アルバニア語
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アルバニア語 Gjuha shqipe |
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話される国 | アルバニア、セルビア・モンテネグロ、マケドニア共和国、ギリシア、トルコ、イタリアその他 |
地域 | 東ヨーロッパ |
話者数 | 616万9000人 (Ethnologue, 2000) |
順位 | 100位以下 |
言語系統 | インド・ヨーロッパ語族 アルバニア語 |
公的地位 | |
公用語 | アルバニア、セルビア・モンテネグロ、マケドニア共和国 |
統制機関 | - |
言語コード | |
ISO 639-1 | sq |
ISO 639-2 | sqi |
ISO/DIS 639-3 | |
SIL | ALS, ALN, AAE, AAT |
アルバニア語 (Shqip) はインド・ヨーロッパ語族に属する言語で、この言語だけで独立した語派を形成しているが、ルーマニア語やブルガリア語と共通の特徴をもつバルカン言語連合をなす。
この言語は約600万人によって話されていて、その内350万人がアルバニア国内で、そして残りはコソボ、マケドニア、モンテネグロ、ギリシャ北西部で話されている。また、南イタリアの約40都市とシチリア島において、15世紀頃に移住したアルバニア人であるアルベレッシュの人達が中心となってアルバニア語のコミュニティーが作られた。最終的には、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、そしてまた多くの国外移住者によってアメリカ、そしてオーストラリアも同様に、幾らかの規模の小さいグループが形成されアルバニア語が話されている。
アルバニア語は2種類の方言に分かれ、シュクムビン川を境に北でゲーグ方言、南でトスク方言となっている。
アルバニア語が文字として表現されたのは比較的遅く、アルバニア語で記された最古の文献、テクスト群は15世紀の半ばに保存された。現存する最古の印刷文献は、ローマ・カトリック教会の聖職者、ギオン・ブズクにより1555年に書かれた。アルバニア語を教えた最初の学校は、1638年にフランシスコ会により設立された。
イスラム教民族である為、歴史的にアラビア文字で綴られた事もあるが、現在の標準的な書き言葉はトスク方言をベースに、ラテン文字が採用されている。下表最下段はIPAによる音素。
アルバニア語アルファベット | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アルバニア語がインド・ヨーロッパ語族に属することが証明されたのは1850年代である。アルバニア語は、基本的には古代のイリュリア語かダキア語のどちらかを祖先とすると考えられている。この二つの言語は、2000年前に東南ヨーロッパで話されていた。 長い歴史の中で、アルバニア人はたくさんの語彙(ごい)を周辺から借用した。主なものにはラテン語、スラヴ諸語、ギリシャ語そしてイタリア語がある。このため本来の語彙は数百しか無いと言われている。
アルバニアがアルバニア語トスク方言を公用語とする他、セルビアのコソボ自治州および マケドニアで公用語として用いられている。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: アルバニアの言語 | セルビアの言語 | モンテネグロの言語 | インド・ヨーロッパ語族