西武新宿線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新宿線(しんじゅくせん)は、東京都新宿区の西武新宿駅と埼玉県川越市の本川越駅とを結ぶ西武鉄道の鉄道路線である。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離(営業キロ):47.5km
- 軌間:1067mm
- 駅数:29駅(起終点駅含む)
- 複線区間:西武新宿駅~南大塚駅~脇田信号所(46.6km)
- 単線区間:脇田信号所~本川越駅(0.9km)
- 電化区間:全線(直流1500V架空電車線方式)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 最高速度:120km/h
[編集] 歴史
新宿線は、歴史的に川越鉄道が1895年(明治28年)に全通させた国分寺駅~川越駅間の一部(東村山駅以遠)と川越鉄道の後身である西武鉄道(旧)が1927年(昭和2年)に開業した東村山駅以東の区間に大別することができる。新宿線全通当初の都心側ターミナルは高田馬場駅であったが、戦後、国鉄新宿駅への乗り入れを目論み現在の西武新宿駅の位置まで路線を延伸したものの果たすことができなかった。新宿マイシティ(現・ルミネエスト)の2階には西武新宿線の新宿駅が出来る予定だったため、天井の高さなどにその遺構を見る事が出来る。
2005年(平成17年)に西武鉄道と東京地下鉄は、新宿線内から東京地下鉄東西線高田馬場駅に線路を新設し相互乗り入れすることで協議を始めることに合意した(公式発表ではない)。2007年以降都市鉄道等利便増進法対象プロジェクト化、工期7年での建設を目指しており、実現すれば高田馬場駅での乗り換えなしに新宿線沿線から山手線の内側に行き来ができることから利便性が大幅に高まる。
- 1894年(明治27年)12月21日 川越鉄道川越線国分寺駅~久米川(仮)駅間(8.0km)開業(非電化)。
- 1895年(明治28年)3月21日 久米川(仮)駅~川越駅(現在の本川越駅)間(21.7km)開業(非電化)。
- 1927年(昭和2年)4月16日 東村山駅~川越駅間電化(直流1500V)。
- 1927年(昭和2年)4月19日 村山線高田馬場(仮)駅~東村山駅間(23.7km)開業。
- 1928年(昭和3年)4月15日 高田馬場駅~高田馬場(仮)駅間(0.5km)開業。
- 1952年(昭和27年)3月25日 西武新宿駅~高田馬場駅間(2.0km)開業。新宿線に改称。川越線東村山駅~本川越駅間を新宿線に編入。
- 1976年(昭和51年) 休日に限り西武新宿駅~西武秩父駅間直通の「おくちちぶ」号、西武新宿駅~所沢駅間「むさし」号運行開始(こちらも参照のこと)。
- 1977年(昭和52年) 現在の地上25階建て西武新宿駅新駅ビル・駅舎完成。同年、西武鉄道としては初代401系以来久々となる4ドア車の2000系が登場。
- 1993年(平成5年) ダイヤ改正で新宿線特急の運転系流の見直し。従来の休日のみの運行の「おくちちぶ」号・「むさし」号を廃止。毎日運転で西武新宿駅~本川越駅間の「小江戸」号運行開始。
- 1995年(平成7年)9月1日 西武新宿駅~上石神井駅間の特別減算運賃開始(基本運賃200円を170円に値下げ)。
- 1997年(平成9年)12月28日 西武新宿駅~上石神井駅間の特別減算運賃再実施(170円を190円に値上げ)。
- 1998年(平成10年)3月 ダイヤ改正でこれまで休日のみの運転で行楽急行として走ってきた休日の西武新宿駅~西武園駅・西武遊園地駅間の快速急行を廃止。快速急行はこれ以降、平日日中のみの運転の快速急行川越号になり、休日の行楽急行は快速急行を格下げ、急行に統一され、西武園駅行きは廃止、国分寺駅~西武遊園地駅間の準急はこれ以降、各駅停車に変更され、ワンマン運転となった。
- 2000年(平成12年)2月20日 西武鉄道としては4年ぶりとなる新車、20000系が新宿線から定期営業運転開始(前年に試運転された)。
- 2002年(平成14年)4月1日 西武新宿駅~上石神井駅間の特別減算運賃(190円)の終了に伴い基本運賃(200円)に戻す。
- 2006年(平成18年)9月24日 新運行管理システムの本格稼働開始。
[編集] 運転
新宿線は、西武新宿駅~本川越駅間を軸に終日にわたり急行と普通が拝島線との直通運転を実施しているほか、平日朝ラッシュ時を中心に多摩湖線西武遊園地駅方面との直通急行を設定している。土休日は多摩湖線への行楽用の直通急行、西武園競輪開催時には、西武園線西武園駅からの臨時急行を随時運転している。なお、1998年3月まで西武新宿駅からの西武園駅行き快速急行の設定があった。
