モビルドール
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モビルドール (MOBILE DOLL: MD) は、アニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する、架空の兵器の分類の一つ。無人で行動するモビルスーツ(あるいはモビルアーマー)のことを指す。
米陸軍で2005年3月より配備されるというマシンガン搭載のFoster-Miller製ラジコン型ロボット兵士「Taron」もコンセプトはモビルドールと同じである。
本稿では、『ガンダムW』以外のガンダムシリーズにおける無人モビルスーツも併せて解説する。
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[編集] 各世界観における無人モビルスーツ
[編集] 宇宙世紀における無人モビルスーツ
メディアワークス発行の雑誌「電撃ホビーマガジン」の企画『ソロモンエクスプレス』では、一年戦争末期にザクゾンビという無人モビルスーツが投入され、指差しザクと呼ばれる指揮官機によって遠隔操作されていたとされている。
また、古くは松浦まさふみの漫画作品『アウターガンダム』シリーズにも無人機が登場しており、こちらはファントムと呼ばれているが、どちらかといえば肯定的な存在として描かれている。
さらに、ゲーム版『G-SAVIOUR』にも同様の機体が登場しているが、こちらはモビルウェポン (Mobile Weapon: MW) と呼ばれている。
[編集] 未来世紀における無人モビルスーツ
『機動武闘伝Gガンダム』に登場したカッシングも無人の機体であったが、こちらは無人モビルスーツと呼ばれている。
[編集] アフターコロニーにおけるモビルドール
モビルドール (MOBILE DOLL) とは、 "MOBILE Direct Opertional Leaded Labor" の略である。OZで採用された、他のパイロットの戦闘データを戦闘アルゴリズムとして組み込んであるモビルスーツ(及びモビルアーマー)のことであり、自立行動が可能であるほか、他者が遠隔操作することも可能である。
人が乗っていないことでスペースに余裕があるため補充の必要性が少なくなるほか、人体が耐え得る以上の高G機動(トーラスは8Gまでも加速した)が出来るという効果がある。しかしその反面、戦争がゲーム感覚になってしまい、殺戮を行うにもかかわらずモビルドールで攻撃する側は血を流すことがないため、戦争を始めたという責任を感じなくなり、戦争の悲惨さを省みなくなってしまうものとして、劇中でも存在を否定されていた。これは当時湾岸戦争などでアメリカ軍がおこなっていた精密爆撃に対するアンチテーゼと考えられている。
その攻撃リズム、パターンはまさしく機械的で狂いが無く、機動性と正確な攻撃で、登場初期はガンダムタイプを含む有人機を圧倒していたが、機械的な動きが読まれやすいのか、後半になると、ガンダムのパイロットなどの優秀な能力を持つ者をそれほど苦しめることはできなかった。
[編集] 主な機種
- OZ-06MS リーオー (モビルドールシステム試験機)
- OZ-01MD トーラス
- OZ-02MD ビルゴ
- OZ-03MD ビルゴII / WF-03MD ビルゴII
[編集] アフターウォーにおけるビットモビルスーツ
ビットモビルスーツは、『機動新世紀ガンダムX』に登場した無人モビルスーツ。ニュータイプが母機となるモビルスーツよりフラッシュシステムによって遠隔操縦する。
ガンダムタイプ各機にはそれぞれ専用の、母機と同様の能力や武装を有するビットモビルスーツが制作され、母機一機あたり12機のビットモビルスーツが割り当てられ一つの部隊を構成していた。これらのうちガンダムレオパルド用のGT-bit、ガンダムエアマスター用のGW-bitは第7次宇宙戦争でことごとく失われたようで、劇中に登場するのはガンダムX用のGX-bitのみである。
ガンダムタイプ以外でも戦後制作されたラスヴェートのためにビットモビルスーツが制作されている。これは母機と外見が頭部含め全く同じという特徴を持つ。
月面基地には自衛用のビットモビルスーツが配備され、D.O.M.E.の意志によって動かされていた。月面基地を制圧しようとするものを退ける一方で、真実を知るべき人々に対してはこれを導く役目も果たした。
[編集] 正歴におけるロボット
『∀ガンダム』に登場したズサンはロボットと呼ばれている。また、バンデットも、メリーベル搭乗機以外は無人機であった。特別な呼称は特になかった。無人機の制御方法については諸説あり、モビルドールであるとする説やフラッシュ・システムによる制御のビットモビルスーツであるとする説などがある。
[編集] コズミック・イラにおける無人モビルスーツ
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-に登場するスターゲイザーはD.S.S.D(深宇宙探査開発機構)が開発した外惑星探査用の無人作業MSである。 無人機として開発されたが、コクピットもきちんと作られており、人間が搭乗して操縦することも可能。なお、劇中では無人状態で運用されなかった。
[編集] 参考文献
[編集] 関連項目
[編集] モビルスーツ関連項目
特定の種別のモビルスーツに関する項目。