第58回プライムタイム・エミー賞
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第58回プライムタイム・エミー賞(The 58th Primetime Emmy Awards)は、2006年8月27日にロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで行われた。クリエイティブ・アート部門は同年の8月19日である。
テレビ中継はNBCが担当(日本ではAXNでその模様を後日放送)し、4年ぶりのホスト局となる。例年の9月より早まっているのは、今年からNBCでは日曜日に「NBCサンデーナイトフットボール」の中継があるためである。司会はコメディアンのコナン・オブライエン。また、クリエイティブ・アート部門の模様はE!で8月26日より2時間の特別番組として放送された。
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[編集] 選考方法の変更
今回から新たな選考方法が採用された。従来は会員がそれぞれ5個の候補を選び、その投票の上位5名(番組)がそのまま候補となったが、今回からはそれぞれの会員が選出する候補は番組部門は10作、演技部門は15名となり、更にその上位10作・15名からブルー・リボン・パネラーと呼ばれる特別会員が5作・5名へと絞り込む最終投票を行なった。
この措置は、候補常連のシリーズ作品が何年も続けて候補になり、新番組や候補になっていなかった番組がシャットアウトされることが多いがために保守的と言われがちなノミネーションの顔ぶれに変化をもたらすことと、ネットワーク数の少なさと局のカラーでエミー賞では軽視されがちなThe WBやUPNの優れた番組(「Gilmore Girls」やUPNの「Veronica Mars」「Everybody Hates Chris」など)へとチャンスを与えることが目的であった。が、結局The WBやUPNからの主要部門のノミネーションは一切なかった。
逆に、前年度のシーズンを賑わした「LOST」や「デスパレートな妻たち」などの人気番組が排除されてしまうという事態が起こった。特に、前年度の作品賞を受賞した「LOST」に関しては、後述のオープニング・シークエンスでもそのことがネタにされたほどであった。また、演技部門からも作品賞候補となった「HOUSE」の主演俳優で前回のゴールデングローブ賞も受賞していたヒュー・ローリーや受賞の常連である「ザ・ソプラノズ」のジェームズ・ガンドルフィーニとイーディ・ファルコが漏れ、コメディ部門の主演女優賞は「デスパレートな妻たち」の4大女優が1人も選ばれず秋からの継続がなされない番組から4人も選出されたりと、選考の方法と基準に対する疑問の声が数多くあがった(変更による影響かは定かではないが、ミニシリーズ/テレビ映画部門で候補になったエレン・バースティンは、僅か14秒しか出演シーンがなかったと言う)。
[編集] 式典概要
司会のコナン・オブライエンが自ら出演したオープニング・シークエンスでは、「LOST」の第1話(しかし、授賞式当日に発生したコムエアー旅客機墜落事故により、一部の視聴者からは不謹慎だと批判が出た。NBCは後日謝罪を行なった)、「The Office」、「24 -TWENTY FOUR-」、「HOUSE」、「サウスパーク」のサイエントロジーを皮肉った回のパロディなどが登場した。「サウスパーク」の部分は皮肉の対象となったトム・クルーズ(勿論パロディシーンにも登場)を巻き込んだ物議を呼んだ問題作であり、放送局のコメディ・セントラルでは再放送が自粛されたものであった。
今年の6月に亡くなったアメリカのテレビ界で最も偉大なるテレビプロデューサーの1人として挙げられるアーロン・スペリングの功績を称える追悼コーナーも設けられ、彼が40年に渡って手掛けた数々の名ドラマのクリップが流された。クリップの終了後、そのクリップの最後を飾った「チャーリーズ・エンジェル」から、テーマ曲と共に初代エンジェルのファラ・フォーセット・メジャーズ、ケイト・ジャクソン、ジャクリーン・スミスが登場(公の場でこの3人が集まったのは約30年ぶりだと言う)。3人それれぞれが哀悼のスピーチを述べ、コーナーは幕を閉じた。
授賞式は1618万人が視聴し、その週で最も多くが見た番組となったが、全体で見ると視聴者数は授賞式中継歴代のワースト5位の数字となった。視聴率の低下には、前述の選考方法によって人気番組が候補にならず、俳優たちの出席がなかったのが影響しているのではないかと言われる。
[編集] 受賞結果について
最多受賞を果たしたのは、ミニシリーズ部門作品賞の「エリザベス1世」の9部門。続く5部門での受賞の「24」はシリーズ作品で最多の5部門での受賞である。続いて「マイネーム・イズ・アール」と「Rome」が4部門。最多候補作の「Into the West」は無冠となった。
局別の最多受賞は「エリザベス1世」のHBOが断トツの26、続いて「The Office」がコメディ・シリーズの作品賞に輝いたNBCがネットワーク最多の14、ABCが11、FOXが10、CBSが9、PBSが8となる。
ドラマ・シリーズ部門は「24」と「グレイズ・アナトミー」の両者の争いと見られたが、結果は「24」が作品賞を含む3部門を受賞し、「グレイズ・アナトミー」はこの授賞式の夜は1つも賞を受け取ることはなかった。受賞したのは先立って行なわれたクリエイティブ・アート部門のキャスティング賞だけである。
主演男優賞のコメディ・シリーズ部門のトニー・シャルーブと助演女優賞のドラマ・シリーズ部門のブライス・ダナーは、共に2年連続での受賞を果たした(シャルーブは通算三度目の受賞)。それぞれ同年の1月に行なわれたゴールデングローブ賞の覇者である有力候補のスティーヴ・カレルとサンドラ・オーを押しのけての受賞である。
「ザ・ホワイトハウス」はアラン・アルダの受賞により、番組通算26個目のエミー賞となる。これは「ヒル・ストリート・ブルース」に並ぶドラマ・シリーズ作品のタイ記録である。また、アルダは今回の受賞により通算6度目のエミー賞受賞となった。
[編集] 受賞と候補の一覧
太字が受賞者・受賞作を表す。
[編集] 作品賞
[編集] コメディ・シリーズ
- ブル~ス一家は大暴走!
