなどを行う。
- 蛯原こずみ
- 競馬マニアのOL。名前を聞くと馬がみんな逃げ出して行くという。
- 姓の読みは「えびはら(屈腱炎の通称)」。「こずみ」とは馬に筋肉痛や筋炎が発症した際に見られる歩様の異常のことを指す言葉である。ちなみにおばあちゃんの名前は「ソエ」(管骨骨膜炎の通称)。
- 佐々張ケンタ
- 若手の競馬記者。本編には名前が出てこないが登場機会は多い(名前の初出は日刊アスカ連載の「ターフレポーター アスカにおまかせ!」)。
- 姓の読みは「ささばり(笹針)」で、やはり名前を聞くと馬がみんな逃げ出して行く。
- ナンでもアリま記念の実況アナウンサー
- ナンでもアリま記念の実況を行う「ただ」のお馬さん。2000年には20世紀最後を記念して衣装を変えた(と言ってもスクリーントーンを変えただけ)が、以前に使用していたトーンが絶版になってしまったために2001年以降も2000年バージョンの衣装を着ている。以前「毎年司会の私は誰なのか?」という質問に「私は馬!馬でございますっ ただの馬です!」と答えている。
- ショットバー「ウッドチップ」のマスター
- シンボリルドルフ行き着けのバー「ウッドチップ」のマスター。ちなみに1993年の有馬記念(トウカイテイオーの最終レース)の前後、このバーでルドルフと現役時代のライバル・ビゼンニシキが語り合うエピソードは屈指の名作。
- コレクトビル
- テイエムオペラオーのもとにクラシック登録料の集金に来た馬キャラ。
- ルドルフの馬車馬
- 最初、シンボリルドルフは普通に登場していたが、途中から2頭立ての馬車に乗って現れるようになった。
- 初登場シーンではミスターシービーに「馬のくせに馬車に乗ってくるな」と言われている(後に息子のトウカイテイオーにも「恥ずかしいからやめてくださいよ」と言われた)。
- ちなみに馬車馬達は自分達の職務に不満を持っていない様子。
[編集] 関連リンク
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