ヒューレット・パッカード
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Hewlett-Packard Company(ヒューレット・パッカード・カンパニー,NYSE:HPQ)は、主にコンピュータやプリンタなどコンピュータ関連製品の開発・製造・販売・サポートを行う企業である。略称は「HP」。
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[編集] 概要
本社は米国カリフォルニア州パロアルトにある。日本法人は日本ヒューレット・パッカード株式会社。
1939年に、ウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードにより創業される。元来は計測器メーカーであったが、計測器は1999年にアジレント・テクノロジーへ分割、現在ではコンピュータ関連メーカーとなっている。パソコン、サーバー、プリンタなどで世界的シェアを持つ一方、社員の多様性を尊重した社風"HP WAY"でも知られる。2002年にコンピューター最大手コンパックコンピュータ (COMPAQ) との大規模合併で話題を呼んだ。日本国内では、プリンタ事業を通じた知名度もあるが、インクジェットプリンタ事業においては、キヤノンとエプソンの激戦状態に水をあけられた3番手以降のグループに置かれる状態にある。そのため、一部の店舗販売を除いて直販を主力で営業している。
[編集] コンピュータハードウェア
- HP-IB - GP-IBの元となる規格
- サーバ
- HP ProLiant サーバ
- HP BladeSystem
- HP Integrity サーバ
- HP Integrity Superdome
- HP 9000 サーバ
- HP Integrity NonStop サーバ
- パーソナルコンピュータ
- compaq dx シリーズ (デスクトップパソコン)
- compaq nx シリーズ (ノートパソコン)
[編集] コンピュータソフトウェア
- HP-UX
- OPENVIEW
[編集] マイクロプロセッサ
[編集] プリンター
HP製のインクジェットプリンターは、一部の機種(シリーズ)を除き、プリントヘッドとインクタンクが一体型のカートリッジとなっている のが特徴である。 世界的にはトップシェアを誇っているが、日本においては、エプソン、キヤノンの次のその他のグループに甘んじている。 ヘッドのインク詰まりがほとんど発生せず(詰まっても構造上簡単に交換できる)、ハードウェア自体の耐久性も高いため、一部の熱狂的な愛好者が存在する。 黒インクは古くから顔料系のものを採用し、普通紙印刷でもにじみのない(目立たない)品質を謳い文句にしていた。
小規模オフィス(SOHO)向けに強みがあり、USB、プリントサーバ(有線・無線LAN)などのインターフェース、 スキャナ・FAX等の機能を搭載した複合機を他社に先駆けて積極的に導入したりしている。
本体の給紙・排紙は、伝統的に本体前面から行う方式が採用されている。本体後方に給紙スペースが要らず、埃に強いなどの利点があるが、本体後方で180度反転する機構上、厚手の封筒やハガキの印刷は不得意であるとされている。(年賀ハガキ程度は問題ない) その機構を逆手にとり、両面印刷機構を他社に先駆けて導入している。
基本的な(とくに写真レベルの)印刷画質は、基本的にインクカートリッジに依存する。 同時期に発売された機種で、同じタイプのカートリッジが採用されていれば、高機能・高級品から廉価品まで基本的に印刷品質に差が出ない。
写真画質に対する取り組みに関しては元々は熱心ではなかったが、2002年発売のDeskJet 5550以降はフォトインクを追加し、6色カラー印刷に対応させ、次のモデルDeskjJet 5650でようやく4辺フチなし印刷に対応した。 それ以降はラインナップを印刷専用機から複合機へシフトさせている。
2006年現在、コンシューマ向けのラインナップのほとんどが複合機となっている。
- インクジェットプリンター
- Photosmart シリーズ (コンシューマ向け)
- Officejet シリーズ (SOHO向け)
- Deskjet シリーズ (かつて主力だった印刷専用機)
- DesignJet シリーズ (A2サイズ以上、ロール紙使用の大型プリンター・プロッタ)
- PSC シリーズ (かつての複合機)
- レーザープリンター
- LeserJet シリーズ
