近鉄湯の山線
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湯の山線(ゆのやません)は、三重県四日市市の近鉄四日市駅から三重県三重郡菰野町の湯の山温泉駅までを結ぶ近畿日本鉄道の鉄道路線。
鈴鹿山脈の麓の名湯、湯の山温泉や御在所山への観光路線である。
ローカル線の加算運賃が適用されている。
湯の山線ではスルッとKANSAIカード及びJスルーカードは利用できないが、2007年中にPiTaPaの利用が可能となる予定。しかし近鉄四日市駅を除く湯の山線の各駅には簡易改札機を設置して対応する予定である。
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[編集] 路線データ
全線、名古屋輸送統括部(旧名古屋営業局)の管轄である。
[編集] 運行形態
かつては湯の山特急が大阪難波・名古屋から湯の山温泉駅まで直通運転されていたが、のちに近鉄四日市~湯の山温泉間だけの運転となり、さらに休日のみ運転に縮小されたのち、2004年3月のダイヤ変更で全廃された。
現在は線内折り返しでワンマン運転の普通列車のみが、四日市、湯の山各方面に主に朝夕10~15分、昼間20分に一本のヘッドで運行されている。
[編集] 使用車両
[編集] 歴史
四日市鉄道が1913年に軌間762mmの軽便鉄道として開業させた。のちに国鉄の四日市駅まで延伸されるが、現在の近鉄名古屋線の前身である伊勢電気鉄道の桑名延伸に伴い、四日市~諏訪(現在の近鉄四日市)間を1927年度に廃止した。
以後、三重交通、三重電気鉄道を経て1965年に近畿日本鉄道の路線となった。三重電気鉄道時代の1964年に標準軌に改軌、架線電圧を1500Vに昇圧し、近鉄名古屋線と直通運転を開始している。
- 1913年(大正2年)6月1日 四日市鉄道が川島村(現在の伊勢川島)~湯ノ山(現在の湯の山温泉)間を開業。
- 1913年(大正2年)9月24日 諏訪~川島村間が開業。
- 1916年(大正5年)3月3日 四日市~諏訪間が開業。
- 1921年(大正10年)11月1日 四日市~湯ノ山間が電化。
- 1927年(昭和2年)11月29日 四日市~諏訪間が廃止。伊勢電気鉄道へ譲渡。
- 1928年(昭和3年) ガソリン気動車のジ41形(日本車輌製)使用開始。
- 1931年(昭和6年)3月1日 四日市鉄道が三重鉄道に吸収合併され、三重鉄道となる。
- 1941年(昭和16年)2月 松本村駅を伊勢松本駅に改称。
- 1944年(昭和19年)2月11日 三重鉄道ほか6社が合併し、三重交通が発足。内部・八王子線と合わせて三重線となる。
- 1954年(昭和29年)7月 川島村駅を伊勢川島駅、桜村駅を桜駅に改称。
- 1956年(昭和31年)9月23日 名古屋線四日市付近経路変更に伴い、諏訪~中川原間が廃止、近畿日本四日市(現在の近鉄四日市)~中川原間の新線が開業。
- 1964年(昭和39年)2月1日 三重交通が鉄道事業を三重電気鉄道に分離譲渡。
- 1964年(昭和39年)3月23日 軌間を762mmから1435mmに改軌。架線電圧を1500Vに昇圧。近鉄名古屋線の列車が三重電気鉄道湯の山線に乗り入れ開始。大羽根園駅開業。
- 1965年(昭和40年)4月1日 近畿日本鉄道が三重電気鉄道を合併。
- 1965年(昭和40年)7月15日 名古屋線・大阪線直通の特急運転開始。
- 1968年(昭和43年)10月17日 ATS使用開始。
- 1970年(昭和45年)8月1日 湯の山駅を湯の山温泉駅に改称。
- 1998年(平成10年)3月17日 名古屋線・大阪線直通の特急列車廃止。
- 2004年(平成16年)3月18日 線内で運転されていた特急廃止。
[編集] 駅一覧
- 普通列車のみ運転、全列車が各駅に停車
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
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近鉄四日市駅 | 0.0 | 近畿日本鉄道:名古屋線・内部線 | 三重県 | 四日市市 |
中川原駅 | 1.7 | |||
伊勢松本駅 | 2.8 | |||
伊勢川島駅 | 5.3 | |||
高角駅 | 6.7 | |||
桜駅 | 8.7 | |||
菰野駅 | 11.3 | 三重郡 菰野町 |
||
中菰野駅 | 12.6 | |||
大羽根園駅 | 13.5 | |||
湯の山温泉駅 | 15.4 |