Dの食卓

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Dの食卓（でぃーのしょくたく）とは1995年 4月に発売されたインタラクティブシネマである。開発元はWARP、飯野賢治の項目を参照。当時としてはグラフィックがフル3DCGであると言う画期的なアプローチであること、そしてプレイ時間に完璧な制限がかけられているなど「ゲーム」ではなく「シネマ」を強調した作品である。

[編集] ストーリー

1997年、ダウンタウンの病院で院長を勤める「リクター・ハリス」が突然凶変し患者や医療スタッフなどを次々と射殺して立てこもるという事件が発生する。プレイヤーは「ローラ・ハリス」となり凶変した父親を説得するため単身病院に乗り込むのだが、そこで突然、異次元空間のような物に引きずり込まれ、謎の古城に迷い込んでしまう。

[編集] システム

画面は基本的に一人称で進行し、イベントが発生すると「インタラクティブ・シネマ」の名前通り映画のように様々なカメラワークで臨場感を盛り上げてくれる。なお、リアルタイムCGではなく、ムービーシーンと静止画が交互に使われているため移動できるポイントと見られる向きは完全に決まっている。

ゲーム中では最初から持っている母親の形見の「コンパクト」や「時計」の他、様々なアイテムがあり、要所で使いながら謎を解いていく。コンパクトは使用すると鏡にヒントが表示され、一回ヒントが表示されるたびにヒビが入り最終的には粉々に割れて使えなくなる。

[編集] 世界観

古城は豹変した父親の精神世界であり、ローラはそこに放り込まれ「2時間以内」に出口を見つけ出して脱出しなくてはならない。古城には様々なトラップが仕掛けられており、数多の人々の死骸が横たわる部屋など、彼の精神状態を示唆するような物が多数存在する。また、ランダムに古城の周辺に登場する4匹の「玉虫」を集める事でローラの閉ざされた記憶の一部が復活する。

古城で拾えるアイテムやイベントには、そうとは語られていないがそのほとんどが深い意味を持っている。物語の裏のテーマは「母親の死の謎を父親に対して問う」である。Dの食卓はかなり深い設定が存在するが、その表現方法があまりにもアート過ぎたために浅いプレイを基本とする一般プレイヤーにはただの「映画っぽいゲーム」に終わってしまう作品である。また「2時間」と「セーブ不可能」という制約は従来のゲームではありえない物であるが、これは「ゲーム」ではなく「インタラクティブ・ムービー」なのだという作者の意図が感じられた。

なおゲームの中で使われている音楽は製作者である飯野賢治が自ら世界観に合わせ作曲したものである。