- Color LeserJet シリーズ
[編集] インクカートリッジ
HP製インクジェットプリンターは、前述の通り、一部を除いてヘッド一体型のものを採用している。 使用するカートリッジの種類によって(とくに写真の)印刷品質レベルが決まり、使用するプリンター本体の世代の分類ができる。
インクカートリッジは2桁もしくは3桁の番号で種類分けされており、パッケージに番号が目立つように記載されている。
SOHO・コンシューマ向けのものは、世代によって下記のとおりに分類できる。(下のほうが新しい)
- 下記以前の系統
- フォトカラーインク込みで6色印刷に対応したモデルも存在した。
- 46番 (黒), 23番 (3色カラー) 系統 - 1998年頃
- この系統が販売されていた1999年時点で接続デバイスにUSBが採用された。 同年に配布されたWindows2000評価版 (RC1) にはすでにDeskjet 800番台シリーズのUSB接続用デバイスドライバが含まれていた。
- おもな採用モデル:Deskjet 710c, Deskjet 895cxi, NEC PICTY 920 など
- 46番 (黒), 78番 (3色カラー) 系統 - 2000年頃
- この系統の本体が一番耐久性に優れているといわれ、熱狂的な愛好者が存在する。
- おもな採用モデル:Deskjet 930c, Deskjet 990cxi, NEC PICTY 960 など
- 56番 (黒), 57番 (3色カラー), 58番 (フォトカラー) 系統 - 2002年頃
- 本格的に写真印刷に本腰になった系統。大半のモデルは黒インクとフォトカラーのカートリッジを取り替えて使うようになっている。 フチなし印刷に対応するようになったのはこの系統から。
- おもな採用モデル:Deskjet 5850, PSC 2550 Photosmart, Officejet 6150, NEC PICTY 970, SONY MPR-705 など
- 130番 (黒), 134番 (3色カラー), 138番 (フォトカラー), 100番 (フォトグレー) 系統 - 2004年頃
- 「vivera」というブランドネームを付け、写真印刷の耐候性は100年を謳っている。
- おもな採用モデル:Photosmart 2710 All-in-One , Deskjet 6840, Officejet 7410, CASIO PCP-120, SHARP UX-MF60CL など
- 177番 系統 (各色独立タンク) - 2005年
- この系統から印字ヘッドとインクタンクが分離された。黒インクは染料系が採用された。
- おもな採用モデル:Photosmart 3210a, Photosmart C7180 など
[編集] 他社における展開
HP製のインクカートリッジを使用したインクジェットプリンターは、NECが長期にわたって採用し、「PICTY」ブランドで販売していた(HP製のOEMである)。
ソニーも一時期採用していたが、カートリッジ形状は同じでも自社ブランド製品しか使えない本体も存在した。2006年12月に自社ブランドカートリッジの供給を止める告知がされ、HP社製カートリッジを使うようアナウンスされている。[1]
近年では、シャープがFAX複合機「見楽る」シリーズに、カシオがデジタル写真プリンターにHP社製インクカートリッジが使えるシステムを採用している。 日本国外ではサムスン製などのFAX/モノクロプリンター複合機も存在する。
[編集] 電卓
HP製の関数電卓は逆ポーランド記法を採用し、エンジニアやエコノミストなど専門家の間で有名であり人気があった。2006年の時点では通常の電卓も販売している。なお、電卓販売については日本市場から撤退した。
[編集] 日本ヒューレット・パッカード
[編集] 沿革
- 1963年 - 横河・ヒューレット・パッカードとして設立。YHP、横河電機51%・HP49%出資の合弁会社。
- 1995年 - 日本ヒューレット・パッカードに改称
- 1999年 - 横河電機との合弁解消。米HP100%子会社化。会社を分割して、計測器部門をアジレント・テクノロジーとして独立させる。
- 2002年 - コンパックコンピュータ (Compaq Computer Corporation) を合併。COMPAQはPCのブランドとして存続。
[編集] 外部リンク
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