Quake
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Quakeはid Softwareの開発した、DOOMと並んでファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)の元祖とされているコンピュータゲームである。 Quakeは当時のフィールドだけを3Dで表示するFPSと違い、登場するすべてのオブジェクトを3Dポリゴン描写するという画期的なシステムを導入していた。 日本では初代DOS/V版がP&Aから、Windows版がゲームバンクから、Quake 2がP&Aから、Quake 3がP&Aから、のちに再販版がサイバーフロントからリリースされている。2005年10月27日にはライブドアより日本語マニュアルつき英語版Quake 4がリリースされた。
[編集] シリーズ
- Quake (1996年)
- シリーズ第1作
- 今までDOOMなどでの、二次元のマップやオブジェクトなどを上手くアニメーションさせて三次元に見えるようにするという方法を根本から覆した作品。モンスターやマップ、オブジェクトが全てポリゴンで作成され、立体構造マップなども表現可能になった(橋など歩ける場所の下を潜り抜けられる等)。発売当時はその驚異的なグラフィックで一躍話題となったが、要求するスペックが高すぎたために最高の状態でプレイ出来る者は多くは無かった。また今まで通信対戦はローカルエリアネットワークなどの狭い範囲でしか出来なかったが、Quakeではインターネットによる通信対戦を初めて実用した。これにより世界中のプレイヤーと殺しあったり、旗を奪い合ったり、共に敵を退治するなどが出来るようになった。しかしマルチプレイにおいては、相手プレイヤーの動かすキャラクターが速過ぎて少々クセがあるという指摘もある。後に拡張パックやトータルコンバーションなども発売された(現在入手は極めて難しいと言われている)。また海外ではNINTENDO64、セガサターンと家庭用ゲーム機にも移植されている。
- Quake II (1997年)
- シリーズ第2作
- ジョン・ロメロがid Softwareを退社した後、新たにエンジンを約1年ほどで完成させ、1997年のE3で公表された作品。それは前作のQuakeを凌ぐ高度なグラフィックで、当時のE3の注目の的となった。ゲーム内容はQuakeよりもシングルプレイに力を入れ、武器などもシングル向けにクセをつけるなどして微調整を図った。またネットコードの改善をはかり、よりスムーズに通信対戦を可能にした。多くのプレイヤーとしては、シングル面はあまり手をつけず、マルチプレイのみやるという意見が多い。これはQuakeのマルチプレイが盛んであったため、食傷気味なシングルはもはや武器の扱い方の練習ということに位置付けられていると言われている。またこのQuake IIは数々のゲーム制作会社からエンジンを買われ、ハーフライフ、カウンターストライク、SIN-罪-、Daikatana、Kingpin、Soldier of Fortuneなどのゲームが誕生した。更にこれも拡張パックやトータルコンバーションが存在する。しかしどれも結局はマルチプレイ中心に遊ばれていた本作には需要は無く、あまり好評では無かったようだ。
- Quake III Arena (1999年)
- シリーズ第3作
- マルチプレイに特化した作品であり、シングルモードはbotとの対戦となる。botは人工知能が今までのQuakeシリーズでも格段に優れ、またグラフィックも前作Quake IIのそれを遥かに上回るもので一気に注目を集めた。しかし、当時Unrealのマルチプレイに特化した作品、Unreal Tournamentも同様の理由で高評価を得ており、この2作品はあらゆるメディアで比較された。しかし武器の使い分けによる戦略性、様々なゲームモードを搭載したUnreal Tournamentは、今までのQuake IIのマルチプレイのゲームモードしか搭載してなかったQuake IIIを破り、見事ゲーム・オブ・ザ・イヤーに輝いてしまった。これは後にQuake IIIは失敗だったとid Softwareの関係者は話している。更にid Softwareは、この市場の評価をえらく気にしていたのか、拡張パックQuake III Team Arenaを発売する。しかしながら、これに含まれているゲームモードもプレイヤーにとってはあまり魅力的なものは無く、更にこのパックを持っていなければそれらのゲームモードを扱っているマップへの接続も不可能であったため、結局これも失敗に終わる。しかしながら随分たった今でも、少数ではあるがプレイしている人はチラチラと見られる。またmodやスキンの製作もなされており、数々のサイトでダウンロード出来る所がある。また、このQuake IIIのエンジンも色々な会社に買われ、Star Wars Jedi Knight II:Jedi Outcast、Soldier of Fortune II、Star Trek Elite Forceシリーズ、メダル・オブ・オナー (ゲームソフト)シリーズなどの作品がそれのエンジンを使用している。
- Quake 4 (2005年)
- シリーズ第4作。
- 開発はid SoftwareではなくSoldier of Fortuneシリーズの開発で知られるRaven Software。
- グラフィックエンジンはDOOM3の改造エンジンを使用。
- シングルモードのストーリーは2の続編となる。
- マルチプレイはDoom 3エンジンを利用してQuake 3 Arenaを再現した、スピーディなスポーツ系FPSとなる。
- プレイ環境の推奨スペックは高く、敷居が高いことから「Q4は結構です」という言葉も生まれるほどである。
- 今回は武器のアップグレードを可能にするシステムが導入された。これはシングルプレイのみなのだが、ストーリーを進めるうちに、手持ちの武器のいくつかが改造処理を施され、より強力になるというものだ。例えばネイルガンが追尾機能を搭載したり、ハイパーブラスターが壁に着弾すると跳ね返る等。マルチではあらかじめ調整されており、Quake III Arenaのような使いがてではあるものの、ロケットランチャーの弾速が遅かったり、また最強の武器であるDark Matter Gunは、シングルでは近くの敵を吸い込んで倒すのだが、マルチでは広範囲に爆風を発生させるなどの少々クセのある武器もある。
- シングルプレイでは仲間が存在する。彼らは共に戦ってくれたり、怪我の治療を行ったりしてくれる。また彼らがやられてもゲームオーバーに集約されないので、どんどん進められる仕様になっている(一部例外あり)。
[編集] その他のシリーズ
- Enemy Teritorry:Quake Wars(2007年発売予定)
- Wolfenstein:Enemy TerritoryのQuakeバージョン
- どんな内容かはまだ明らかになっていないが、乗り物などが用意されていると思われる。
- 完全マルチプレイ対応で、シングルプレイやキャンペーンなどは一切含まない。プレイヤーは地球軍かストログ軍のどちらかを選び、プロフィールなどを作成する。そして自分の好みの戦いが行われているサーバへログインし、そこでのルールに従って戦う。
- 地球軍:割と現実的な武器。即着弾系の武器が多い(アサルトライフルやスナイパーライフルなど)。また、クラス制を導入し、ソルジャーは戦い専門、エンジニアはミッションにおける様々な仕掛けなどを施し、メディックは仲間の回復など。エアストライクなども使えるクラスもある。
- ストログ軍:Quakeよりの武器を所有し(レールガンやハイパーブラスターなど)、クラスも特異なものがある(仲間の死体を化学的に変質させ、そこに死んで観戦状態のプレイヤーを新たに復活させるなど)。
- 乗り物は小型攻撃バギーや装甲車、戦車などの他に、二足歩行ビークルが登場する。これはおそらくストログ軍のものと思われる。