ふたりは友達? ウィル&グレイス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ふたりは友達? ウィル&グレイス』(Will & Grace)は、アメリカ合衆国のシチュエーション・コメディ。1998年9月21日から米NBCで放映されており、2006年5月18日に8シーズン続いた番組の幕を下ろした。
ニューヨークを舞台に、エリート弁護士のウィルとインテリア・デザイナーのグレイス、グレイスの助手カレンとウィルの友人ジャックの4人が繰り広げる騒動を描く。カレンのメイドであるロザリオも重要なキャラクター。毎回の始まりにグレイスが、朝方ウィルの部屋にやってきて、勝手に朝食を取るシーンが多い。
エミー賞は第1シーズンと第8シーズンを除き全て作品賞の候補となり、第2シーズンで受賞している。また、主要キャスト4人はカレン役のメーガン・ムラリーは二度、他の3人も一度ずつ演技部門を受賞している。
アメリカでは、第5シーズンまで、DVD化されているものの、日本での発売の予定は現在の所ない。
目次 |
[編集] キャスト
[編集] レギュラー
- ウィル・トゥルーマン(日本語吹替・堀内賢雄):エリック・マコーマック。スマートな弁護士。ゲイ。グレイスとは長い付き合いで無二の親友。コロンビア大学に入学し、パーティーに潜り込んでいた当時高校生のジャックと出会うまで、20年近くストレートのフリをしてきた。カミングアウトの前にグレイスとストレートのふりをしてデートをしており、グレイスとはそれが原因で1年近く絶縁していた経験もあるが、現在では親友を超えた関係にある。全てにおいて完璧な人間を演じたい願望があるものの、実は表層的な部分も持ち合わせる。ジャックの影響か、ドラマ中盤ではかなりオネエキャラを爆発させるようになったが、基本的には真面目である。髪が後退してきている事をカレンやジャックにからかわれ、本人もかなり気にしている。カレンとは対称的な性格をしている為、ドラマの序盤ではカレンとうまくいっていなかった。
- グレイス・アドラー(勝生真沙子):デブラ・メッシング。自分のデザイン事務所を持っているインテリア・デザイナー。ユダヤ系のアメリカ人で、かなり自らの信教に熱心である。明るいけど神経質なところもある。実は物凄くワガママで自己中心的な性格。ウィルなしでは生きられないほどだらしのない女性だが、美人な上に根が素直で、純粋な性格のため誰も憎めない。ドラマの序盤でフィアンセのダニーと結婚するはずなのだが、ウィルの意見で結婚を取りやめてしまった。その後、数人のボーイフレンドと付き合うものの長い間上手くいかなかった。遂にユダヤ系の医師レオと結婚したがそれも短期間で破綻。ドラマの終盤では妊娠と出産を経験(演じたデブラ・メッシングも実際に妊娠していた)。
- ジャック・マクファーランド(三ツ矢雄二):ショーン・ヘイズ エキセントリックでお喋りなゲイ。舞台俳優を目指しているが基本的に無職。カレンと基本的に表層的な性格、お金や高級品が大好きな所が一致するため、大の仲良し。何故か自分をスーパーゲイだと勘違いしているのと、天然を通り越して極度の楽観主義者なので、どんなに不利な事も自分の都合のいい様に解釈してしまう。更に、何事にもいい加減な性格の為、遂に合衆国国税局から税金の無申告を指摘され、最後通牒の手紙が届き、ウィルが大慌てをしたのとは対照的に全く無関心であったほど。オネエがすごい為、小学校時代、「ジャック・マクフェリーランド」と渾名をつけられて、いじめられていた経験から学校が大嫌い。ステディーな彼氏は存在せず、複数の男性ととっかえひっかえ付き合っては分かれれている。常にファッションと見た目に気を使い続けており、ウィルのクローゼットから無断で何でも拝借してしまう。反面、ウィルを友人として大切に思っており、ウィルをゲイとして自覚させる為に奔走したのは彼だった。
- カレン・ウォーカー (安達忍):メーガン・ムラリー:大金持ちのグレイスの助手。グレイスから給料の小切手を貰っていても、現金化しない事を暗黙の了解としており、仕事は全然しない。かなりのファション通、ナイスボディで甲高い声の女性、その上、お酒とある種の薬の大ファンであり、常に服用、毒舌で、グレイスのファッションをけなす事を生きがいとしている。母親が根無し草で詐欺に近い行動を生業としていた為、長い間絶縁状態にあったが後に和解。そのわりには、自分もお金目当てでスタンリー・ウォーカーと結婚した。お金目当ての結婚と言い張るわりには、夫スタンを心の底では愛していた。スタンが心筋梗塞を起こした時も、影では相当な心配をしており、スタンが亡くなった時も深く傷ついていた。普段は披露する事はないが、実はビジネスに関して知識が豊富な上に物凄く詳しく、グレイスの事業拡大を冷静に分析し、反対した事もあった。実はグレイスを尊敬している。素直ではないものの「お金持ちで暇をもてあましている私が暇を潰す所なんていくらでもあるのに、何故私がグレイスの事務所にいるのかわかる?」と吐露している場面もある。なお、ウィルとはドラマの序盤上手く行っていなかった。
