鹿児島市交通局
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鹿児島市交通局(かごしましこうつうきょく)は、鹿児島県鹿児島市の交通部門。市電(路面電車)と路線バスを運営する。
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[編集] 歴史
1928年(昭和3年)7月1日、鹿児島市内で路面電車を運行していた鹿児島電気軌道を買収し、鹿児島市電気局として発足。同年より路面電車事業を開始する。なお、鹿児島電気軌道により路面電車自体の運行が開始されたのは、買収16年前の1912年(大正元年)である。運行区間は現在の武之橋~谷山間であった(なお各路線の改廃の歴史については次項および当該路線の記事を参照のこと)。
電気局発足翌年の1929年(昭和4年)12月28日にはバス事業を開始した。1931年(昭和6年)4月8日には鹿児島乗合自動車を吸収し、鹿児島市におけるバス路線の多くを市営とした。
2004年(平成16年)11月1日に鹿児島市が桜島町を編入したため、同町が運営していた桜島町営バスの事業を引き継ぎ、桜島島内にもバス路線を持つようになった。
[編集] 鹿児島市電
日本最南端の路面電車事業であり、全国の同事業の中でも数少ない健全運営を誇る。年間延べ約1千万人の利用客があり、特に谷山~天文館・鹿児島中央駅~天文館区間は利用率が高い。
1985年(昭和60年)10月1日に国道の渋滞緩和のため一部路線を廃止した。
鹿児島市は他の都市に先駆けてセンターポール化を進めたが、この事業は架線に遮られた空の景観を取り戻したばかりでなく、無理な右折車を減少させることにも成功した。 これにより定時運行が可能となり、利便性が向上。市電部門を黒字へ転換させた。
[編集] 路線・系統
[編集] 現存路線・系統
次の4路線(13.1km)から成り立っている。
運行系統は2種類が設定されている。
両系統とも平均5分間隔で運行されており、天文館通~鹿児島駅前にいたっては1分間隔で運行されている時間帯もある。
なお、運賃は全区間160円均一で、乗換券で指定された停留所で1回に限り乗換えができる。
[編集] 廃止路線
- 上町線(市役所前~清水町)
- 伊敷線(加治屋町~伊敷町)
いずれも1985年10月1日廃止。廃止前日までの運行系統は1系統が現行と同じ、2系統が清水町~市役所前~天文館~高見馬場~西鹿児島駅前(現 鹿児島中央駅前)~郡元、3系統が鹿児島駅前~市役所前~天文館~高見馬場~加治屋町~伊敷町間であった。また朝ラッシュ時には、通常利用されない渡り線を利用して環状運転する臨時の系統もかつては存在した。
[編集] 計画路線
鹿児島市は、谷山電停からJR谷山駅までの延伸計画について、2002年度からその可能性を調査していたが、2006年4月、県道の渋滞を招くなどの理由から断念することを表明した。他方面(県庁・与次郎方面等)への延伸も検討されているが進行状況は不明である。
[編集] 車両
全面広告車両も存在するが、広告電車でなくとも車両の塗装は様々であり、統一されていない。
2007年3月、輸送力増強のため、5連接構造の新型低床車両2編成を新たに導入。同年4月より運用開始予定。
- 形式
- 200形(元大阪市電901形・廃車)
- 500形
- 600形
- 700形(元大阪市電3001形・廃車)
- 800形(元大阪市電2601形・廃車)
- 2100形
- 2110形
- 2120形
- 2130形
- 2140形
- 9500形(800形(元大阪市電2601形)の機器流用車)
- 9700形
- 1000形(ユートラム 3連接構造)
- 撒水車20形(元西鉄福岡市内線)
[編集] 鹿児島市営バス
2004年11月1日の5町編入以前からの鹿児島市内全域に路線を持つ。ただし先述のように、桜島町のバス事業を引き継いだことから旧桜島町域には路線を保有している。
鹿児島市内の観光地を巡る路線バス「カゴシマシティビュー」も運行している。それとは別に定期観光バスの運行及び貸切バス事業も行っている。
一般路線車は1989年以前の車両は肌色と灰色のツートンカラーに白帯、一部茶色の塗装であったが、1990年以降の車両は空色の濃淡、白色、クリーム色の4色塗装である。ノンステップバスおよび小型バスは山吹色に青色の斜め帯の塗装。桜島町営バスの引継ぎ車は引継ぎ前からの白色と紺色のツートンカラーのままである。
[編集] 市営バス路線
- 1:伊敷ニュータウン線
- 2:清水・常盤線
- 3:玉里・西紫原線
- 4:城山・玉里線
- 5:日当平線
- 6:吉野線
- 6-2:吉野線(せばる団地経由)
- 6-3:吉野線(葛山行)
- 7:明和・中央駅西口線
- 8:西玉里団地線(市役所前行)
- 8-2:西玉里団地線(鹿児島中央駅行)
- 9:武岡・鴨池港線
- 10:高麗橋線
- 11:鴨池・冷水線
- 12:海岸線
- 13:天保山線
- 14:谷山線
- 15:東紫原線
- 15-2:東紫原線
- 16:鴨池港・文化ホール線
- 16-2:鴨池港・文化ホール線(鹿児島中央駅経由)
- 17:宇宿線
- 18:大学病院線
- 19:南紫原線
- 20:緑ケ丘・鴨池港線
- 21:永吉線
- 22:葛山線
- 23:紫原・武町線
- 24:伊敷線
- 24-2:伊敷線(西伊敷4丁目経由)
- 25:唐湊線(ドルフィンポート行)
- 26:明和線
- 26-2:明和線(原良経由)
- 26-3:明和線(小野4丁目経由)
- 27:県庁・与次郎線
- 28:伊敷・鴨池港線
- 29:伊敷ニュータウン・鴨池港線
- 30:明和・鴨池港線
- 31:玉里・三和町線
- 32:城山・三和町線
- 33:慈眼寺・与次郎線
- 35:中央駅西口・玉江循環線
- 40:武岡台高校線
- 51:薩摩団地線
- 60:桜島線
- 70:桜島代替線
[編集] 営業所
- 本局(電車・バス)
- 北営業所(バスのみ)
- 桜島営業所(バスのみ、旧桜島町営バス)
[編集] 乗車券・乗車カードなど
2005年(平成17年)4月1日から、南国交通、ジェイアール九州バスと共用のICカード「RapiCa(ラピカ)」が導入された。いわさきコーポレーション、林田バスは独自のICカード「いわさきICカード」を導入しているが、両ICカード共に県内全てのICカードリーダー搭載バス・路面電車で使用できる。
2006年(平成18年)10月1日から一般路線バスでSUNQパスが使用できるようになった。
2006年(平成18年)11月1日から、鹿児島市交通局オリジナルのトレーディングカードが発売された。RapiCaに1000円分の積み増しができる上、2006現役電車シリーズが印刷されている。今後もシリーズを増やす予定。
[編集] 外部リンク
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