OPENSTEP
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OPENSTEP(オープンステップ)は、オペレーティングシステム, ソフトウェアの一仕様、またそれに準拠したNeXT Software社の製品名でもある。
先進的な設計から非常に評価の高かったNEXTSTEPのうち、Machカーネルと切り離した上位フレームワーク層を整理してFoundation/AppKitを取り出したもので、公開仕様として1994年9月に発表されたものはOPENSTEP Enterprise(Sunとの共同開発)と呼ばれ、稼動実績としては Solaris, HP-UX, Windows NT上のものがあった。また従来のNEXTSTEPはバージョンアップされOPENSTEP for Machとしてリリースされた。これらはソースコードレベルのクロスプラットフォームを実現しており、基本的に再コンパイルのみでソフトウェアの移植が可能である。
現Mac OS XのCocoaやWindows版WebObjectsに付属する開発実行環境はOPENSTEP直系のフレームワークである。他に有志により一から開発されたクローンのGNUstepもある。これはX11, Windows NTで動作する。
OPENSTEPの生産性の高さを示す一例としてはティム・バーナーズ=リーの証言が挙げられる[1]。記述によれば「他のプラットフォームならば一年以上かかることをNEXTSTEP上ならば二ヶ月でできた」とあり、実際リーはほとんどコードを書く事なく最初のウェブブラウザWorldWideWebを書き上げている。
他にも、例えばJavaのクラス設計にはOPENSTEPの強い影響があるといわれる。このように普及こそしなかったものの周囲に与えた影響は小さくない。