また、2003年3月から日中には東村山駅~新所沢駅間に国分寺線からの直通列車が設定されている。
西武ドームでプロ野球が行われる日は、所沢駅から池袋線を経由して狭山線との直通運転が実施される。
運転される列車種別は、下記のとおりであるが、基本的に途中駅まで急行運転し、以遠が各駅停車となる典型的な郊外電車型の運転形態である。
車両基地は、上石神井と南入曽、拝島線の玉川上水に設置されている。
[編集] 列車種別
停車駅は駅一覧に記載。
[編集] 現在の種別
- 普通
- 各駅に停車する。全線を運転する列車の他、上石神井駅、田無駅、新所沢駅までの区間列車、玉川上水駅、拝島駅への拝島線直通列車が運転される。一部を除き8両編成で運転される。そのため各駅停車しか止まらない駅の長さは8両が止まれる分しかない。平日早朝のみ、上石神井駅始発の前6両拝島駅、後4両多摩湖線直通西武遊園地駅行きという設定もある。
[編集] 廃止された種別
- 快速
- 1993年から2001年12月のダイヤ改正まであった種別。朝ラッシュ時上りのみの設定で拝島駅・西武遊園地駅~西武新宿駅間に9本運転。停車駅は田無までの各駅・鷺ノ宮・高田馬場・西武新宿であった。
[編集] 新たな相互直通運転路線の新設
西武鉄道と東京地下鉄は、西武新宿線内(地図上から見れば下落合駅付近)から東京地下鉄東西線高田馬場駅に連絡線を新設し相互乗り入れする事で協議を始める事に合意した。2007年以降に都市鉄道等利便増進法対象プロジェクト化、工期7年での建設を目指しており、実現すれば高田馬場駅での乗り換えなしに西武新宿線沿線から山手線の内側に行き来ができる事から利便性が大幅に高まる。 今のところ、中央・総武緩行線や東葉高速線との相互直通運転に関しては計画されていない。
[編集] キロポストについて
新宿線では、距離を示すキロポストが起点である西武新宿駅から終点の本川越駅に向かって打たれているわけではなく、3区間に分かれて打たれている。これは歴史的な経緯によるもので、キロ数が増える方向も下り方と上り方が混在している。その区間は、
- 高田馬場駅→西武新宿駅
- 高田馬場駅→東村山駅
- 本川越駅→東村山駅→国分寺線国分寺駅
おおむねこの3つに分かれる。
- は、戦後に高田馬場駅から西武新宿駅まで延伸されたため、既に0kmポストがある高田馬場駅を起点に上り方向に打たれたものである。高田馬場駅ホームの下り方終端部に0kmポストが置かれ、西武新宿駅の終端付近に2kmポストが存在する。
- は、旧西武鉄道開業時に打たれたが、既に東村山駅から本川越駅まではポストが打たれていたので、合流地点の東村山駅付近で打ち止めとしたものである。1.と同じく高田馬場駅ホームの下り方終端部の0kmポストを起点とし、通常通り下り向きに打たれている。ただし終端については東村山駅構内で打ち止めとはならず、所沢駅の南側で池袋線をアンダークロスする地点で打ち止めとされている。この地点には終端を示す標識が下り方面に向かって左側の切り通し上に立てられ、26.472kmを示している。
- は、旧川越鉄道時代に打たれたもので、本川越駅を0kmとして上下が逆に打たれ、東村山駅からは国分寺線へ連続して打たれている(このため国分寺線のキロポストは全て本川越駅からの通算距離を示す)。ただし本川越駅の0kmポストは駅改良工事などの関係で現存しておらず、実際のポストは0.3kmからとなっている。また、名目上は本川越駅~東村山駅~国分寺駅と連続しているが、実際には所沢駅南側の19.5kmポストから東村山駅構内まで一旦ポスト打ちが中断されている。この中断の開始地点は2.の高田馬場駅起点のキロポストが打ち止めとなる地点のすぐそばにあたり、わずかな区間重複するものの、実質的にここで交替が行われているといってよい。
[編集] 女性専用車
平日朝7:30~9:30に西武新宿駅に到着する上り急行・通勤急行・準急の進行方向先頭車両(実施区間は全区間)
[編集] 駅一覧
強調文字の駅には始発終着の列車が存在する(2006年3月18日現在)
駅名 | 駅間 キロ |
累計 キロ |
各駅 停車 |
準急 | 急行 | 通勤 急行 |
快速 急行 川越号 |
特急 小江戸号 |
接続路線・備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
