富士急行
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
略称 | 富士急 |
本社所在地 | 403-0017 山梨県富士吉田市新西原5丁目2番1号 登記上の本店所在地 山梨県富士吉田市上吉田2丁目5番1号 |
電話番号 | 0555-22-7112 |
設立 | 1926年(大正15年)9月18日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 旅客鉄道事業、観光事業 他 |
代表者 | 代表取締役社長 堀内光一郎 |
資本金 | 9,126百万円 |
売上高 | 21,965百万円(2005年度・単独) |
従業員数 | 216人(2005年3月現在) |
決算期 | 3月 |
主要株主 | 堀内浩庵会(11.76%) エフ・ジェイ(11.58%) 日本生命 (9.76%) 富国生命 (9.75%) 朝日生命(6.97%)他 |
主要子会社 | 岳南鉄道 富士急行観光 富士急平和観光 富士急山梨バス 富士急ハイランド他 |
関係する人物 | 堀内光雄(代表取締役会長、衆議院議員、元自由民主党総務会長) 堀内良平(富士急行及び富士身延鉄道、東京乗合自動車創業者) 五島慶太 |
外部リンク | www.fujikyu.co.jp/ |
富士急行株式会社(ふじきゅうこう)とは、山梨県、静岡県東部を中心に、運輸、観光、不動産、流通事業等を行なう民間会社である。東証1部上場。本社は、山梨県富士吉田市新西原5丁目2番1号。東京本社は、東京都渋谷区初台1丁目55番7号。日本民営鉄道協会加盟。「富士急(ふじきゅう)」の愛称で知られている。
1926年9月18日、富士山麓電気鉄道(ふじさんろくでんきてつどう)として設立され、1960年5月30日、現在の富士急行に改称した。
鉄道・自動車(バス)などの運輸事業を創始とする企業であるが、現在、売上げに占める鉄道事業の割合は5%程度で、自動車事業を合わせても2割程度に過ぎない。沿線の豊富な観光資源を背景にした遊園地、ゴルフ場等の観光事業の割合が約7割を占めている。
目次 |
[編集] 運輸事業
[編集] 鉄道
歴史的経緯により以下の2路線に分かれているが、一体の路線として運用され、富士急行線と呼ばれている。両路線の境界である富士吉田駅でスイッチバックが行われる。有料の特急列車として「フジサン特急」が運行されている。
[編集] 鉄道車両
[編集] 自社車両
- 現有車両
- 過去の車両
- 5700形(元小田急2200形電車)
- 5200形(元小田急1900形電車の車体流用車)
- 7000形(元17m旧型国電)
- 3600形
- 3100形
- 保存車両
[編集] 乗り入れ車両
- JR東日本115系電車
- JR東日本201系電車
- JR東日本183系・189系電車(ホリデー快速河口湖号で直通)
- JR東日本E233系電車(2007年春以降)
[編集] 女性専用車
- 平日朝7:30~9:30にJR中央線新宿駅を発着する上り全列車の大月寄り1両目(実施区間は全区間)
[編集] バス
バス事業は富士急行本体のほか、子会社化された地域会社により運営されている。ただし、富士急平和観光は以前から存在するグループ会社(旧社名は平和観光で「富士急」は入っていなかった)。カッコ内は営業所記号。
- 御殿場営業所(G)
- 現在、本体では唯一、一般路線を担当する営業所である。
- 河口湖営業所(Y)
- 現在は高速バス・貸切バス専門の営業所である。
- 富士急山梨バス(F)
- 富士急平和観光(K)
- 元の富士急行甲府営業所。
- 富士急シティバス(E)
- 元の富士急行沼津・三島営業所。
- 富士急静岡バス(W)
- 元の富士急行富士宮・富士・鷹岡営業所。
- 富士急湘南バス(M)
- フジエクスプレス東京営業所(T)
- フジエクスプレス横浜営業所(H)
- 元の富士急行横浜営業所→富士急横浜観光で、貸切バス専門の営業所。
[編集] バスの車両
[編集] 概説
日野自動車と資本関係があるため、日野車の導入が多い。ただし、貸切・高速車については三菱ふそう車の導入も多かった(三菱ふそうの路線車は少ない)。CNGバス導入前後からは、日産ディーゼル車も勢力を拡大している。いすゞ車はどちらかといえば少数派である。ただし、岳南鉄道バスでは日産ディーゼル車も多かったが、これは営業エリア内に日産の事業所があったことも関連があるとされている。
