野原しんのすけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
野原 しんのすけ(のはら しんのすけ)は、臼井儀人の漫画『クレヨンしんちゃん』の主人公である架空の人物。
アニメ版での声優は矢島晶子。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
アクション幼稚園(アニメではふたば幼稚園)ひまわり組の園児。5歳。血液型B型。埼玉県春日部市出身、在住。誕生日は、双葉社公式の設定では5月5日。但し、漫画やアニメでこの設定が出たことは一度もない。愛称「しんちゃん」。一人称は「オラ」。ナンパの際には「ボク」ということもある。身長105.9cm、体重22.8kg、胸囲57.5cm(原作4巻で判明)(但し後に身長は80cm代となっている場面もある)。生年は、連載開始年(1990年)から引くと1985年になる。
[編集] 名前の由来
もともと父親の野原ひろしが「しんいち・とものり・すぐる・けんた」の4つの名前を考案し、これらの名前を紙に記した。その後みさえが産気づいたという連絡を受け、雨の中、産婦人科へ向かう。到着したときには雨で紙が濡れて一部の文字が滲んで読めなくなっており、「しんのすけ」という5文字だけが残っていたことによる(しんいち・とものり・すぐる・けんた)。
[編集] 人物
[編集] 女性の好み
美人な「おねいさん」に弱いのは祖父・父・しんのすけの三世代とも同じであるが、しんのすけの場合は好みにうるさく、絶対に恋愛対象は女子高生以上と決めている。みさえとひまわりは呆れる。しかし、映画『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』では、14歳の女の子つばきに本気で恋をした。また、本気で興奮すると「ポッポー」と声をあげ蒸気機関車の様な状態になったり、鼻血を出したりする。ちなみに、しんのすけは大原ななこ(ななこお姉さん)に本気の恋をしている。
[編集] しんのすけが好みの女性としてあげた実在の人物
- 田村英里子 - 岡本夏生 - 細川ふみえ - 内田有紀 - 雛形あきこ - 小宮悦子 - 高島礼子 - ゴトーマキ - 河野明子 - 井上和香 - インリン・オブ・ジョイトイ - 安めぐみ - 安倍麻美 - 倖田來未 - 仲間由紀恵 -藤澤恵麻- 小西真奈美
など。最近はパロディのほうが多くなっている。
[編集] 言葉づかい
言葉間違いが多く(「おやつ」→「おつや」、「ただいま」→「おかえり」、「金輪際」→「こんざいりん」、「ひとひねり」→「ひとひるね」、「ハイレグ」→「ハイグレ」、「太っ腹」→「太もも」、「こんにちわ」→「わちにんこ」、「いってらっしゃい」→「ただいま」などと言ったりする)、訂正されると「そうともゆう」ととぼけるが、言い間違えをみさえに指摘される場面を一人芝居で正確に演じてみせるなど、わざとやっていることを示唆する場面もある。
また、「ただいま~」の言葉に繋げて遊んでいて、母みさえもそれに答えている。「ただいま、おかえり」のバリエーション以外にも、みさえがしんのすけをママチャリに乗せたときに、しんのすけ「しゅっぱつおしんこー」→みさえ「おっしゃ! きゅうりのぬか漬け」というものなどある(これはクレヨンしんちゃんのキャラクターソング『ぶっとび自転車』の前のふたりの会話である)。
オネエ言葉を駆使し、大人の女性になりきることもある。その場合、何故か水商売風のお姉さん的な雰囲気となっている(劇場版『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』など)。
[編集] 容姿
太い眉毛は父親似。しんのすけの顔に鼻は映らないため、鼻に関する話をすると、みさえに「あら、あんた鼻あったの?」などといわれることがある。原作の幼稚園初期はなぜか訛っていて常に上がり眉だった(語尾に「~ベ」をつけるなど銀の介の影響か?)。
笑う際は、いつも後ろを向いて目を見せず口だけをニヤッとさせ、正面を向いて笑い顔を見せることはない(ただ、原作ではしんのすけと他のキャラクターが入れ替わる話で正面向きの笑顔を見せている)。
頭の形から、「そらまめ小僧」や「ジャガイモ小僧」などと罵られることもある。