西武新宿駅 | - | 0.0 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 東京地下鉄:○丸ノ内線(新宿駅:M-08) 都営地下鉄:○大江戸線(新宿西口駅:E-01) (※連絡運輸のみ記載) |
東京都 | 新宿区 |
高田馬場駅 | 2.0 | 2.0 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 東日本旅客鉄道:山手線 東京地下鉄:○東西線(T-03) |
||
下落合駅 | 1.2 | 3.2 | ● | | | | | ↑ | | | | | |||
中井駅 | 0.7 | 3.9 | ● | | | | | ↑ | | | | | 都営地下鉄:○大江戸線(E-32) | ||
新井薬師前駅 | 1.3 | 5.2 | ● | | | | | ↑ | | | | | 中野区 | ||
沼袋駅 | 0.9 | 6.1 | ● | | | | | ↑ | | | | | |||
野方駅 | 1.0 | 7.1 | ● | | | | | ↑ | | | | | |||
都立家政駅 | 0.9 | 8.0 | ● | | | | | ↑ | | | | | |||
鷺ノ宮駅 | 0.5 | 8.5 | ● | ● | ● | ● | | | | | |||
下井草駅 | 1.3 | 9.8 | ● | | | | | ↑ | | | | | 杉並区 | ||
井荻駅 | 0.9 | 10.7 | ● | | | | | ↑ | | | | | |||
上井草駅 | 1.0 | 11.7 | ● | | | | | ↑ | | | | | |||
上石神井駅 | 1.1 | 12.8 | ● | ● | ● | ● | | | | | (上石神井車両基地併設) | 練馬区 | |
武蔵関駅 | 1.3 | 14.1 | ● | ● | | | ↑ | | | | | |||
東伏見駅 | 1.2 | 15.3 | ● | ● | | | ↑ | | | | | 西東京市 | ||
西武柳沢駅 | 1.0 | 16.3 | ● | ● | | | ↑ | | | | | |||
田無駅 | 1.3 | 17.6 | ● | ● | ● | ● | ● | | | |||
花小金井駅 | 2.3 | 19.9 | ● | ● | ● | ↑ | | | | | 小平市 | ||
小平駅 | 2.7 | 22.6 | ● | ● | ● | ↑ | | | | | 西武鉄道:拝島線(直通運転) (拝島線拝島駅・拝島線経由多摩湖線西武遊園地駅まで直通運転) |
||
久米川駅 | 2.0 | 24.6 | ● | ● | ● | ↑ | | | | | 東村山市 | ||
東村山駅 | 1.4 | 26.0 | ● | ● | ● | ● | | | | | 西武鉄道:国分寺線、西武園線 | ||
所沢駅 | 2.9 | 28.9 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 西武鉄道:池袋線 | 埼玉県 | 所沢市 |
航空公園駅 | 1.6 | 30.5 | ● | ● | ● | ↑ | | | | | |||
新所沢駅 | 1.2 | 31.7 | ● | ● | ● | ● | ● | | | |||
南入曽信号所 | 2.0 | 33.7 | - | - | - | - | - | - | 南入曽車両基地分岐線 | 狭山市 | |
入曽駅 | 1.9 | 35.6 | ● | ● | ● | ↑ | | | | | |||
狭山市駅 | 3.0 | 38.6 | ● | ● | ● | ● | | | ● | |||
新狭山駅 | 2.7 | 41.3 | ● | ● | ● | ↑ | | | | | |||
南大塚駅 | 2.6 | 43.9 | ● | ● | ● | ↑ | | | | | 西武鉄道:安比奈線(貨物線・休止中) | 川越市 | |
脇田信号所 | 2.7 | 46.6 | - | - | - | - | - | - | |||
本川越駅 | 0.9 | 47.5 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 東日本旅客鉄道:川越線(川越駅) 東武鉄道:東上線(川越駅、川越市駅) (※但し、東日本旅客鉄道・東武鉄道ともに連絡運輸ではない) |
- 凡例
- ●:停車
- |:通過
- ↑:上り方向通過(通勤急行のみ)