車両は一部を除いて富士急商事が所有者となっており、運行会社はリース扱いで使用している。このため、同一陸運局エリア内の他社へ移籍の場合でも、登録番号は変わらない。岳南鉄道のバス事業も含まれていたため、岳南鉄道バスがバス事業から撤退し、車両が静岡県内の各運行会社へ転籍した時にも、登録番号は変わらなかった。
一部車両では、希望ナンバーにより社番と登録番号を合わせている。
過去には、全国的にも珍しい高速・路線兼用車「ワンロマ」を導入していた。この車両については「中央高速バス#高速・路線兼用車「ワンロマ」」を参照されたい。
[編集] カラーリング
現在の路線車の標準色は「グリーンベルト」と呼ばれるカラーリングで、以前はほぼ全車両が「グリーンベルト」で統一されていた。これは、ベースの淡い緑が「富士の新緑」で春、細いラインの濃い緑が「富士の緑」で夏、窓の上に入る黄色い帯が「富士の紅葉」で秋、そして屋根全体の白は「富士の雪」で冬と、富士の四季をイメージしたものとされている。また、濃い緑のラインは、2台を背中合わせに配置することで富士山のシルエットを表現するパターンとなっており、近年まではこれを強く意識して、車両導入は必ず偶数台数の導入であった。なお、傍系の富士急行観光では、上半分を全て白としており、印象が異なる。CNGバスについては、「ちぃばす」を除いてCNGバス専用のカラーリングになっている。なお、このCNGバス専用カラーは、2006年に導入された日野ブルーリボンHIMR車でも採用された。
現在の貸切車・高速車については、白地に緑2色で富士山のシルエットを表現した「Resort」、キャラクターを描いた「Highland Dream」の2種類がメインである。「Resort」は、看板車であるボルボ・アステローペ「Resort Wind」から採用されたもので、その後しばらくはスーパーハイデッカー専用のカラーリングであったが、1997年以降はハイデッカー車にもこのカラーのものが多くなっている。「Resort」の場合、定員の数字を併記して「Resort60」というように表記することも多い。また、高速車については「Resort Express」となっている。余談だが、21人乗りの貸切車なら「Resort21」になるが、そういう仕様の車両は存在しない。一方、「Highland Dream」は1997年より採用されている。デザイナーはクライブ・ドブソンで、彼のオリジナルキャラクター「エディちゃん」が富士急ハイランドで遊ぶ情景をイメージしたとされている。
なお、岳南鉄道の貸切車は「グリーンベルト」、路線車については使用している色は同じだがパターンが全く異なるものであった。また、富士急平和観光は社名変更前はオリジナルカラーを採用していた。
2006年以降、「Resort」色の車両については、社名表記の前のマークが赤い富士山のシルエットに「Q」の字を描いたものに変更されている。
[編集] CNGバス「エバーグリーンシャトル」
富士急行グループのバスでは、1995年以降継続的にCNGバスを導入している。山梨県で独自の補助金制度があることもあって、地域子会社も含めたグループ全体の台数は、民間事業者としては最大である(1社単独の場合は山梨交通が最大ユーザーである)。
もともと、富士急行が富士登山バスに低公害バスを導入することになったのは、河口湖から富士山五合目までの「富士スバルライン」は、大型バスの排気ガスによる環境破壊が問題となっていたためである。いくらマイカー規制などで通過台数を少なくしたところで、乗り換えたバスが黒煙を上げているのでは、全く説得力がないため、低公害バスの導入は急務だった。しかし、低公害バスは、その特徴と引き換えに性能がある程度ダウンしているのが一般的で、平坦な都市部の走行ならいざしらず、富士登山バスの場合は山梨県側で最大8%、静岡県側では9.6%という急な上り坂が延々続き、軽油燃料による低公害バスでは登坂性能に問題があったために、CNGバスが選択された。
1995年から、「エバーグリーンシャトル」と命名されたCNGバス2台が富士山麓での運行を開始したが、当時の富士山麓に天然ガス補給のためのエコステーションは存在せず、当初は横浜市鶴見区からトラックでガスを陸送していた。しかし、1回のトラック便ではバス2台分のガスしか搬送できず、そのトラックの燃料代などがかさみ、通常のバスの約20倍ものコストがかかってしまうものになった。このため1996年には、系列会社が営業する富士急ハイランド内のガソリンスタンドに、1億1300万円を投じたエコステーションが併設された。民間ベースでエコステーションを設置したのは、富士急行が初めてである。
