石巻市
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石巻市(いしのまきし)は、宮城県第二の人口を擁する市であり、石巻都市圏の人口は約21万人(2000年国勢調査時点)。東北地方南部、宮城県東部の、旧北上川河口に中心部を持つが、広域合併により、女川町を除く三陸海岸南端一帯や北上川下流の多様な地域が市内となった。東北でも有数の水産都市となっている。
目次 |
[編集] 地理
[編集] 地形・一次産業の分布について
市のほぼ中央を(旧)北上川が南北に縦断し、概ね旧北上川を境に土地利用や一次産業の構造に変化が見られる。
旧北上川より西側の河南、桃生地区は仙台平野の東端部に位置し、広い平地(石巻平野)と北上川がもたらした肥沃な土壌から稲作を中心とした農業が盛んである。一方の旧北上川東部は北上山地とリアス式海岸によって複雑な地形をしており、平地が少ないため農業は西部と比べて割合は低い。東部では漁業や湾内での養殖業などが盛んであり、中央部の上品山には牧場があり、周辺では畜産業も行われている。
[編集] 歴史
江戸時代の石巻港は、北上川水運によって南部藩領からも米が下り、河川交通と海運との結節点として、日本海側の酒田港と列んで奥州二大貿易港として全国的に有名であった。また、東廻り航路の基点として、千石船による江戸(東京)との交易も盛んで、江戸期の長い期間において石巻港から江戸へで送られた米は、江戸市中で流通する米の半数を占めたと言う。藩政時代には名実ともに仙台藩の経済の中心地であった。また旧仙台藩内で唯一貨幣の鋳造を許され現代でも鋳銭場という地名が駅前に残っている。
高度経済成長期に至るまで、船運が鉄道やトラック流通に置き換わっていったため、港の機能は沿岸漁業から遠洋漁業まで対応する漁港として発達し、また、石巻工業港の建設によって第二次産業も発達した。これらの産業基盤によって都市化が進み、商業などの第三次産業労働者が多くを占め、宮城県東部の商業拠点となった。都市圏人口もバブル景気まで伸び続けた。
- 鎌倉時代:奥州葛西氏が石巻城を築く。
- 1613年:月浦より、支倉常長がローマへ向けて出帆する。
- 1623年:川村孫兵衛が北上川下流の流路を変え、石巻発展の基礎となる。
- 1869年8月13日:石巻県が設置される。
- 1870年9月28日:石巻県を廃し、登米県となる。
- 1872年:宮城県に編入。
- 1889年4月1日:町制施行により石巻町が発足。
- 1912年:仙台軽便鉄道(小牛田~石巻)開通。
- 1928年:宮城電鉄(仙台~石巻)開通。
- 1933年4月1日:市制施行により石巻市となる。
- 1939年:国鉄石巻線石巻~女川間延長。
- 1949年4月1日:蛇田村山下地区を編入。
- 1955年1月1日:蛇田村を編入。
- 1955年4月10日:荻浜村を編入。
- 1959年5月15日:渡波町を編入。
- 1967年3月23日:稲井町を編入。
- 1988年:石巻専修大学が開学
- 2005年4月1日:隣接する桃生郡のうち、桃生町、河南町、河北町、北上町、雄勝町、牡鹿郡牡鹿町と石巻市が合併し、新しい石巻市となる。
[編集] 行政
[編集] 行政課題
宮城県で最も危機的財政難に対する措置が必要とされている。高速道路は仙台-石巻間が全通したものの、この物流改善を生かした産業開発が求められる。
[編集] 文化
石巻市は宮城県出身の漫画家、故・石ノ森章太郎の協力を得て「石巻マンガランド基本構想」を策定し、「萬画」を生かした創造性ある街造りに取り組んでいる。 また、余談ではあるがアマチュア団体ではあるが石巻市民交響楽団は県都・仙台市よりも発足が早く、県内最古のアマチュアオーケストラとして今現在も活動し、毎年、定期演奏会を行うなど、石巻市の文化に貢献している。
[編集] 経済
石巻市の主要な産業は、県下第二の集積を見せる商業である。また、水産業、造船業、紙パルプ業なども盛んである。全ての業種で、労働集約型から知識集約型への転換が進められ、過剰労働力が流出している。流出を食い止めるためには観光が有力であるが、温泉が出ない土地であるため、客単価の高い宿泊客獲得には現時点では困難で、水産業を生かしたグルメを主要コンテンツとする日帰り観光地としての開発が主流となっている。
[編集] 中心市街地について
市街地は主に旧北上川河口に広がっており、旧北上川の中州である中瀬地区からJR石巻駅にかけての地域がいわゆる「中心市街地」である。古くからの商店や、宮城県内で仙台市以外に立地する唯一の百貨店であるさくら野百貨店が存在する。近年は、バイパス沿いの中里・蛇田・大街道などに、大型店を始めとする域外資本のロードサイド店舗が多数進出している。郊外店の新鮮で便利な商法や活発な新陳代謝に対し、中心市街地は変化に乏しく、時代に則した業態変化なしに、集客施設のおこぼれを狙う体質が強い。そのため、例に漏れず、中心商店街は俗に言うシャッター通りの様相を呈している。また、モータリゼーションの発達と三陸自動車道の開通でアクセスが容易になった仙台市に、買回り品や専門品を中心にショッピングに訪れる機会も増え、石巻地区の商業が、最寄品中心の品揃えに落ち込んでしまうのではないかと危惧されている。
[編集] 地域
