クレヨンしんちゃん
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クレヨンしんちゃん | |
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ジャンル | ギャグ漫画 |
漫画 | |
作者 | 臼井儀人 |
出版社 | 双葉社 |
掲載誌 | 漫画アクション→まんがタウン |
連載期間 | 1990年夏 - 連載中 |
巻数 | 45冊 |
テレビアニメ | |
監督 | 本郷みつる→原恵一→ムトウユージ |
アニメーション制作 | テレビ朝日・シンエイ動画 |
放送局 | テレビ朝日 |
放送期間 | 1992年4月13日 - 継続中 |
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『クレヨンしんちゃん』 (Crayon Shinchan) は、臼井儀人の漫画、又、それを原作とするアニメ、アニメ映画。1990年夏に双葉社「週刊Weekly漫画アクション」で連載開始。現在は、「まんがタウン」、「jourすてきな主婦たち」(全て双葉社)で連載中。過去には「まんがタウンオリジナル」(まんがタウンと統合され、廃刊)にも連載。アメリカでも翻訳出版された。アニメはテレビ朝日系で1992年4月13日より放送されており、現在も放送中。日本国外でも放映されている。通称「クレしん」「しんちゃん」。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
主人公は、埼玉・春日部市(作者の居住地。アニメ版では春我部という架空の都市名が使われた事もある)に住む5歳の幼稚園児、野原しんのすけ。2003年10月同市の「イメージキャラクター」への採用が決定し、2004年4月6日には同市市制50周年記念事業の一環として、野原家が住民登録された(登録住所は春日部市双葉町904 ※この住所は実在しない。「双葉町」は双葉社に由来する)。野原家は埼玉県子育て応援団特別団員にも任命されている。また、「彩の国まごころ国体(2004年埼玉国体)」のイメージキャラクターにも起用されている。
舞台となる春日部市を走る東武鉄道ともタイアップをし、パスネットにキャラクターがデザインされたり、特急「きぬ」・「けごん」(スペーシア)に装飾を施した「クレヨンしんちゃん号」が運行されたりした。劇中にも実在する埼玉県内の地名が登場するほか、東武鉄道で繋がっている隣県の東京都・群馬県・栃木県、三重県観光協会の観光イメージアップキャラクターとなっている三重県の地名が出てくることもある(これはイメージアップキャラクターに指定された恩返しの意味もある)。
東武鉄道そのものも頻繁に出現し、しんのすけの父、ひろしも伊勢崎線~東京メトロ日比谷線で霞ヶ関へ通勤している(2006年4月28日「グータラ姉妹だゾ」にひろしの定期券が登場している)。登場人物名も埼玉県の地名、駅名からとったものが多い。
ちなみに、野原家の車のナンバーは「春日部58 ん53-09」で《こすり-まくる》という意味らしい(1996年10月7日「ついに新車を買ったゾ」)。車種はボディーラインなどからして日産・プリメーラ。
そのほか、ニッポンレンタカーやオロナイン液のCMにも起用されている。また、2006年4月から、中学3年公民の教科書・補助教材3つに使用されることになった。なかでも帝国書院は野原家の特性を活かし、「核家族の典型例」として、系図つきで正面から採りあげている。野原一家はオリコンによる理想のファミリーランキングで3位を獲得した[1]。
アニメ版にたびたび登場する、しんのすけの好物の菓子(原作ではコアラのマーチ)であるチョコビ(アニメの設定では109円)が実際にロッテより商品化され、1993年5月26日にチョコビ、ロイヤルチョコビ(アーモンド入り)が北海道・東北地区で発売された(7月12日から全国発売)。当時、明治製菓の「きのこの山」「たけのこの里」を抜いてチョコスナック市場でシェア1位となり[2]、発売から半年で20億円を売り上げるヒットになる[3]も2、3年で販売が打ち切られる。ただしこの「チョコビ」はロッテが独自に開発したピーナッツチョコレートに当時ブームになっていた「クレヨンしんちゃん」のタイアップをつけたもので、劇中のチョコビとは全く別物であった。オリオン[4]とバンダイ[5]からも発売されていたが、二種類とも違う形で余り似ていなかった。さらに、2006年3月にバンダイと東ハトのコラボレーション商品として発売されたもの[6]は、劇中のチョコビのパッケージ及び菓子の形状が出来る限り忠実に再現されているが、こちらのチョコビはビスケットではなくコーンスナックで、本来チョコビスケットの略である劇中のチョコビとは似ているが中身が違う。ただ、食べたときのサクサクという音は、劇中の効果音にそっくりである。