- ロザリオ : シェリー・モリソン:準レギュラー的な位置づけで全シーズンを通して出演しているカレンのメイド。カレンが若かった頃、ロザリオがナイトクラブで売り子のバイトをしている所で、スカウトされてメイドになった。カレンとはかなり激しく口論するもの、どちらも素直になれない性格で実は親友に近い。メイドの仕事に関してはかなり一流の腕を誇っており、家政全般を完璧にやり遂げる。故郷のエルサルバドルでは、教師の仕事をしていて、アメリカへはMBAの取得目的で渡航したものの、途中でカレンのメイドとなった為に長い間不法滞在になっていた。カレンとウィルの救済案として、合衆国市民のジャックと偽装結婚をしてなんとか合法的に滞在出来るようになったものの、短期間で結婚自体は破綻。元々グリーンカード目的で結婚したので、離婚後もジャックとは仲良し。
[編集] ゲスト
ゲストが非常に豪華であることもこのシリーズの特徴である。
- シャロン・オズボーン
- ロージー・オドネル ジャックの息子エリオットの母親
- アンディ・ガルシア カレンの恋愛の対象だったレストランのオーナー
- ボビー・カナヴェイル ウィルのボーイフレンドの警官
- セス・グリーン 昔の子役として有名だった俳優
- ジョン・クリーズ カレンの夫スタンの愛人ロレインの父親
- グレン・クローズ 写真家
- ハリー・コニック・Jr グレイスの夫
- ジェフ・ゴールドブラム
- モリー・シャノン ウィル達の隣人
- シャロン・ストーン ウィルの精神科医
- エリック・ストルツ グレイスの大学時代の恋人
- クロエ・セヴィニー
- ミラ・ソルヴィノ ウィルの元恋人
- マイケル・ダグラス ゲイの警官
- ブライス・ダナー ウィルの母親
- ジーナ・デイヴィス グレイスの姉妹
- マット・デイモン ゲイ・コーラスグループ内のジャックのライバル
- エレン・デジェネレス ウィルが車を売った修道女
- ミニー・ドライヴァー カレンの夫スタンの愛人ロレイン
- エドワード・バーンズ グレイスの友人
- グレゴリー・ハインズ ウィルの上司
- ウディ・ハレルソン グレイスの恋愛の対象
- ジャック・ブラック カレンを診察した医者
- シドニー・ポラック ウィルの父親
- パーカー・ポージー ジャックの上司
- アレック・ボールドウィン スタンに雇われた男
- ジュリアン・マクマホン グレイスと同じエレベーターに乗り合わせた
- マドンナ カレンのルームメイト
- ディラン・マクダーモット ウィルの恋愛の対象
- カムリン・マンハイム 霊能者
- デミ・ムーア ジャックのベビーシッター
- デビー・レイノルズ グレイスの母親
- ジーン・ワイルダー ウィルの事務所の偉い人
ケビン・ベーコン、シェール、ジャネット・ジャクソン、エルトン・ジョン、ジェニファー・ロペスなどは自分自身の役でゲスト出演した。
[編集] エピソード
ウィル&グレイスのエピソード一覧を参照。
[編集] 日本での放送
日本ではNHKで第2シーズンまで放映されていたが、それ以降は放送されてはいない。一説では、NHKの上層部がゲイが題材のコメディだとはよく熟知せずに放送したために既に放送権を取っていた第2シーズンまでは放送を行いそれ以降は放送権を取得しなかった、と言われるが実際はそんなに日本では人気が出なかったと言うのが大方の正しい見方であろう。2006年1月8日からFOXlife HDで第7シーズンの第10話「クイーンたちの感謝祭(原題:"Queens for a Day: Part 1")」からが字幕版で放送されている。吹替え版や第1シーズンから第7シーズンの第9話までの放送予定は現在のところない。
視聴率が低かったというのは、放送時間が区々で一定しなかったための当然の結果でしかない。 こうした傑作コメディーの放送を中断したのは、日本放送協会|NHKの見識の低さ、及び、そのことに抗議しない日本のゲイ・ピープルを含む視聴者の民度の低さを露呈していると言えよう。