アルバム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルバム(album)は、公衆に流通した、関連付けられたオーディオトラックの集合。多くは市場で流通するが、一部ライブやコンサートの会場などに、あるいはウェブサイトのみを通じて直接販売されることもある。
目次 |
[編集] 由来
「recoad album」という用語は、20世紀前半までの、最大収録時間3分(10インチ盤)~5分(12インチ盤)のSPレコード(78回転盤、シェラック盤)が主流だった時代、何枚かのレコードを写真アルバムに似せた本という形で発売させたことに由来する。最初にアルバムと呼ばれたレコード集は、オデオンレコードによって1909年にリリースされた、ピョートル・チャイコフスキーのくるみ割り人形を収録した4枚組である。価格は16シリングであった(2006年現在の通貨価値だと約1万1000円に相当)。
1948年、コロムビア・レコードから、ビニライトででき、音溝を細くした、直径12インチにもかかわらず最大収録時間30分程度のLPレコード(33回転盤、ビニール盤)が生産された。LPは長時間再生 (logn play) の略である。LPレコードの収録時間は、それまでのアルバムのうちかなりのものを丸ごと入れることのできた。従来のレコード・アルバムを1枚のLPにしたものや、新しく発売された複数曲収録のLPも、アルバムと呼ばれた。
今日、ビニールでできたレコードは主要な形式としては使用されないが、「アルバム」という用語はCD、ミニディスク、コンパクトカセット、あるいはMP3アルバム上の録音の集合に対し使われている。
[編集] シングルとの違い
新しいメディアが大容量を誇るので、アルバムがどのぐらい長くあるべきかという問題が議論になる。UKシングルチャートは4トラック以上、または、収録時間の合計が20分を超えるものはアルバムとされる。
日本のオリコンは、ポップスでは4曲(4トラックではない)を超えるとアルバムとしている。これを利用して、シングルに同じ曲のリミックスを多数収録し、お買い得感や話題性を出すことがある。たとえば、浜崎あゆみのマキシシングル「A」は、14トラック(ボーナストラック含む)あり、かつ20分をはるかに超える収録時間にもかかわらず、そのほとんどが同じ曲のリミックスで実際は4曲しか収録されていないため、シングルとされた。ただし、10曲が収録された山崎邦正の「ヤマザキ一番」など、8 cm CDは曲数にかかわらずアルバムでなくシングルとされた。クラシックなどでは、1曲でも時間が長ければアルバムとされる。また、曲数はディスクごとではなくパッケージで数えるため、シングルボックスはアルバムとされる。
[編集] アルバムの種類
[編集] 長さによる分類
収録時間の短いアルバムをミニアルバムと呼ぶ。それに対し、ミニアルバム以外のアルバムをフルアルバムと呼ぶ。ミニアルバムとフルアルバムの違いは明確ではないが、おおよそ、6曲前後までならミニアルバム、8曲前後からフルアルバムと呼ばれる。
LPの直後、RCAビクターが、LPと類似の技術を使い、LPより小さく収録時間は12インチSPとほぼ同じ5分であるEPレコード(45回転盤)を発売した。EPはextended playの略で、シングルより長いことを意味する。これにより現在でも、収録時間が特に短いミニアルバムをEPと呼ぶことがあるが、シングルのことをEPと呼ぶこともある。
2枚組アルバム、ダブルアルバムと呼ばれる、1つのパッケージの中に2枚のディスクを収納したものを出すことがある。これらは、収録時間がディスク1枚の上限を超えていることが多いが、オリジナル盤とリミックス盤など、必ずしも上限を超えなくても分けることがある。
多くの作品を持っているアーティストは、しばしば多くの既に発表された音源を含む、何枚かのディスクを1つの箱に入れてリリースすることがある。これらは、CDボックス、ボックスセットと呼ばれる。
[編集] 内容による分類
- コンピレーション
- トリビュート・アルバム
- コンセプト・アルバム
- ライブアルバム
- ベストアルバム
- カバーアルバム
- 企画アルバム
これらに対し、通常のアルバムをオリジナルアルバムと呼ぶ。