また劇場版『嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』ではしんのすけの妄想によって金髪の美少年に変身している。
[編集] 服装
原作では黄色のTシャツに、紫色の半ズボンである。アニメでは赤いTシャツに、黄色い半ズボンである。また、原作では靴下を履いていない。アニメの服装の方が有名。
[編集] 性格
脳天気で超プラス思考の持ち主であり、皮肉や非難などを褒め言葉だと勘違いする事が多い。その際、照れて「それほどでも~」と言うが、大抵周囲の人に「ほめてない!」と突っ込まれる。本人曰く『おかげ』っていったじゃないかと返すこともある。(例:あんたのおかげでめちゃめちゃよ)など。
周りを全く気にしない性格で、公衆の面前でも平気で裸になる。また、おバカなギャグが大好きでこちらも人前で下品なことを平気で行う。主なギャグは「ケツだけ星人」「半ケツフラダンス」「ぞーさん」「いなりずし」など(ただし「ケツだけ星人」以外の三つは最近はあまり使われていない)。
このような奇妙な性格ながらも、野原家の長男として妹・ひまわりの面倒を見たり、家事に追われているみさえを見かねて手伝ったり、シロが好きになったメス犬が目の前で轢き逃げされ悲しんでいた夜には一緒に寝てあげたり(原作20巻)、熱繰椎造が幼稚園を去った後椎造に気持ちを伝えられなくて泣いていたネネちゃんを慰めたり(原作42巻、アニメでは「さよならファイヤー! だゾ」2005年11月18日放送)、前日遊びへの誘いをけんもほろろに断られたにもかかわらず、友人に絶交され落ち込んでいた風間君をこれまで通り優しく接したり(原作43巻、アニメでは「オラの心はエリートだゾ」2006年1月13日放送)等、根は優しい心の持ち主である。母みさえの同窓会で、親友おケイと酒乱状態になった母親のことを、同窓生たちに謝って回り「しっかりした息子さん」と異例の高評価を受けたこともある(アニメ「みさえの同窓会だゾ」1994年2月21日放送)。
普段は悲しみの涙を見せる事はほとんどないが、アニメ「かわいそうなスズメだゾ」(1994年12月12日放送)では怪我をしたスズメが死んでしまい、「母ちゃんが死んじゃう? ゾ」(1996年6月21日放送)では妊娠が発覚したみさえが死んでしまうと勘違いし泣いており、純朴な一面も持っている。また、『ヘンダーランドの大冒険』ではトッペマ・マペットが力尽き姿を消した際に涙を流し、『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』においても、自らの消滅を承認しつつ消えゆく電子生命体コンピュータウイルスぶりぶりざえもんに落涙している。『アッパレ! 戦国大合戦』では又兵衛が何者かに火縄銃で撃たれて死んだ時においては、後にも先にもない「号泣」にまで至った。
物怖じしない性格であり、いじめっ子やカタギではないような人物と相対しても臆することはない(一部の例外は除く)。
[編集] 能力
お気楽な性格の他に5歳児としてだけでなく、人間として超越した身体能力を持つ。お尻を突き出して小刻みに激しく振る「ケツだけ星人」の他「ケツだけ歩き」等、「お尻芸」を最も得意とする。他に「玉乗り」「壁登り」「皿回し」「片足跳び」で超人的な技術を持つ。スキーとスノーボードも一流の腕前であり、まな板や洗面器で雪上を滑ることもできる。犬掻きだが水泳も速い。映画『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』ではひまわりをおぶさりつつ、声を出しながら民家の柵やら壁の上を走って、低速で走るトラックを追いかけてしばらく並走していたことも。なお、5歳にしてすでに乳児用粉ミルクの作り方を知っている、幼稚園の友達のボーちゃんに触発されて母みさえにボタン付けを習い、一人で出来るようになるなど、家庭科系生活一般の技能は5歳児としては卓越している。
また、剣道の技能は武蔵野剣太の指導とライバル代々木弘次郎の出現により鍛錬し、春日部市剣道大会幼年の部で準優勝するほどになったが、代々木を破ったことによって「以前代々木に敗れたときの己を超える」目的を達成したため、師匠との別れの対決(最終稽古)を最後に一切竹刀を手にしていない(大会は決勝戦を放棄して帰宅してしまった)。
