菊名駅
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菊名駅(きくなえき)は、横浜市港北区菊名七丁目1番1号にある東日本旅客鉄道(JR東日本)及び東京急行電鉄の駅である。
目次 |
[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅構造
[編集] JR東日本
横浜線のホームは、島式1面2線の盛土上にある。
のりば
1 | ■横浜線 | 東神奈川・横浜・大船方面 |
2 | ■横浜線 | 新横浜・町田・八王子方面 |
- 快速電車との問題
- 1988年3月13日のダイヤ改正により、横浜線に快速電車が登場したが、当駅は東横線との乗換え駅で利用者が多い(横浜線では、新横浜駅~菊名駅間が利用者の一番多い区間である)にも拘らず、2006年3月17日まで通過駅であったため、周辺住民や利用者からJRへのクレームがあり、JR側はこの問題を受け入れ、18年間という長い月日を経て2006年3月18日のダイヤ改正から快速停車駅となり、新幹線利用者には格段に便利になった。
なぜ菊名駅に快速が止まらなかったのか、いろいろ説はあるが、快速が登場した当時、横浜駅から新横浜駅まで10分で結ぶというのが目標であり、これを達成するために菊名駅を通過させた、という説が有力である。 しかしながら、かつて東急とは競合関係にあったため停車させなかったという説もある(快速登場当初、田園都市線との接続駅である長津田駅も通過であったことからも裏付けられる)。
菊名駅の改札口・乗換え口は東神奈川駅寄りのみにある。横浜線のホームから階段を下りると、左側がJR横浜線の出口(西口側)で右側が東横線の連絡改札口になっている。駅の改良をしない理由は幾つかある。
以上のことから、神奈川県内のJRの駅は、菊名駅のように混雑しても、手付かずのままになっている。
[編集] 東京急行電鉄
- 東横線のホームは島式2面4線の地上駅で全列車が停車する東横線の主要駅である。かつて特急運転開始前は主に日吉駅で終日緩急接続を主に行っていたが、2001年3月28日の特急運転開始後は主に自由が丘駅と当駅で終日緩急接続を行っている。ホームはJRからの連番により3~6番線が割り振られており、東横線と相互直通運転している日比谷線が日中を除き当駅まで乗り入れている。2008年3月からは、目黒線日吉延伸開業により、日比谷線の乗り入れが終日菊名駅までの運行になる。
- 特急電車の利用で渋谷駅までは最短18分で運行している。
- 改札口及び横浜線乗換え口は8号車(横浜寄り)付近に1か所あるのみ。2005年7月25日から東横線に導入された女性専用車両が8号車であり、その結果、7号車の混雑が極めて著しくなり、男性利用客からクレームが殺到した(いわゆる「菊名問題」)ため、翌2006年7月18日から女性専用車両を8号車から5号車に変更した。
のりば
3 | ■東横線(待避線) | 横浜・(みなとみらい線)元町・中華街方面 |
4 | ■東横線(本線) | 横浜・(みなとみらい線)元町・中華街方面 |
5 | ■東横線(待避線・日比谷線直通) | 武蔵小杉・自由が丘・渋谷・(日比谷線)北千住方面 |
6 | ■東横線(本線) | 武蔵小杉・自由が丘・渋谷方面 |
[編集] 東横線菊名駅の特徴
緩急接続時は下り、3番線が各駅停車、4番線が特急、通勤特急、急行であり、上りは、日比谷線直通電車が走らない時間帯は主に、5番線が各停が停車し、6番線は特急、通勤特急、急行の優等列車が使用している(試運転のダイヤの関係上、日中の一部の列車を除く)。特急が登場する以前は5番線が本線で6番線が待避線だったが、特急運転開始後は6番線が本線に切り替えられている(これは横浜寄りの駅手前カーブ通過時、6番線の方が揺れが少なく走行できるようにポイントが改良された事と日比谷線の出庫で5番線を使用するためである)。