また、2005年には、漫画15周年を記念し、「クレヨンしんちゃん マンガ15th 元気大作戦」が開催されている。
なお、連載初期を中心に性行為を暗示する表現がよくみられたが、この漫画がもともと子供を対象としたものではなかったことがその背景にある(歴史の項参照)。現在ではアニメ放送を配慮してか、性行為を暗示する描写は殆どない。雑誌連載時の話のうち社会的に問題がある等と判断されたものがコミック収録から除かれるという、一部作品(例:ブラック・ジャックなど)でみられる処置はとられていない。
[編集] あらすじ
場所は埼玉春日部。幼稚園に通う5歳児、野原しんのすけとその周りの人々が活躍する。 しんのすけの破天荒な行動で皆は大慌て。その独創的過ぎる遊びや言葉遣いで家族や友達にツッコミを入れられていることも多い。
最初は父・ひろしと母・みさえの3人家族であった。後にしんのすけが野良犬のシロを拾う。さらにその後、妹・ひまわりが誕生。また最近(2006年)は叔母のむさえ(ニート状態)が居候するようになった(原作では、むさえは職を見つけて野原家を後にした)。
[編集] またずれ荘編
ガス爆発で野原家は全壊。しんのすけ達はアパート、またずれ荘で再建までの間暮らすこととなる。
アニメで爆発が起こった回は、原作を読んでいない視聴者を非常に驚かせた。これは『サザエさん』や『ドラえもん』といったファミリー向け長寿アニメでは殆ど見られない展開だからである(先述の作品では、先々の話にまで影響する程大きな急展開は起きない)。最終的には家はそっくり元通りに戻ったが、原作の後追いとは言えどもファミリーアニメでは類を見ない展開であったと言える。
[編集] 登場人物
登場人物についてはクレヨンしんちゃんの登場人物を参照。
以下は個別記事のあるもの。
[編集] 歴史
原作は元々、週刊漫画アクションに連載されていたことからもわかるように、成年向けの漫画であった。特に初期の作品ではかなり性的表現も多く、「プロレスごっこ」・「スキン」・「生理」等の単語が度々登場した。しかしファミリー向けとなっているテレビアニメの影響を受けてか、性的表現は徐々に薄くなっていった。現在も大人向けではあるが、男女共に楽しめるホームコメディへと路線変更されている。
なお原作者自身は、1997年の時点でかなり聖書を読み込み、その影響を受けており(婦人公論のインタビューによる)、あるいはその影響もあるかもしれない。中には特定の聖書箇所に直接関係する物語や、子供を主対象とした礼拝の説教例話にそのまま使えるような作品もある。
[編集] 漫画とアニメとの違い
[編集] 表記の違い
性的表現も違いのひとつであるが、漫画とアニメでは表記の違いがある。
野原家の住む街の名前は漫画や映画では実在する「春日部市(かすかべ)」だが、アニメでは「春我部市(かすがべ)」となっている。実際コミックスでも16巻までは「春我部」をとっていた。現在はすべて春日部で統一されており、埼玉の他の地名をつかったキャラクターも登場するようになる(アクション小学校の先輩鳩ヶ谷、北与野博士、アクションデパート迷子センターの越谷など)。
しんのすけの通っている幼稚園の名前は、漫画では「アクション幼稚園」であるが、アニメでは「ふたば幼稚園」、ひろしが勤務している会社の名前も、漫画では「アクション商事」、アニメでは「双葉商事」に変わっており(現在は、漫画でも「双葉商事」になっており、「アクション商事」は別に存在する事になっている)、「アクション」から「双葉」に変わっていることが多い(アクション仮面除く)。この「アクション」は双葉社出版の「週刊漫画アクション」、「双葉」は双葉社から来ていると思われる。
[編集] またずれ荘の住人の違い
原作とアニメではまたずれ荘の住人が異なる。原作では201号室に役津栗優、202号室に野原家、203号室に四郎、204号室にスーザン小雪(玄武岩男)、205号室ににがりや京助と汚田急痔(以下刑事)、206号室にオマタがそれぞれ住んでいるが、アニメでは201号室に四郎、202号室に野原家、203号室に役津栗優、204号室に刑事、205号室に屈底厚子・アツミ(206号室は空室)が住んでいて、四郎、役津栗優、刑事の部屋が異なるほか、スーザンとオマタの出番は最後までなかった。
また、トイレは、原作ではアパートに1つしかない共同トイレだが、アニメではちゃんと1部屋に1つ置かれている。
ほかにも役津栗優の読みが原作では「やくづくりゆう」、アニメでは「やくつくりゆう」になっており、大家の大屋主代はアニメでは「大家主代」になっていた。
またずれ荘の設計はアニメでは赤い屋根で木造なのだが、原作では青い屋根でコンクリート作りである。
