引き分け
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引き分け(ひきわけ)とは、勝負においてその終了時にプレイヤーを勝者(及び敗者)にせず終了させる取り決めまたはその結果を指す。1対1、または複数混合の競争の場合に使用され、トーナメント方式の場合は引き分けとは言わない。引分け、引分とも表記する。また、無勝負(むしょうぶ)と言うこともある。
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[編集] 概要
勝負事の最大の目的は勝者と敗者を決めることである。したがって、勝者と敗者が決まらない引き分けは異常なケースである。このことから、勝負事では引き分けをなるべく避けようとするのが一般的であるが、サッカーのリーグ戦のように「引き分けも試合結果のひとつ」ととらえる文化も少数ながら存在する。
[編集] スポーツにおける引き分け
[編集] 野球
メジャーリーグでは最終の順位表に引き分けが残らないようにしている。コールドゲームによって試合が中断されたり、延長戦の時間制限によって打ち切られたりした場合は、その試合は再試合とする。引き分けとなった試合は勝敗に含めないため、勝率の計算から除外される。
日本プロ野球では過去において引き分け再試合が行われたこともあったが、現在では再試合は行われていない。勝率の計算はメジャーリーグと同じである。1990年から2000年までの10年間は引き分け再試合が 行われていたが2001年に試合数を増加するにあたり選手会が延長15回引き分け再試合制度を廃止し 1989年以前の延長12回引き分け制度の復活を強硬に主張したためセントラルリーグはこれを渋々受け入れた。 ただし以前問題化していた引き分けの多さで勝ち数の多いチームを上回った場合にはプレーオフを 行うという妥協がなされている。
日本の高校野球や社会人野球の主な大会ではトーナメント戦を採用しているため、引き分けを避ける傾向にある。このため、延長戦が打ち切られるイニング数も日本プロ野球より長く、また、引き分け再試合が行われる。2006年の全国高等学校野球選手権大会のように決勝戦が再試合となることもある。
日本の大学野球ではリーグ戦を採用しているが、試合数が日本プロ野球よりはるかに少ないため、再試合が行われている。
引き分け再試合となった試合は勝敗が最後まで決定しないため、名勝負と呼ばれることが多い。
[編集] サッカー
サッカーではトーナメント戦とリーグ戦とで引き分けの扱いが違う。トーナメント戦では延長戦を行い、それでも勝負がつかなかった場合にPK戦が行われる。ただしトーナメントの決勝の場合は引き分けで両チーム優勝とする場合もある。リーグ戦では延長戦やPK戦を行わずにそのまま引き分けとするのが世界的な傾向である。かつて日本のJリーグではリーグ戦では例外的に延長戦やPK戦を行っていたが、現在は廃止されている。
[編集] ゴルフ
ゴルフではゲーム終了時に打数が全く同じになった場合に引き分けが起こりうるが、通常は1位が複数存在する場合プレーオフを行って1人の優勝を決定するため、優勝に関しては引き分けとはならない。1位以外の場合は同順位のままとし、順位の後ろに英語で引き分けを意味する「タイ」をつけて同順位でない場合と区別するため、同順位の選手同士は引き分けであると言える。
[編集] 相撲
相撲では、両者が同時に倒れたり土俵の外に出たと判定された場合、同体と言い、取り直し(再試合)となる。同体となった取組で片方の力士が怪我をして取り直しができなくなり、その結果、相手の不戦勝という記録となることもある。また、取組が長引いて勝負がつかないときには、二番後取り直しという形で再試合をする。しかし、それでも相撲が長引いて勝負がつかないときには、最終的に引分というかたちにする。
また、大相撲では、各階級で勝ち数が最も多い者がその階級の優勝者となるが、そのような者が複数いる場合、優勝者を決めるために優勝決定戦を行う。
[編集] ボクシング
ボクシングでは、規定ラウンドで決着が付かず、判定でどちらの選手も2名以上のジャッジの支持を得られなかった時である。また、対戦両選手が同時にダウンして共に起き上がれないとき(ダブルノックアウト)も引き分けとなる。なお、タイトルマッチでの引き分けはチャンピオンの防衛となる。
[編集] ゲームにおける引き分け
[編集] チェス
チェスは実力が均衡した者同士での対局ではしばしば引き分けが発生する。局面の経過とともに戦力が減少するため、チェックメイトによるゲームの終了が困難となりやすいからである。このような場合は双方の合意によって引き分けとなる。また、双方の戦力が相手をチェックメイトさせることが不可能になった場合は合意がなくても引き分けとなる。そのほかにステイルメイトになった場合も引き分けとなる。
[編集] 将棋
将棋ではチェスに比べると引き分けはほとんど発生しない。これは持ち駒制度があるため、局面の経過が進んでも戦力が減少して詰みによるゲームの終了が困難になる可能性が低いからである。将棋における引き分けは千日手と持将棋である。双方の同意による引き分けもある。
[編集] 囲碁
囲碁では対局が終了したときに双方の地の数が同じとなった場合に引き分けとなる。これをジゴという。これを避けるため、白(後手)のコミ(ハンディキャップ)として地の数に半目(0.5目、目は地の単位)を加え、白の半目差勝ちとすることが多い。特に置き碁の場合はコミが無い場合が多いため、まれにジゴが発生する。また、重要なコウが3つ以上発生した場合(三コウと呼ぶ)、その他「長生」などルールで禁止されない同型反復が生じて、お互いに譲らずに同型を繰り返す場合は、無勝負と呼んで引き分けとなる。
[編集] オセロ
オセロにも引き分けがある。対局終了となったときに双方の石の数が等しくなったとき(通常のオセロでは32個ずつ)に引き分けとなる。
[編集] トランプ
トランプではさまざまなゲーム方法があるが、ブラックジャックやおいちょかぶに引き分けがある。どちらも、親と子の点数が同じであれば引き分けとなり、子が賭けたチップなどは全額返還される。
[編集] 麻雀
麻雀では1局単位と1ゲーム単位の2通りの引き分けが存在しうる。1局単位の引き分けは流局と呼ばれるが、流局でも点棒のやり取りが行われる場合もある。1ゲーム単位の引き分けはゲーム終了時に点数が全く同じとなった場合であるが、起家から自摸順で近いほうを上位とする慣例がある。
[編集] 遊びにおける引き分け
[編集] じゃんけん
じゃんけんにおける引き分けは「あいこ」と呼ばれる。グー・チョキ・パーのうち全員が同じ手を出すか、同時に3種類全部が出てしまった場合にあいことなる。あいこの場合は勝負をやり直す。じゃんけんの派生形である野球拳やあっち向いてホイなどでは、じゃんけんの次のアクションに入ることなく最初からやり直しとなる。
この「引き分け」は、相撲に関連した書きかけ項目です。 記事を加筆・訂正してくださる協力者を求めています。(相撲プロジェクト) |