大阪~高松・丸亀線
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大阪~高松・丸亀線(おおさか~たかまつ・まるがめせん)は、大阪市と鳴門市、東かがわ市、さぬき市、高松市、坂出市、丸亀市を結ぶ昼行高速バスである。全便座席指定制のため、乗車には予約が必要。
阪急バスではさぬきエクスプレス号( - ごう)、四国高速バスではさぬきエクスプレス大阪号( - おおさかごう)、西日本JRバス、JR四国バスでは高松エクスプレス大阪号(たかまつ - おおさかごう)とそれぞれ愛称がある。
(大阪なんば~高松・国分寺間にたかなんフットバスというまったくの別会社が運行する競合路線がある。)
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[編集] 運行会社・主な運行車種
さぬきエクスプレス大阪号
高松エクスプレス大阪号
- ジェイアール四国バス
- 高松支店が9往復を担当
- 三菱ふそうニューエアロバス
京都~高松線や三ノ宮~高松線と同じく民鉄系(阪急バス・四国高速バス)と、JR系(西日本JRバス、JR四国バス)できっぷ・回数券の共通化、予約・発券場所の共通化、時刻表の共通化を行っているが、京都~高松線、三ノ宮~高松線と異なり、この路線では共同運行ではなく、あくまで競合路線扱いにしている。これは大阪~四国(高松以外)・関東・北陸各地を結ぶ多くの路線で競合する阪急バスと西日本JRバス・JR四国バスとの関係が非常に悪いことが大きな理由である。大阪側の乗車場所が統一されないのもこのためである。なお、四国高速バスと阪急バス、四国高速バスとJR四国バスは関係が良く、前述の「共通化」は四国高速バスの主導によって行われたものである。
西日本JRバス・JR四国バスに関しては、親会社の鉄道線と乗客を奪い合う構図となり、鉄道の特急より利幅の薄いバスに流れることは特にJR四国グループにとっては深刻な問題である。(このことは京阪神~高知、松山方面の系統にも通ずる所があり、実際の所こちらの方が深刻問題になっている。)
[編集] 沿革
- 1996年 4月15日 - 阪急バスと四国高速バスが2社共同で瀬戸大橋経由のさぬきエクスプレスの運行を開始
- 2001年3月30日 - 高松道が板野ICまで延伸し、西日本JRバスと四国旅客鉄道(当時)が高松エクスプレス大阪号の運行を開始。
- 2001年12月20日 - 丸亀バスセンター開業。さぬきエクスプレスの一部を丸亀始発に変更。
- 2002年4月27日 - さぬきエクスプレスと高松エクスプレス大阪号が予約・発券及び回数券を共通化。
- さぬきエクスプレスの一部便がOCAT経由に変更。高松エクスプレス大阪号も一部を丸亀始発に変更。
- 2002年8月1日 - 鳴門西停留所を新設。
- 2002年11月1日 - ゆめタウン高松 バスターミナルを新設、運行経路を小変更。パークアンドライド客のために24時間無料駐車場を設置。
- 2003年2月5日 - USJ・大阪梅田~高松の運賃を4100円から3800円に値下げ。4社共通のポイントカードサービスを開始。
- 2003年12月1日 - 全便OCAT経由に経路を統一。千里中央経由便、大阪梅田直行便は廃止。
- 2005年10月1日 - 24時間無料駐車場を設置した高松中央ICバスターミナルを新設(ただし乗車のみで、高松中央IC南停留所はこの時点ではそのまま)。
- 2006年4月1日 - 2往復を特定日(主に土日祝日)に限り、琴平駅まで延長運転。
- 2006年7月1日 - 高松中央ICバスターミナル駐車場拡大・降車停留場新設。高松中央IC南停留所廃止。
- 2006年9月30日 - ポイントカードサービスを廃止(5点以上のカードは現在も特典に引換え可)。また、阪急バスと四国高速バス便で開業以来行われてきたドリンクサービスも廃止された。ちなみにJR便では元々行われていない。高松駅発着のJRバス便も全便室津PAで休憩を取るようになる。(今までは乗務員によって停車か通過を決めていた)