- 世帯数:59,065世帯(2006年3月末)
[編集] マスコミ
[編集] コミュニティFM局
- ラジオ石巻
[編集] 新聞社
- 石巻日日新聞
- 三陸河北新報社(河北新報の完全子会社で、河北新報の地域版「石巻かほく」を発行)
[編集] 警察
[編集] 主な学校
[編集] 大学
[編集] 高校
- 宮城県石巻高等学校
- 宮城県石巻好文館高等学校
- 宮城県石巻工業高等学校
- 宮城県石巻商業高等学校
- 宮城県水産高等学校
- 石巻市立女子高等学校
- 石巻市立女子商業高等学校
- 宮城県飯野川高等学校
- 宮城県河南高等学校
[編集] 中学校
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湊中学校と河南東中学校は、文部科学省が推進する「学力向上フロンティア」指定校(フロンティアスクール)である。
[編集] 小学校
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[編集] 隣接している市町村
[編集] 姉妹都市・友好都市
[編集] 国内
[編集] 海外
[編集] 交通
[編集] 鉄道
[編集] 道路
- 宮城県道2号石巻鮎川線、宮城県道6号石巻停車場線、宮城県道7号石巻港線、宮城県道16号石巻鹿島台大衡線、宮城県道21号河南米山線、宮城県道29号河南築館線、宮城県道30号河北桃生線、宮城県道33号石巻河北線、宮城県道41号女川牡鹿線、宮城県道43号矢本河南線、宮城県道61号涌谷津山線、宮城県道64号北上津山線、宮城県道191号鹿又停車場広淵線、宮城県道192号石巻雄勝線、宮城県道193号渡波停車場線、宮城県道195号前谷地停車場線、宮城県道196号神取河北線、宮城県道197号北上河北線、宮城県道204号河南鳴瀬線、宮城県道220号牡鹿半島公園線、宮城県道231号鹿又停車場線、宮城県道234号稲井沢田線、宮城県道238号釜谷大須雄勝線、宮城県道240号石巻女川線、宮城県道257号河南登米線
[編集] バス
[編集] 一般路線バス
[編集] 高速バス
- 三陸自動車道の開通により、仙台や東京に行く路線が近年整備されている。以下に、市内から発着する高速路線バスを列挙する。
[編集] 仙台方面行き
- 宮交石巻バス 女川・石巻~仙台線(渡波、石巻中心部、蛇田地区より)
〔運賃は渡波から片道900円、往復1600円 石巻、蛇田から片道800円、往復1400円〕
〔運賃は河北(追波川運動公園)から片道900円、往復1600円〕
[編集] 東京(新宿)方面行き
〔運賃は石巻から新宿まで片道6900円、往復12200円〕
[編集] 乗合タクシー
- いない号(日赤病院・市立病院・石巻市内-稲井地区を結ぶ。)
[編集] 港湾
- 石巻港(重要港湾)
- 雄勝港
- 荻浜港
- 表浜港
- 金華山港
[編集] 定期航路
- 石巻~田代島~網地島(網地島ライン)
- 鮎川~網地島(石巻市営)
- 鮎川~金華山(金華山観光)
- 女川~金華山(丸中金華山汽船)
[編集] 観光
[編集] 博物館・テーマパーク
- 石巻文化センター
- 石ノ森萬画館
- おしかホエールランド(昔は和歌山県太地町と並び、旧牡鹿町鮎川は捕鯨で全国的に有名だった。)
- サン・ファンパーク
- 雄勝硯伝統産業会館
- 宝ヶ峰縄文記念館
- ベイパーク石巻(閉園)
- 北上川・運河交流館
- 丸寿美術館(かんけい丸本店)
[編集] 歴史的建造物・遺跡
- 旧石巻ハリストス正教会会堂
- 志賀直哉生家
- 沼津貝塚
[編集] 景勝地・レジャー
- 日和山公園
- 牧山市民の森
- 渡波海水浴場
- 県立自然公園旭山
- 月浦(慶長遣欧使節出帆の地)
- にっこりサンパーク
- 神割崎
- 金華山
- 巻石(住吉公園):市名の由来になったと云われている。
- 上品山
- 牡鹿御番所公園
- かなん遊楽館
[編集] 祭り・イベント
- おめつき(雄勝町・1月)
- サン・ファン祭り(渡波・5月)
- 石巻川開き祭り(市内・8月)
- サマーフェスタ・イン・かほく(河北・8月)
- いしのまき大漁まつり(魚市場・10月)
- 和渕互市(河南・12月)
[編集] 伝統芸能
[編集] 名産
[編集] 石巻市出身の有名人
- 藍美代子- 歌手
- 安住淳- 衆議院議員
- 阿部智則- お笑いタレント(POISON GIRL BAND)
- 天津敏- 俳優
- 石母田正- 歴史学者
- 春日富士晃大- 力士(現・春日山親方)
- 勝又進- 漫画家
- 亀山助清- 声優
- 菅野壽- 元参議院議員
- 木村和久- ライター
- 日下正勝- 元プロ野球選手(大洋ホエールズで活躍)
- 草川俊- 作家
- 佐々木幸男- 歌手
- 志賀直哉- 小説家
- 涼風真世- 女優、歌手、声優
- 鈴鹿景子- 女優
- 多々良純- 俳優
- 津田喜章- NHKアナウンサー
- 新沼慎二- プロ野球選手(仙台育英学園高等学校→横浜ベイスターズ)
- 半海一晃- 俳優
- 本間秋彦- ラジオパーソナリティ
- 布施辰治- 弁護士(日本のシンドラーとして植民地時代に多くの韓国人を救済して有名)
- フランク安田- (安田恭輔)
- 辺見庸- 小説家、ジャーナリスト
- 山崎みちよ- 漫画家
- 由利徹- 喜劇俳優