劇場版『嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』で5歳児でありながらも補助輪を壊されたが自転車に乗れるようになり、一気にアクロバットな技も披露したなどのエピソードもあり、天才肌である事をうかがわせている。
[編集] 2歳の時のしんのすけ
- しんのすけが2歳の頃、玉子が好きであり、玉子焼きの事を「たまたま」と言っていた。
- 両親はお互いのことを呼び捨てで呼んでいた。
- アパート暮らし(くずれ荘)で、飛んでるハエがふすまに当たって跳ね返されるのを見て、それを自分でもやり、趣味にしていた。(ひろし曰く「悲しい遊びなんだろう。」)
[編集] その他
- たまに父ひろしと母みさえがラブラブになっていると「近くで時間を潰して来ようか?」「じゃ子供は早く寝てやるか」などと(余計な?)気遣いをすることもある。例外的にひろしとみさえがキスしようとしているときにしんのすけもキスするような仕草をして、その後ひろしとみさえの歯が当たってひろしが出血したことがある。
- 部屋を片付けるのが苦手で、ピーマンと人参が嫌い
- 好きなテレビは「アクション仮面」と「超電導カンタム・ロボ」。好きなお菓子は「チョコビ」というチョコレート菓子(「チョコビ」は「チョコビスケット」の略だと思われる)。いずれも架空のものだが、チョコビは実際に東ハトが製造し、バンダイキャンディー事業部の販売でアニメと同じパッケージで発売された(クレヨンしんちゃん#概要も参照)。
- 風間トオル・桜田ネネ・佐藤マサオ・ボーちゃんらと共に、春日部の愛と平和を守る組織「かすかべ防衛隊」を結成している
- 佐藤マサオの家を訪ねる際、いつも間違えて向かい側の家に入ろうとしていた
- 耳に息を吹きかけたりなどのセクハラじみた悪戯をよくする。とりわけ男性キャラに対するセクハラが多い
- 風間トオルはよく上述の悪戯やなりきりのターゲットにされており、キスまでしたことがある
- 利き手は両利きである(原作での動作から)。しかし原作1巻、アニメでは「おつかいに行くゾ」(1992年4月13日放送)では、メモを書こうとペンを左手に持ったところをみさえに「あんた左利きだった?」と突っ込まれ右手に持ち替えており、実は右利きであることを示唆している
- 大便の時間が長く(大体30分ほど)、そのせいでよくお迎えの幼稚園バスに乗り遅れており、その際はみさえが自転車で送っている
- 寝相の悪さは父親譲りで、大原四十郎に「オリンピックに寝相の悪さ競技があれば金メダルをとれる」と言われている
- アニメ初期は現在の声とは全く異なっていた(矢島晶子が研究を重ねて、現在の「少年っぽい」声を身につけたらしい)
- 両親の事を「みさえ」「ひろし」と呼んでいた(現在はちゃんとした呼び方を覚えたのか「母ちゃん」「父ちゃん」)。小さい時、みさえとひろしが、お互い呼び捨てで呼ぶ事が多かったためだと思われる。
- 平仮名を書くことができるが、一部正確に書けない(おもちゃばこ→おもちょぼこ等)
[編集] CD
以下の楽曲をCDで発表している。
- オラはにんきもの
- パカッポでGO!
- ユルユルでDE-O!
- ママとのお約束条項の歌(ラップ)
- わっはっはーのはっ!
- はっぴーばーすでぃお正月
- お正月の誓い
- いぬのおまわりさん ※童謡のカバー
- おなかのへるうた ※童謡のカバー
- やぎさんゆうびん ※童謡のカバー
- ふしぎなポケット ※童謡のカバー
- しんちゃん音頭~オラといっしょにおどろうよ~(ゆうこ&のはらしんのすけ)
- しんちゃん音頭~オラといっしょにおどろうよ~(三波春夫&のはらしんのすけ)
- パリジョナ大作戦(マロン公しゃく&のはらしんのすけ)
- とべとべおねいさん(のはらしんのすけ&アクション仮面)
- みんなでオエロビクス(のはらしんのすけ&チョコビーズ)
- Jumpin' Kids(えいご・ばぁじょん)(ブレンダ&のはらしんのすけ)
- ぶっとび自転車(のはらみさえ、しんのすけ)
- てゆーかハリケーン(C-chan&のはらしんのすけ)
- 野原が丘の戦い(みさえ、しんのすけ)
- こんな時こそ焼肉がある(のはら家オールスターズ)
- せんろはつづくよどこまでも(のはらしんのすけ、ひろし、みさえ) ※童謡のカバー
- おもちゃのチャチャチャ(のはらしんのすけ、ひろし、みさえ) ※童謡のカバー