- ※一部の緩急接続をしない各駅停車は、4・6番線の本線を利用している。
- 横浜方に引き上げ線のY形式があり、基本的に日比谷線直通電車の折り返しに使用されているが、一部の列車は東横線の折り返しや回送列車・試運転列車と深夜時の留置にも使用している。また引き上げ線の他、4・5番線にも東横線が深夜留置されている。このため菊名駅での滞白する列車は3本存在する。引き上げ線へは4・5番線から入線が可能。また日比谷線直通電車が入庫の際に下り線の4番線を使用するため、後続列車は一部待避しない列車でも3番線の待避線を使用する。このため3~6番線のいずれにも全ての種別の列車が入線する。
- 平成3年頃まで渋谷方ホーム脇に踏切(大倉山3号踏切)があり、東横線20m車両7両分(ホーム長さは150M弱)しかホームが無かった。このため1号車のみ踏切を越えた所で停車していたため、渋谷方の1両は扉非扱いの駅であった。日比谷線直通電車は18m車のため8両編成(144M程)全てがホーム内に停車できた。また朝、夕などは急行を待避する各駅停車が4~5分程停車するため、ラッシュ時には1時間あたり50分程度は遮断竿が上がらず、駅の脇を通る一方通行道路は大渋滞になっていた。この問題を解消するため、1991年以降は菊名~大倉山間の一部が高架化され、踏切3か所(大倉山1号~3号踏切)を廃止し、地上線時代に存在していた渋谷方に在った渡り線も同時に撤去されている。踏切が廃止され綱島街道方面に向かう車は渋谷方のかつて大倉山2号踏切(現在のサミットストア付近)があった場所から高架下を潜って出られる構造になっており、かつての大渋滞は解消されている。
- 渡り線の使用
かつて菊名~大倉山間が地上を走っていた際は渋谷方に渡り線が存在し、下りホーム3・4番ホームに、上り渋谷方面用の出発信号機が設置されており、時折3番線から当駅~元住吉駅間の試運転と菊名~桜木町間が不通になった時にこの渡り線を使い渋谷方面に折返していたが、平成3年の菊名~大倉山間の一部高架化に伴い廃止された。このため折り返す列車は全て引き上げ線を使用する。
[編集] 利用状況
- JR東日本
- 1日あたり乗車人員: 45,783人(2005年度、JR東日本第93位)
- 東京急行電鉄
- 1日あたり乗降人員: 114,036人(2004年度、東横線内第6位)
- 1日あたり乗車人員: 58,927人(2004年度)
画像からわかるように、JR・東急ともに近年は増加傾向にある。これは、東急線の利便化と新横浜駅の新幹線増発による利便性向上などが考えられる。さらに2006年3月には菊名駅快速停車や2006年9月には東横線のさらなる輸送力アップのダイヤ改正があったことから、今後しばらくは増加傾向にあると見られる。
[編集] 駅周辺
菊名も参照のこと。 駅は東横線を境に東口と西口があり、西口にはJRの出入口がある。駅周辺の道路は非常に狭く、バス、タクシーなどのターミナルはおろか、駅前広場もない。
もともと、東横線開通当時の駅予定地は現在地よりも横浜寄りであり、駅を中心とした放射線状の道路に東京横浜電鉄(現:東京急行電鉄)が田園調布・日吉と並ぶ住宅地「篠原学園都市」を開発する構想があったが、横浜線との乗り継ぎを考え、駅を計画地より若干渋谷寄りに開設した。
その名残りが、現在の錦が丘ロータリーである。
駅周辺はこじんまりとしていて閑静な住宅地になっている。大規模なスーパーや商店街はないが、それが逆に静かで住みやすいという評判になっているのだろう。
[編集] 駅コンコース内
