Ju 52 (航空機)

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Ju 52/3m ge

概要
用途	輸送機・爆撃機・旅客機
乗員	パイロット 2名
乗客	17
初飛行	1930
運用開始	1935
製造者	ユンカース
単価
寸法
全長	18.9 m
全幅	29.2 m
全高	5.55 m
翼面積	m²
重量
空虚
運用	9,200 kg
最大離陸	10,000 kg
動力
エンジン	BMW 132A-1×3
出力	650 hp×3 485 kW×3
性能（目安）
巡航速度
最大速度	265 km/h
航続距離	870 km
実用上昇限度	6,100 m
上昇率	m/min
翼面荷重	kg/m²
武装
機関銃	MG 15, 7.92 mm×3
爆弾	1,500 kg (3,305 lb)まで
その他

Ju 52（ドイツ語:Ju 52ユー52）は、ドイツのユンカース社が開発した航空機である。主として、輸送機や旅客機として用いられた。1930年代から第二次世界大戦中のドイツ軍用輸送機としても著名である。

ジュラルミン波板の外皮構造と3発のエンジンが特徴で、極めて頑丈な機体であった。Tante Ju（タンテ・ユー　「ユーおばさん」の意）の愛称でも知られる。

スペイン内戦や第二次世界大戦では、ルフトヴァッフェ（ドイツ空軍）により爆撃機としても使用された。

[編集] 概要

原型機は1930年に単発で初飛行したが、1932年にBMWのエンジンを3発にすることによって性能が向上した。一般にJu 52といえばこの三発型 Ju 52/3m のほうで知られている。枝番号の3mは三つのモーター（motor、エンジンのこと）を表している。

[編集] 特徴

鋼管構造をベースに金属製外板を張った全金属製の機体で、ユンカース社の得意とする構造である。外観で特徴的なのはジュラルミンの波板外板（コルゲート）である。これは重量を増さずに機体の強度を上げる狙いがあった。ただし、波板外板は速度を増すと空気抵抗が増える弱点もあった。

また離着陸距離が短いため、小さな飛行場でも運用が可能であった。一説にはサッカーグラウンドでも離着陸が可能であったといわれる。これはことに軍用輸送機として非常に大きな利点であった。

[編集] 欠点

欠点としてはエンジンの非力さ、それによる速度の小ささが挙げられる。初期のエンジン1基の出力は524 hpに過ぎず、後に830 hpのエンジンに換えられたが、それでも最大速度は295 km/hでしかなかった。この鈍足さに加え、防御火力の貧弱さや制空権の逸失という事情もあって、第二次大戦中期以降多くの機体が連合軍機により撃墜されることとなった。Ju 52の喪失は結果として輸送力の低下を招き、戦線を拡大しすぎたドイツ軍にとって大きな痛手となった。

また、ユンカース流の鋼管構造とジュラルミン波板による機体構造は、1930年代後半以降、モノコック構造（応力外皮構造）の新型航空機が出現すると、早くも旧式化した。輸送機としての効率面で、たとえば連合国側のC-47（DC-3の軍用輸送機形）等に比して劣ることは否めなかった。

[編集] 運用状況

[編集] 第二次世界大戦

Ju52は、スペイン内戦で爆撃機、輸送機として使われ、第二次大戦ではドイツ空軍の主力輸送機となった。低速で武装が貧弱であるため多くが撃墜された。

Ju 52は、1930年代後半以降は時代遅れの感が強い機体であったが、第二次世界大戦終了までドイツ軍輸送機の主力であり続けた。これはこの機の高い信頼性や使いやすさによるものだったが、ドイツがより近代的な輸送機を量産できなかったためでもある。

[編集] 民間用

民間機としては第二次大戦開戦までの1930年代を通じ、ルフトハンザの主力旅客機として広範に用いられた。ローマ－ベルリン間を8時間で運行した。輸出型も造られ、プラット・アンド・ホイットニーのワスプエンジンや、ブリストルのペガサスエンジンも搭載された。

[編集] 第二次世界大戦後

ドイツでは終戦までに軍・民合わせて4,800機あまりが生産された。戦後もフランスやスペインでCASA 352/3Mとして1952年まで製造され、1960年代までヨーロッパの定期航路を飛び続けた。軍用機としてもフランス空軍やスペイン空軍のほか、ユーゴスラヴィア空軍や南米の各国軍などで運用された。スイス空軍では1980年代まで使用された。