- Scrubs
- Two and a Half Men
- The Office
- ラリーのミッドライフ★クライシス
[編集] ドラマ・シリーズ
- HOUSE
- ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア
- ザ・ホワイトハウス
- グレイズ・アナトミー 恋の解剖学
- 24 -TWENTY FOUR-
[編集] ミニシリーズ
[編集] テレビ映画
- エアポート ユナイテッド93
- フライト93の真実
- en:The Girl in the Café
- Mrs. Harris
- Yesterday
[編集] リアリティ番組(コンペティション)
[編集] バラエティ/音楽/コメディ番組
- The Colbert Report
- The Daily Show
- Late Night with Conan O'Brien
- The Late Show with David Letterman
- Real Time with Bill Maher
[編集] 主演男優賞
[編集] ドラマ・シリーズ
- クリストファー・メローニ - Law & Order:性犯罪特捜班
- デニス・リアリー - レスキュー・ミー/NYの英雄たち
- ピーター・クラウス - シックス・フィート・アンダー
- キーファー・サザーランド - 24 -TWENTY FOUR-
- マーティン・シーン - ザ・ホワイトハウス
[編集] コメディ・シリーズ
- スティーヴ・カレル - The Office
- ラリー・デイヴィッド - ラリーのミッドライフ★クライシス
- ケヴィン・ジェームス - The King of Queens
- トニー・シャルーブ - 名探偵モンク
- チャーリー・シーン - Two and a Half Men
[編集] ミニシリーズ/テレビ映画
- アンドレ・ブラウアー - Thief
- チャールズ・ダンス - Bleak House
- ベン・キングスレー - Mrs. Harris
- ドナルド・サザーランド - Human Trafficking
- ジョン・ヴォイト - Pope John Paul II
[編集] 主演女優賞
[編集] ドラマ・シリーズ
- アリソン・ジャニー - ザ・ホワイトハウス
- ジーナ・デイヴィス - Commander in Chief
- フランセス・コンロイ - シックス・フィート・アンダー
- キラ・セジウィック - クローザー
- マリスカ・ハージティ - Law & Order:性犯罪特捜班
[編集] コメディ・シリーズ
- ストッカード・チャニング - Out of Practice
- ジェーン・カズマレック - マルコム in the Middle
- リサ・クドロー - The Comeback
- デブラ・メッシング - ふたりは友達? ウィル&グレイス
- ジュリア・ルイス=ドレイファス - The New Adventures of Old Christine
[編集] ミニシリーズ/テレビ映画
- ジリアン・アンダーソン - Bleak House
- キャシー・ベイツ - Ambulance Girl
- アネット・ベニング - Mrs. Harris
- ジュディ・デイヴィス - A Little Thing Called Murder
- ヘレン・ミレン - エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~
[編集] 助演男優賞
[編集] ドラマ・シリーズ
- ウィリアム・シャトナー - ボストン・リーガル
- オリヴァー・プラット - HUFF~ドクターは中年症候群
- マイケル・インペリオリ - ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア
- グレゴリー・イッツェン - 24 -TWENTY FOUR-
- アラン・アルダ - ザ・ホワイトハウス
[編集] コメディ・シリーズ
- ウィル・アーネット - ブル~ス一家は大暴走!