[編集] 歴史
この路線は1996年に阪急バス・四国高速バスの2社の共同運行で新設され、瀬戸大橋を経由していたが、2001年に高松自動車道の高松中央IC~さぬき三木ICと津田東IC~板野ICが開業し、先行開業していた高松東道路と繋がってからは神戸淡路鳴門自動車道(明石海峡大橋)経由に変更された。(開通が遅れていた板野IC~鳴門IC間は徳島県道12号鳴門池田線経由。)この時に両社とも新車に置き換えられ、3列シートから4列シートにグレードダウンした。また、西日本JRバス・四国旅客鉄道(当時)がライバルとして同区間(大阪側の停留所はJR大阪駅)に参入した。2002年に高松自動車道が神戸淡路鳴門自動車道と直結してからは所要時間が大幅に短縮したことにより乗客数が大幅に増えてドル箱路線にまで成長した。だが、規制緩和によって高松エクスプレス(株)と南海バスがなんば(南海なんば高速BT)~高松間3600円の運賃とポイントカード(5回乗るとスルッとKANSAIカード1000円分が進呈され、10回乗ると11回目が無料となるもの)を売りにした、たかなんフットバスで参入してくる。阪急バスと四国高速バスはそれに対抗するためにJRバスと共同戦線を組み、一部便でJR難波駅(OCAT)立ち寄りを開始し、フットバスと同じ3600円の価格設定を行った。梅田からの運賃も3800円に値下げされている。OCAT立ち寄りにより、原則として阪神高速道路湾岸線経由となり、中国道経由と比べると大幅な時間短縮となっている。2003年からは阪急バス・四国高速バス・JRバスもポイントカードサービスを開始した(フットバスのものとほぼ同様だが、スルッとKANSAIの他にJスルーカード、オレンジカードにも交換可)。また全便がOCAT経由となり、大阪梅田直行便と千里中央経由便はすべて廃止された。西日本JRバスとJR四国バスでは新車のニューエアロバスが追加投入され、他路線から転用されていたニューエアロクィーン初期型、スーパークルーザーなどの古参車がほとんど置き換えられた。2006年4月からは土曜日・日曜日・祝日に2往復(四国高速バス・JR四国バスがそれぞれ1往復ずつ担当)が琴平まで延長運転されている。近年香川県内では高速パス利用者を対象に駐車料金を無料にしたり、大幅に割り引くなど、いわゆるパークアンドライドのシステムを積極的に推進している。(このことはとなりの徳島県内でも行われている。)
[編集] 停車停留所
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ) - 阪急梅田駅三番街BT(阪急・四国高速)/JR大阪駅桜橋口BT(JR) - JR難波駅(OCAT) - 鳴門西 - 高速引田 - 高速大内 - 高速津田 - 高速志度 - 高松中央ICBT - ゆめタウン高松 - 栗林公園前 - 県庁通り - 高松駅 - 坂出駅 - 丸亀 - 丸亀駅 (- 善通寺赤門前 - こんぴら温泉郷口 - 琴平駅)
- 大阪梅田は阪急バス・四国高速バス便とJRバス便では乗車場所が異なる。乗車場所を間違えて乗れなかったり、誤乗する客が後を絶たず、阪急梅田駅三番街BT・JR大阪駅桜橋口BTの乗り場にはチケットに記載された乗車場所を確認する旨の注意書きが書かれている。当路線は阪急バス・四国高速バス運行便の方が古くからあり、乗車場所の統一は難しい状態にある。
- 大阪便の全便が室津PA(神戸淡路鳴門自動車道内)で途中休憩を行う。
- 阪急バス運行便はユニバーサル・スタジオ・ジャパンには寄らない。
- 週末などには四国側事業者のみ琴平まで乗り入れる便がある。善通寺市や琴平町まで乗換なしで行くことができるが、国道319号の両市町を跨ぐ区間は片側1車線で、観光シーズンを中心に大渋滞が多発するため、大幅な遅延は避けられない。特に大阪行きでは丸亀以東の利用者にまともにはねかえってくる。
