麻雀の役の複合
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麻雀において和了役が矛盾しない形で組み合うことを、役の複合(ふくごう)という。役が複合すれば翻数は全て加算されるため、麻雀では常に役の複合を意識してプレイすることになる。
基本的にはまず手を面子ごとに分解し、その形が複数の役の条件に合致していれば全ての役が複合する。ただしいくつかの決まり事がある。
- 上位の役が成立している時、それに含まれる下位の役は複合しない
役Aの条件を満たせば、自動的に役Bの条件も満たされると言う場合、AはBの上位の役であると言い、Bは複合せずAだけが付く。たとえば清一色が付けば混一色は付かない。清一色は混一色の条件を自動的に満たすからである。同様に二盃口は一盃口の上位役、混老頭および純全帯ヤオ九は混全帯ヤオ九の上位役で、上位役が成立していれば下位の役は複合しない。
- 面子の分け方ごとに成否が異なる役同士は複合しない
萬子の部分を と分ければ、3つの暗刻になるので三暗刻が成立する。一方 と分ければ、3つの順子であり、、一盃口と純全帯ヤオ九が成立、また両面待ちであるので(ツモ平和を認める場合は)平和も成立する。面子の分け方が異なるので「三暗刻」と「平和・一盃口・純全帯ヤオ九」は複合しない。この場合は後者で計算した方が点が高いので、そちらを選択することになる。
なお、この場合はどちらにせよ門前清自摸和も複合する。
この形を7つの対子と見なせば七対子であり、4つの順子と發の雀頭と見なせば二盃口である。この七対子と二盃口は複合しない。二盃口の形で見た方が高いので、そちらを選択することになる。一般に七対子より二盃口で見た方が常に点数は高い。これをもって二盃口は七対子の上位役であると言われることがあるが、七対子でない二盃口もありうるため厳密には正しくない。あくまであがり形の解釈による差である。
- 飜牌・ドラを除き同じ役は一度ずつしか複合しない
1「六萬七萬八萬」 2「六索七索八索」 3「六筒七筒八筒」 4「六筒七筒八筒」の4つの面子があり、’123’と’124’で三色同順が二度成立するようにも見えるが、これは認められない。一つの三色同順と一盃口が認められるのみである。
- 流し満貫は特殊系であり、どの役とも複合しない
[編集] 役満の場合
役満が一つでも成立すれば、得点計算上は他の役は全て無視される。これは「役満以外の役は役満とは複合しない」とも「役満以外の役は役満と複合しても無視される」とも取れる。どちらの解釈でも得点は全く変わらないが、完全先付けのルールでは「役の成立」の是非を巡り問題になることがある。
なお、役満同士で複合してダブル役満・トリプル役満と計算する場合がある。麻雀の得点計算を参照のこと。