- ジェレミー・ピヴェン - Entourage
- ブライアン・クライストン - マルコム in the Middle
- ジョン・クライヤー - Two and a Half Men
- ショーン・ヘイズ - ふたりは友達? ウィル&グレイス
[編集] ミニシリーズ/テレビ映画
- ロバート・カーライル - Human Trafficking
- クリフトン・コリンズ・Jr - Thief
- ヒュー・ダンシー - エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~
- ジェレミー・アイアンズ - エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~
- デニス・ローソン - Bleak House
[編集] 助演女優賞
[編集] ドラマ・シリーズ
- キャンディス・バーゲン - ボストン・リーガル
- サンドラ・オー - グレイズ・アナトミー 恋の解剖学
- チャンドラ・ウィルソン - グレイズ・アナトミー 恋の解剖学
- ブライス・ダナー - HUFF~ドクターは中年症候群
- ジーン・スマート - 24 -TWENTY FOUR-
[編集] コメディ・シリーズ
- シェリル・ハインズ - ラリーのミッドライフ★クライシス
- アルフレ・ウッダード - デスパレートな妻たち
- ジェイミー・プレスリー - マイネーム・イズ・アール
- エリザベス・パーキンス - Weeds
- メーガン・ムラリー - ふたりは友達? ウィル&グレイス
[編集] ミニシリーズ/テレビ映画
- エレン・バースティン - Mrs. Harris
- シャーリー・ジョーンズ - Hidden Places
- クロリス・リーチマン - Mrs. Harris
- ケリー・マクドナルド - The Girl in the Café
- アルフレ・ウッダード - The Water is Wide
[編集] 個人パフォーマンス賞(バラエティ/音楽番組)
- バリー・マニロウ - Barry Manilow: Music and Passion
- スティーブン・コルバート - The Colbert Report
- クレイグ・ファーガソン - The Late Late Show with Craig Ferguson
- デヴィッド・レターマン - The Late Show with David Letterman
- ヒュー・ジャックマン - 第59回トニー賞授賞式
[編集] 演出賞(監督賞)
[編集] ドラマ・シリーズ
- ロドリゴ・ガルシア - Big Love
- ジャック・ベンダー - LOST
- アラン・ボール - シックス・フィート・アンダー
- ティム・ヴァン・パタン - ザ・ソプラノズ
- デヴィッド・ナッター - ザ・ソプラノズ
- ジョン・カサー - 24 -TWENTY FOUR-
- ミミ・レダー - ザ・ホワイトハウス
[編集] コメディ・シリーズ
- マイケル・パトリック・キング - The Comeback
- ロバート・B・ウィード - ラリーのミッドライフ★クライシス
- ダン・アティアス - Entourage
- ジュリアン・ファリノ - Entourage
- マーク・バックランド - マイネーム・イズ・アール
- クレイグ・ジスク - Weeds
[編集] ミニシリーズ/テレビ映画
- ジャスティン・チャドウィック - Bleak House
- トム・フーパー - エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~
- ピーター・マークル - エアポート ユナイテッド93
- デヴィッド・イエーツ - The Girl in the Café
- ケニー・オルテガ - ハイスクール・ミュージカル
- フィリス・ナジー - Mrs. Harris
[編集] バラエティ/音楽/コメディ番組
- ルイス・J・ホーヴィッツ - 第78回アカデミー賞授賞式
- ブルース・ガワーズ - アメリカンアイドル
- ジム・ホスキンソン - The Colbert Report
- チャック・オニール - The Daily Show
[編集] 脚本賞
[編集] ドラマ・シリーズ
- ションダ・ライムズ - グレイズ・アナトミー 恋の解剖学
- クリスタ・バーノフ - グレイズ・アナトミー 恋の解剖学
- カールトン・キューズ、デイモン・リンデロフ - LOST
- アラン・ボール - シックス・フィート・アンダー
- テレンス・ウィンター - ザ・ソプラノズ
[編集] コメディ・シリーズ
- チャンク・テイサム、ジム・ヴァレリー、リチャード・デイ、ミッチェル・ハーウィッツ - ブル~ス一家は大暴走!
- ダグ・エリン - Entourage
- リッキー・ジャーヴェイス、スティーヴン・マーチャント - エキストラ:スターに近づけ!
- グレッグ・ガルシア - マイネーム・イズ・アール
- マイケル・シャー - The Office
[編集] ミニシリーズ/テレビ映画
- アンドリュー・デイヴィス - Bleak House
- ナイジェル・ウイリアムズ - エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~
- ネヴィン・シュライナー - エアポート ユナイテッド93
- リチャード・カーティス - The Girl in the Café
- フィリス・ナジー - Mrs. Harris
[編集] バラエティ/音楽/コメディ番組
- The Colbert Report
- The Daily Show
- Late Night with Conan O'Brien
- The Late Show with David Letterman
- Real Time with Bill Maher
[編集] 外部リンク
- Official list of all nominees
- NBCによる紹介
- エミー賞大祭典‘06 AXNによる紹介
- エミー賞特集 Yahoo!テレビによる特集ページ。2006年10月14日まで掲載。