アナルセックス
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アナルセックス (Anal Sex) 、肛門性交(こうもんせいこう)とは、人間の性行動の一種で、男性器(陰茎)を女性または男性の肛門、直腸へ挿入する行為のこと。 ソドミーともいう(旧約聖書のソドムから)。 広義には玩具などを使うなどして肛門、直腸に関わる性行為のすべてを含む。
この文中では肛門性交で統一して表記する。
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[編集] 特徴
主に男性の同性愛者が行うと思われているが、古くから異性愛者間でも行われることがあった。
また、異性愛者間の肛門性交においては、時に避妊、結婚するまで処女を守る、月経の際の膣性交を避けるといった目的で、肛門性交が行われることもある。
1990年代から2000年代にかけて性の情報が広まり、欧米や日本のポルノ、アダルトビデオ等ではよく見受けられる。
[編集] 生理的背景
肛門は口や女性器などと同様に粘膜組織が体外に露出している箇所であり、感覚が敏感で脳の体性感覚の地図で大きな面積を占めている。 これらの箇所は性的な快感とも関係があるとされており、適切な方法で行えば性的な満足感の得られる行為になる。
[編集] 他の生物での例
ボノボは性交や性器への刺激をストレス緩和のコミュニケーション(ホカホカ)の一つとして行っており、一部のオス同士などで、肛門性交が行われていることが確認されている。
[編集] 問題点
肛門は本来、排泄を行うためのものであり、必ずしも性交に適切であるわけではない。 そのため、異物の挿入によって裂傷や擦過傷とそれによる出血、痔裂、脱肛、炎症性腸疾患までを引き起こすことがある。 また、挿入側にも様々な性感染症(A型肝炎を含む)、腸内の大腸菌等の細菌による尿道炎等の尿路感染症を引き起こす恐れがある。 そして、肛門括約筋には自らの意思で収縮・弛緩させることのできる(随意筋)外括役筋と、意図的に弛緩させることのできない(不随意筋)内括約筋とがあり、十分な準備をせずに肛門性交を行ったり、本人の意に反する形(場合によってはレイプ等)で行うと、表皮のみならず皮下組織、筋肉組織をも損傷し、甚だしい場合には便失禁に至ることもある。
そのため、肛門性交する前には、浣腸などによる腸の洗浄と避妊具(コンドーム)の着用、十分な量の潤滑剤の使用等の対応をする必要がある。 また、挿入する側は、挿入される側の体調に配慮し、挿入される側の意思をできる限り尊重することが望ましい。
また、肛門性交における性感染症は、基本的に膣性交における性感染症と同じであるが、診療にあたる医師の念頭に肛門性交の可能性がない場合、しばしば診断の遅れや誤診に繋がる危険性がある。 適切な治療を受けるためには、肛門性交の有無を医師にも伝えることが望ましい。
[編集] 歴史と文化
肛門性交はその体位が動物的な場合が多いこと、排泄を行う箇所を性交に使うことへの抵抗など、文化や習俗と合わせて、こうした行為に不快感を抱く人も少なくない。 こうした行為を、世界のいくつかの地域、文化圏ではタブー視したり、法により禁止しているところもある。
なお、男性の同性愛者(ゲイ)は常に肛門性交を行うものとの誤解もあるが、男性の同性愛者(ゲイ)のセックスは多様であり、必ずしも肛門性交が行われるとは限らない。(詳しくは同性愛を参照)。
かの有名なマルキ・ド・サド(サディストの語源)は、自分が捕らえられた時、妻へ差し入れを頼んだ際に自分の肛門に入れる張り型を持って来るように指示し、これを独房内で自慰のために使用した記録がある。
[編集] 欧米およびキリスト教文化圏
カトリックでは処女性が強く求められていたことと中絶を認めていなかったため、中世ヨーロッパで広まった、という説がある。
また法律での禁止例として、アメリカ合衆国で施行されていた「ソドミー法」がある。 この法律は同性愛を禁じるための法律であるが、頭の中を規制することは出来ないため、その行為である肛門性交を禁じるものである(異性同士の肛門性交も含まれる)。 かつては50州に存在していたが、2004年現在で13州にまでなっている。 テキサス州の法律は、2003年6月26日にアメリカ最高裁により違憲との判決を下された。
[編集] イスラム教文化圏
詳しくはイスラーム世界の少年愛を参照。
[編集] 日本
日本でも過去に、男性同士の間で行われていた(僧侶と稚児、衆道、陰間茶屋など)。 古代ギリシア以降、肛門性交を中心とする男色・衆道文献や習慣が最も普及したのも、封建時代の日本である。
[編集] その他
パプアニューギニアやザンビアの一部地域では、男性の成人の儀式として実施されている。これらの地域では、精液が男性を男性たらしめる根源とみなされており、十分な精液を持たない不完全な男性であるとされる少年を真の男性に転換させるため、肛門性交や口淫によって成人の精液を摂取させる。 [1]
[編集] 参考文献
- ↑ 氏家幹人 『武士道とエロス』 講談社〈新書〉、2000年、151-152頁