JRと東急線の連絡駅であり、連絡通路は通勤、通学の乗換えで利用者が非常に多い。また、新横浜にある横浜アリーナ・日産スタジアム等の大規模催事の際は東横線から横浜線への流れも多く、平日の通勤、通学よりも更に混雑し、連絡通路及び改札口は乗り換え客でごった返す。乗り換えターミナルなのだが新横浜の開発が進むにつれ、毎年混雑が酷くなっていく。
駅は拡張を迫られているが駅周辺が狭い為、改良の余地がない。最近ではJRの駅を地下に、という話もでてきている。
[編集] 出口・東口
港北区菊名三丁目~菊名六丁目 鶴見区上の宮一丁目・上の宮二丁目方面
駅前は南から北に向かう一方通行。全体的にマンションが多い。
臨港バスの菊名駅前バス停は駅前に、横浜市営バスの菊名駅前バス停は駅から北に200mほど離れた所(芝信用金庫の前)にある。またタクシー乗り場は臨港バス停手前にある車1台分が停車出来るスペースを利用している。
[編集] 出口・西口
港北区大豆戸町・錦が丘・篠原北一丁目・篠原北二丁目方面
駅前は北から南に向かう一方通行。全体的に一戸建て中心の閑静な住宅地が広がる。
バス路線はない。横浜線の駅入口はこちら側にある。
ファーストフード店などはなく、また駅前商店街もシャッター通りと化している。
[編集] 店舗・施設
スーパー
コンビニエンスストア
- セブン-イレブン
- ★横浜菊名店
- 横浜菊名駅前店(共に西口)
- ローソン港北錦が丘店(西口)
- ファミリーマート菊名駅東口店(東口)
- ★サンクス横浜菊名店(東口より綱島街道沿いに約500m。上記サミットストア菊名店の斜め前)
- ★キューズマート(99円ショップ)港北菊名店(西口)
飲食店
- カフェ・クーパー 菊名駅東口
- サンロード 菊名駅東口
飲食店(チェーン)
- マクドナルド菊名駅前店(東口)
- 松屋菊名店(東口)
- ジョナサン菊名駅前店(西口)
- 牛角菊名店(東口)
- 笑笑菊名西口駅前店(西口)
- つぼ八菊名西口店(西口)
- カフェ・コロラド菊名店(西口)
- ラーメン花月菊名店(東口)
銀行・郵便局
- 横浜銀行
- 菊名支店(東口)
- 菊名支店菊名駅西口出張所(西口。ATMのみ)
- みずほ銀行
- 横浜駅前支店菊名出張所(東口)
- 横浜駅前支店菊名駅西口出張所(西口ジョナサン横。ATMのみ)
- 芝信用金庫菊名支店(東口。港北区唯一)
- ★港北郵便局(東口。綱島街道沿いに約700m。郵便窓口は24時間オープン)
- 神奈川菊名郵便局(東口駅前)
学校
- ★高木学園女子高等学校
- ★横浜市立菊名小学校(周辺は住宅街である)
- ★菊名ドライビングスクール(旧菊名自動車学校。県内に5校ある教習所福澤モータースクールになる)
- 横浜市医師会看護専門学校(記念病院隣り)
その他
- ★横浜市立港北図書館
- 菊名山蓮勝寺
- 菊名神社
- 本乗寺
- 菊名記念病院
- 菊名愛児園
- TSUTAYA菊名店(東口)
周辺道路
- 綱島街道(東口)
- 周辺商店街
[編集] 路線バス
- 菊名駅前(東口)
- 鶴01系統は当停留所始発でもあり、かなりの利用者が多く、過密に運行している。
- また通勤・通学・帰宅時間帯の一部は混雑し、2階の東急線改札口付近まで並ぶ事もある。
系統番号 | 主な経由地 | 行き先 | 運行会社 |
---|---|---|---|
鶴01 | 内路・馬場町・東寺尾 | 鶴見駅西口 | 川崎鶴見臨港バス鶴見営業所 |
- 菊名駅前(綱島街道・浦島丘方面)のりば
系統番号 | 主な経由地 | 行き先 | 運行会社 |
---|---|---|---|
41 | 内路・東高校前・安養寺前 | 鶴見駅西口 | 横浜市営バス港北営業所 |
59 | 港北小学校前・浦島丘・東神奈川駅前 | 横浜駅西口 | 横浜市営バス浅間町営業所 |
- 菊名駅前(綱島街道・綱島方面)のりば
