マン・マシーン
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マン・マシーン(小説での表記はマンマシーン、Man Machine: MM)は、小説およびラジオドラマ作品『ガイア・ギア』に登場する、架空の兵器の分類の一つで、作中での人型をした有人機動兵器の総称。
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[編集] 概要
一連のガンダムシリーズに登場したモビルスーツと基本的な構造に変更はないが、特徴としていずれの機体もサブフライトシステムなしに大気圏内の飛行が可能になっている点が挙げられる。これはそれまで艦船や一部の機体にしか使われなかったミノフスキー粒子を利用した飛行技術が、試作機には従来の小型で高出力のジェネレーターを大型にすることによって標準的に組み込まれており、量産機には障害となりがちなコスト高とメンテナンスの煩雑さを解決するため開発された、飛行用オプション装備が用意されているためである。
試作機はシステムを大部分共有できるミノフスキーバリアーを同時に装備していることが多い。フィン・ファンネルタイプの兵器を搭載した機体はIフィールドを形成することも可能であるが、その機能はミノフスキーバリアーにより補われている。一部の高級機は飛行形態への変形機構を持ち、単独での大気圏突入もこなす。
あらゆる技術を限界まで追求し機体に搭載することにより、『機動戦士Vガンダム』で主流を占めていた15~16m級から、20~24m級までに大型化している。これは量産機が量産化にあたり、オプション装備にサイズを合わせる必要があったことも一因である。しかし、より大型で威力の高い兵器を搭載することができるほか、ペイロードの拡充にともない武装の選択の幅も広がるため、特に問題とはされなかったようだ。
モビルスーツと同じく核融合炉を搭載している機体が多いが、後に登場したガイヤスは二次反応炉を、ギッズ・ギースはψ-サイクル核融合による新型のジェネレーターを採用している。
[編集] 武装
ビームサーベル、ビームライフルなど、基本的な武装には平均的な破壊力以外にはさして変化はない。以下特徴的な武器について解説する。
- ファンネル
- 機器が高価であること、システムが複雑であることに加え、フォーミュラ計画に伴う機体の小型化により、UC110年代以降であっても、搭載される機体はごく一部の機体に限定されていた。しかし防御システムが一般的になるにつれ、相手がバリアを張っていたとしても領域内に侵入し直接攻撃できる利点により存在が重要視され、試作機には必須のものとなった。さらに改良により本体の小型化が進んだことにより、地上および空中戦用のミサイルタイプと、宇宙戦用のビームまたはメガ粒子砲タイプを両方ないし複数搭載している機体もある。
- サンド・バレル
- 対マン・マシーン用散弾。相手を牽制する目的で使われるほか、実体弾はもとよりタイミングを合わせればビーム攻撃も迎撃可能である。特別な発射装置がいらず、使い勝手が良いため標準装備となっているようだ。小説版での記述では小型ミサイルをばら撒くものとされていたが、解説では砂状の重金属粒子を詰めた弾丸とされており、判然としない。
[編集] ニュータイプ専用機
基本システムであるサイコミュに、従来のバイオセンサー、サイコフレーム、バイオコンピューターに代表される既存の技術をさらに改良させることにより生み出された、新しいユーザーインターフェースを用いることにより、操縦の追従性が飛躍的に向上している。これに標準装備のファンネルが加わり、きわめて高い戦闘力を誇る。作中ではゾーリン・ソール、ガイア・ギアαにアフランシが搭乗し、圧倒的な性能差を見せつけている。
しかし、この時代においても慢性的にニュータイプのパイロットは不足しており、通常はオールドタイプ(ニュータイプ以外の人類)により運用されている。その際サイコミュのシステムは切られているか封印されており、余剰パーツとなるファンネルは取り外される場合もある。サイコミュ自体は技術の進歩によりオールドタイプであっても使用できるように改良されており、出撃後に手動で稼動させることも可能である。が、その対価としての精神や肉体、特に脳へのダメージは深刻であり、パイロットにとって諸刃の剣であった。
[編集] デザイン
デザインを手がけたのは、いずれも伊東守である。彼のコメントによれば、元は小説の挿絵なので、アニメでは動かせないような形にしたとのことである。実際量産機を除いてはいずれも突起物が多く、複雑な機体となっている。なお、小説1巻の改修前ゾーリン・ソールのデザインを手がけたのは佐山善則。
[編集] 機体一覧
- メタトロン
- 地球連邦軍(マハ)
- ブロン・テクスター(ウル・ウリアン搭乗機、レイラ・セイバー搭乗機)
- ブロン・テクスター量産型
- ブロン・テクスター改良型
- ガウッサ
- ガウッサ UM-190B.I
- ガウッサ UM-190B.I(月軌道艦隊所属機・本編未登場)
- ガウッサ UM-190B.II
- ギッズ・ギース
[編集] 補足
ミノフスキードライブという言葉はこの作品が初出だが、これ自体は原作者の富野由悠季がオプションのミノフスキー・ドライブ・ユニットを、ミノフスキークラフトのユニットを装着しドライブ=機動させるものと考えてつけた名前であり、その語感を気に入ったカトキハジメが、後にアニメ『機動戦士Vガンダム』や漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』で登場させた推進システムとは同一のものではないようである。
また、ブロン・テクスターなどに搭載されたミノフスキードライブも、ミノフスキークラフトが作中に同時に登場しているため区別されている可能性がある一方、前述の理由により一般的なミノフスキードライブとは別物とも考えられる。
[編集] 関連項目
- モビルスーツ関連項目