以後、富士登山バスを運行する営業所・地域会社では継続的にCNGバスが導入されている。特に独自の補助金制度のある山梨県内では、毎年の新車に必ずCNGバスが含まれている。
なお、港区コミュニティバス「ちぃばす」も、全車両がCNGバスである。
[編集] 高速バス
首都圏と富士五湖、静岡県を結ぶ高速バス路線を運行している。中央高速バス運行開始当時からの事業者である。
- 新宿駅 - 富士急ハイランド・富士五湖、甲府、諏訪・岡谷、伊那・飯田(中央自動車道経由)
- 東京駅 - 御殿場、河口湖 (東名高速道路経由)(JRバス関東との共同運行)
- 東京駅 - 富士 - 富士宮・ 白糸の滝(東名高速道路経由)
- 東京駅 - 沼津駅(東名高速道路経由)(JRバス関東との共同運行)
- 横浜駅 - 御殿場、河口湖(東名高速道路経由)(相鉄自動車との共同運行)
- 成田空港 - 小田原 - 大雄山駅 - 松田車庫 (京成バスとの共同運行)
- 成田空港 - 御殿場 - 沼津 - 新富士駅 - 鷹岡車庫 (京成バスとの共同運行)
- 中部国際空港 - 富士・沼津
- 名古屋 - 富士急ハイランド・富士五湖(東名高速道路経由・季節運行)
- 大阪・茨木・高槻・京都 - 富士・沼津・御殿場・山中湖・富士急ハイランド・河口湖・富士吉田(夜行、近鉄バスとの共同運行)
- 大阪・茨木・高槻・京都 - 河口湖・富士吉田・富士吉田・富士山河口湖口五合目(昼行、夏季のみ運行、近鉄バスとの共同運行)
- 静岡駅 - 河口湖口五合目、富士宮口新五合目(夏季のみ運行)
- 新宿・渋谷 - 裾野・沼津方面(京王バスとの共同運行)
[編集] 路線バス
山梨県、静岡県東部、神奈川県小田原地区、東京都港区(港区コミュニティバスちぃばす)で路線バス事業を展開している。
富士急グループ共通のバスカードについてはバスカード (富士急行)を参照。バス共通カードは富士急湘南バスのみ利用可能。
[編集] 船舶・遊覧船
[編集] タクシー・ハイヤー
山梨県の富士急行沿線周辺、静岡県東部でタクシー・ハイヤー事業を展開している。
[編集] グループ会社
- 鉄道・索道
- タクシー
- 富士急山梨ハイヤー
- 富士急伊豆タクシー
- 富士急石川タクシー
- 富士急オートサービス
- 船舶・遊覧船
- 富士急マリンリゾート
- 富士五湖汽船
- 本栖湖遊船
- 富士汽船
[編集] 観光事業
- 別荘地開発
- 富士急ハイランド
- 遊園地ぐりんぱ(旧日本ランド)
- ゴルフコース
- 富士ゴルフコース
- ゴルフパークBandi
- カントリークラブ・グリーンバレイ
- 大富士ゴルフ場
[編集] 百貨店事業
[編集] スケート部
富士急スケート部は多くのオリンピック代表選手を輩出してきている。名実ともに日本を代表するスピードスケートチームである。 在籍したことのある選手は以下の通り。
[編集] その他グループ会社
- ネプチューン(輸送機器メーカー)
[編集] 外部リンク
- 富士急行株式会社(公式サイト)
大手私鉄 | 東京急行電鉄・小田急電鉄・京王電鉄・京成電鉄・京浜急行電鉄・相模鉄道・西武鉄道・東武鉄道・東京地下鉄 |
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中小私鉄・第三セクター等 | 新京成電鉄・北総鉄道・箱根登山鉄道・埼玉高速鉄道・東葉高速鉄道・横浜高速鉄道・首都圏新都市鉄道・伊豆箱根鉄道・関東鉄道・江ノ島電鉄 |
公営事業者 | 東京都交通局・川崎市交通局・横浜市交通局 |
モノレール・新交通システム | 多摩都市モノレール・ゆりかもめ・千葉都市モノレール・横浜新都市交通・舞浜リゾートライン |
バス(発行事業者のみ) | 伊豆箱根バス・神奈川中央交通・関東バス・京浜急行バス・西武バス・東急バス・西東京バス・富士急行・山梨交通・江ノ島電鉄・京王電鉄バス・国際興業・箱根登山バス・船橋新京成バス・小田急バス・立川バス・川崎鶴見臨港バス・京成バス・相模鉄道・千葉交通・東武バスセントラル・日立自動車交通・平和交通 |
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