系統番号 | 主な経由地 | 行き先 | 運行会社 |
---|---|---|---|
41 | 大倉山駅前・新羽駅・新開橋 | 川向町 | 横浜市営バス港北営業所 |
41 | 新菊名橋・港北車庫・横浜アリーナ前 | 新横浜駅・港北車庫 | 横浜市営バス港北営業所 |
59 | 港北区総合庁舎・太尾町・大曽根町 | 綱島駅 | 横浜市営バス浅間町営業所 |
- 深夜バスの川向町行はバス料金が通常の2倍(大人¥420)なので注意。
※バス乗り場は全て東口にある。ただし、横浜市営バスの乗り場は芝信用金庫の前にあり、東口から200m程歩く。
[編集] 歴史
- 1926年(大正15年)2月14日 東急東横線菊名駅開業。
- 1926年(大正15年)9月1日 国鉄横浜線菊名駅開業。
- 1966年(昭和41年)9月?日 国鉄線を経由し東急車両の搬入を菊名駅で行っていたが、長津田駅に移行され、これにより、国鉄横浜線と東急東横線の連絡線が撤去される。
- 1972年(昭和47年) 東急の駅舎改築により橋上駅舎化。この際に2面4線化され引上線も完成する。特に引き上げ線は1988年日比谷線が乗り入れるまで、非常時以外はほとんど使用されず、時々レールの錆取りなどに回送列車などが使用していた。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化により横浜線はJR東日本の駅となる。駅の管理は引き続き東急が行う。
- 1988年(昭和63年)3月13日 JR横浜線、全線複線化により、快速運転を開始(東横線との連絡駅であるが、当初は快速通過駅であった。)
- 1988年(昭和63年)8月9日 営団地下鉄日比谷線直通区間が日吉駅改良工事に伴い菊名駅まで延伸される。また大幅にダイヤが改正されかつては、平日の朝のみしか緩急接続をしていなかったが、夕方、夜間にも急行の待避をするようになった。
- 1991年(平成3年)菊名駅~大倉山駅が一部高架化される。また東横線は8両編成だが、かつては踏切がホーム脇にあったため20m車7両分のホームしか停車出来なかった。高架化された後、東横線のホーム1両分が渋谷方に延伸され、東横線は全8車両の扉から乗降可能になった。
- 1994年(平成6年)両線のキセル乗車が多かったため、横浜線と東横線の乗換え通路途中に連絡自動改札口が設置される。これと同時に東日本旅客鉄道(横浜線)の駅舎も同時に完成する。
- 1997年(平成9年)3月25日東横線は渋谷駅~菊名駅間でATC信号を設置。
- 2001年(平成13年)3月28日 東横線で特急運転開始。特急が登場する以前は、日吉で頻繁に急行の待避を行っていたが、特急が加った事でこの日よりダイヤが大幅に改正された。また日吉駅での待避はごく僅かになり、自由が丘駅と菊名駅の2駅で頻繁に特急、急行の待避を行う事になった。
- 2003年 (平成15年)3月19日 東横線で通勤特急運転開始。
- 2004年(平成16年)1月31日 東横線、横浜駅~桜木町駅間廃止に伴い当初から渋谷駅~菊名駅間でATC運転を行っていたが、渋谷駅~横浜間の東横全線でATC信号に切り替わる。またみなとみらい線開業は翌日の2月1日であり、この日限り、特急、急行は横浜行で運行。また1月31日は土曜日だったため、休日運転により通勤特急は運転されなかった。(下りの案内放送も特急、急行などはこの電車は横浜まで止まりませんのでご注意下さいと放送された。)※各停は2月1日より深夜に1本横浜行がある。
- 2006年(平成18年)3月18日 横浜線の快速停車駅に菊名駅を追加。これにより横浜線と東横線の定期列車全てが停車となる。特に東横線沿線→新幹線や横浜線沿線→元町・中華街方面への乗換えが格段と便利になる。