[編集] キャラクターのデザインの違い
キャラクターのデザインが、原作とアニメでは異なるキャラクターがいる。たとえば、野原みさえは原作では黒髪だが、アニメでは茶髪である。また、石坂(よしなが)みどりは原作では黒髪に赤いリボンを結んでいるが、アニメでは茶髪に水色のリボンを結んでいる。また、大原ななこも原作では髪を染めているのに対し、アニメでは髪を染めていなかったり、顔も異なっており、キャラクターの印象がまるで変わってしまっている。他に、まつざか梅はアニメでは最近、髪が若干緑かかっている。さらに、しんのすけの服の色はアニメでは赤いトレーナーに黄色の短パンだが、原作では山吹色のトレーナーに紫っぽい短パンである。また、アニメでは靴下を履いているが、原作では靴下を履いていない。ちなみに、原作でも4、5巻あたりまで、履いていた。しかも、アニメでは靴は黄色だが、原作では紫になっている。
[編集] アニメ映画
[編集] ゲーム
- ファミリーコンピュータ
- クレヨンしんちゃん オラとポイポイ(1993年8月27日、バンダイ)
- スーパーファミコン
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ園児(1993年7月30日、バンダイ)
- クレヨンしんちゃん2 大魔王の逆襲(1994年5月27日、バンダイ)
- スーファミターボ
- クレヨンしんちゃん 長ぐつドボン(1996年9月27日、バンダイ)
- プレイステーション
- クレヨンしんちゃん オラとおもいでつくるゾ(2001年11月29日、バンダイ)
- ゲームボーイ
- クレヨンしんちゃん ”オラとシロはお友達だよ”(1993年4月9日)
- クレヨンしんちゃん2 ”オラとわんぱくごっごだゾ”(1994年5月27日)
- クレヨンしんちゃん3 オラのごきげんアスレチック(1994年3月26日)
- クレヨンしんちゃん4 ”オラのいたずら大変身”(1994年8月26日)
- クレヨンしんちゃん オラのごきげんコレクション(1996年12月2日)
- ゲームボーイアドバンス
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ シネマランドの大冒険!(2004年4月16日、バンプレスト)
- クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ オマケの都ショックガーン!(2006年3月23日、バンプレスト)
- Wii
- クレヨンしんちゃん最強家族カスカベキングうぃ~(2006年12月2日、バンプレスト)
[編集] 中国での商標問題
この節には、現在進行中のことを扱っている文章が含まれています。
1997年、中国の企業数社がクレヨンしんちゃんの絵柄や中国語名「蠟筆小新(ラービィシャオシン)」で商標を登録したため、中国国内でのクレヨンしんちゃんのキャラクターグッズの販売が出来なくなる問題が発生している。
2004年に双葉社が衣料品などのグッズを中国で販売したところ、公式商品にも関わらず商標登録の影響で「コピー商品」として店頭から撤去される事態が発生したと報じられたが、双葉社は「中国ではしんちゃんグッズを販売できないという異例の事態になっている、とありますが、これも事実とは違います。中国でしんちゃん関連グッズは2002年1月に単行本の正規版を発行したのを手始めに、数アイテムのしんちゃん関連グッズを販売していますし、これからも新たに数アイテムを販売する予定です」とその報道は間違いであると発表した。
2005年1月双葉社は、第三者の商標登録が有効であるとした行政の判断は間違っているとして、中国の行政を相手に北京で行政訴訟を起こしたが、2006年9月に中国の北京市第1中級人民法院は訴えを退けた。この判決を受け、双葉社は北京市高級人民法院に控訴した[7]。
[編集] 脚注
- ↑ マンガ、ドラマに登場する理想のファミリーランキング! オリコン
- ↑ 日経産業新聞1993年9月3日付
- ↑ 日経流通新聞1993年11月23日付
- ↑ クレヨンしんちゃんシリーズ オリオン
- ↑ おっ!チョコビ バンダイ
- ↑ チョコビ バンダイ
- ↑ 「しんちゃん」商標、中国で控訴 FujiSankei Business i.
[編集] 関連項目
- 春日部市(埼玉県)
- 春日部駅
- 東武伊勢崎線
- 東武野田線 - ひろしの両親の住む秋田県とつながるJR東日本東北新幹線(秋田新幹線)大宮駅を結ぶ(大宮駅はアニメに登場)。
- 大仙市(旧大曲市、秋田県) - ひろしの故郷。
- 戸田公園駅 - みさえの友人であるおケイが住んでいるマンションの最寄り駅。
- 東武100系電車 - 「クレヨンしんちゃん」の装飾が施された。