[編集] 車内設備
- 4列リクライニングシート
- トイレ
- フットレスト(四国高速バスの空港リムジン用を除く全車両、JR四国バスの一部車両)
- 座席間のアームレスト(阪急バスのほとんどの車両、四国高速バスの空港リムジン用を除く全車両、西日本JRバスとJR四国バスの一部車両)
- ニューズウィーク日本版の常置(阪急バスの一部便)
車内設備の良さで四国高速バス・阪急バス便を指名買いする客は少なくない。特に座席間のアームレストを装備しているので、若者や女性客からは根強い支持がある。しかし、実際はJRバス便の方が混んでいる。切符が買える場所が多く、USJに寄る便が多いためである。
[編集] 運賃
[編集] USJ・JR大阪駅・大阪(阪急梅田)発
鳴門西
- 大人片道3200円、大人往復5700円、大人回数券(4枚)11400円
- 小人片道1600円、小人往復2850円、小人回数券(4枚)5700円
- 学割片道2560円、学割往復5120円
高速引田
- 大人片道3300円、大人往復5900円、大人回数券(4枚)11800円
- 小人片道1650円、小人往復2950円、小人回数券(4枚)5900円
- 学割片道2640円、学割往復5280円
高速大内・高速津田
- 大人片道3400円、大人往復6100円、大人回数券(4枚)12200円
- 小人片道1700円、小人往復3050円、小人回数券(4枚)6100円
- 学割片道2720円、学割往復5440円
高速志度・高松中央ICバスターミナル・高松中央IC南・ゆめタウン高松
- 大人片道3600円、大人往復6200円、大人回数券(4枚)12400円
- 小人片道1800円、小人往復3100円、小人回数券(4枚)6200円
- 学割片道2880円、学割往復5760円
栗林公園前・県庁通り・高松駅
- 大人片道3800円、大人往復6400円、大人回数券(4枚)12800円
- 小人片道1900円、小人往復3200円、小人回数券(4枚)6400円
- 学割片道3040円、学割往復6080円
坂出駅・丸亀BC・丸亀駅
- 大人片道4100円、大人往復7380円、大人回数券(4枚)14760円
- 小人片道2050円、小人往復3690円、小人回数券(4枚)7380円
- 学割片道3280円、学割往復6560円
[編集] 湊町バスターミナル(JR難波駅・OCAT)発
鳴門西・高速引田・高速大内・高速津田
- 大人片道3200円、大人往復5700円、大人回数券(4枚)11400円
- 小人片道1600円、小人往復2850円、小人回数券(4枚)5700円
- 学割片道2560円、学割往復5120円
高速志度・高松中央ICバスターミナル・高松中央IC南・ゆめタウン高松
- 大人片道3400円、大人往復6100円、大人回数券(4枚)12200円
- 小人片道1700円、小人往復3050円、小人回数券(4枚)6100円
- 学割片道2720円、学割往復5440円
栗林公園前・県庁通り・高松駅
- 大人片道3600円、大人往復6200円、大人回数券(4枚)12400円
- 小人片道1800円、小人往復3100円、小人回数券(4枚)6200円
- 学割片道2880円、学割往復5760円
坂出駅・丸亀BC・丸亀駅
- 大人片道4100円、大人往復7380円、大人回数券(4枚)14760円
- 小人片道2050円、小人往復3690円、小人回数券(4枚)7380円
- 学割片道3280円、学割往復6560円
バスの乗車券はチケットセンター、コンビニ(ローソン、ファミリーマートなど)、旅行会社で事前に購入する。電話・インターネットで予約ができる。
西日本JRバス・JR四国バス運行便はJR西日本・JR四国管内にあるみどりの窓口でも乗車券が購入できる。
[編集] 外部リンク
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